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バカ・ダイアリー・エッセイ  作者: ことのはじめ


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叶わない夢を吸う

 叶わないことは甘い夢となる。叶わないからこそ理想の味を追求できる。叶った夢想もできる。



 叶って大したことがないと落ち込むのもいいものだ。だが叶わないからとてもうまい味を夢見続けるのもまたいいものである。どっちみちおいしい。



 叶わないことは夢にするに限る。甘い味や理想の感覚を夢に見ればきっと素敵な夢が見られる。代わりに叶ったときに落胆する。



 だから叶わないものを夢に見るといいのだ。その内叶ったら叶ったなりになんとかすればいいだけの話だ。絶対に叶わないものは夢にして吸うとうまい。



 落胆したくない人は絶対に叶わないものを夢にするといい。そこから甘い夢を吸うのもいいし本当に叶えて自分の可能性に震えるのもいいだろう。叶いそうで叶わないものを夢にすると人によっては辛くなるので気を付けた方がいい。



 だがその分甘さは実感を伴って現れる。叶ったときの感覚が身近だからちょっと中毒になりそうである。なると危険なのであまりしない方がいい。



 昔から叶ってほしいことほど叶わない人生だった。まあただの努力不足もあるが。だから叶わないものは夢にして吸っている。



 慰みかもしれない。それでも恨み辛みを募らせるよりはマシだ。そうやって折り合いを付けるのが大事である。



 自分なりに叶わない理不尽や力不足に折り合いを付けるための甘い夢の見方である。頑張れない人間である以上一生味わえない甘さを夢に見るだけの惨めな人生かもしれない。



 まあそれはそれで仕方のないものである。それに阿るわけではないが突然刺されて死んでしまうことに対する諦めとかそういった類いのものである。そんな人生もあるか、くらいのノリである。



 自分を特別視できるほどの自尊心は育てられなかったからかもしれない。皆自分の話は当たり前に他人に聞いてもらえると思っている。私にはそれができない。



 そもそも話しかけても拒まれることばかりだったのだからそうだろう。誰も話を聞いてくれないのだから自分の話が聞かれる前提だなんて考えなくなってしまった。そういう弊害である。



 皆が当たり前にしていることすら叶ってほしいと願うものだから、大分次元の低い存在であることは確かだ。だからといって弱者だどうだとは言わないが。



 そんなもんであるから叶わないことが多かった。それを夢にして吸っていたくらいのことである。ちょっとした防衛反応だったのかもしれないなあと思う次第である。

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