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バカ・ダイアリー・エッセイ  作者: ことのはじめ


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5/9

ヤーと飛び出すカメムシよ

 自然の豊かな場所に住んでいるとエアコンから来客がある。あまり望んではいないが来る。カメムシである。



 エアコンから「ヤー!」とばかりに飛び出てくる。お前はよその家に上がるとき「ヤー!」と飛び込むのが礼儀だと思っているのか。正直やめてほしい。



 殺すのも忍びないのでいつも捕まえては玄関からお帰りいただくのが常である。だがたまに捕まりづらいカメムシもいる。大変困る。



 部屋中に臭い匂いをまき散らしながら飛び回るのだ。寒い中換気をしながら捕まえるのである。天井に引っ付いたまま照明の裏に逃げるな。



 飛び回られて大分苦労する。大体初手で飛び込んでくるのだ。アーマードコアみたいなものである。



 アーマードコアというかアーマードカメムシというか。カメムシは闘争を求めるのか。それよりとっとと逃走していただきたい。



 そもそもそこまで虫が得意な方ではない。苦手な虫もいる。カメムシはまだマシな方である。



 だがあまり潔癖になっても生活しづらい。ある程度は対処できないと生きていけないのである。大人になったものである。



 深夜にコオロギが押し入れから出てきたときもお帰りいただいたことがある。残念ながら音楽は間に合っている。別の場所でパトロンを見つけてほしい。



 自然豊かだと来客ばかりだ。大体「ヤー!」とか「やあ」みたいな感じで飛び出てくる。せめてインターホンを鳴らしてから来てほしい。



 これが野良猫だったらまだ遠くで眺めてかわいいなで済むところなのに。残念ながら虫を愛づる趣味はないから楽しめない。いつも突然の捕獲運動に駆り出される。



 虫除けを付けた方がいいだろうか。室外機は手の届かないところにあるため少し面倒だ。とりあえず垂直に五メートルは上らないと手が出せない。



 とはいえ鬱陶しいのは大抵カメムシである。ある程度大きくてぶんぶん飛び回るからだろう。戦闘機に飛び回られるゴジラの気持ちがなんとなくわかる気がする。



 フレンドリーなのは構わないが相手は選んでほしい。それこそ虫を愛でるタイプの元へ飛び出していけ。運がよければいい住処を用意してもらえるかもしれない。



 わが家に来ても追い返すだけだ。「ヤー!」と飛び込む前にちゃんとアポイントメントを取れ。断るから。

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