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バカ・ダイアリー・エッセイ  作者: ことのはじめ


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枠から入れたり出したり

 枠を外してみると、今まで当たり前だったものが当たり前に見えなくなる。なんか妙なものに見えるのだ。例えば、車とか。



 当たり前のように車を見ているが、車と認識している枠を外してみると途端に妙な塊に見える。四角い鉄の箱に車輪がついているもの。ただの車だが車という枠を外すと認識が狂う。



 不思議なものである。当たり前の見方をちょっと外すだけで全く違う世界にいるような気がする。ひどく心細くなるのである。



 実際にある事物に対する枠を外すと怖くなるが、形而上的なことだと割と良くやっている気はする。いわゆるリフレーミングとかそういうやつである。事象を多方面から見るというアレである。



 枠を外すともちろんそれまでの見方で捉えられなくなる。その時の生の状態は結構原始的なものの見方をしているものである。枠に入れることで初めて考える土台における気がする。



 枠に入れずどろどろの状態より枠に入れてある程度形を整えておいた方が思考の土台としてはなんとかなりそうである。思考するために枠に入れた時点でその事象は見方を限定されるというやつだ。



 議論するときは前提や条件といったものを共有しておかないといけない。決めずにやるとトンチンカンなことをいつまでも話すことになる。なんとも不毛な時間になってしまう。



 枠に入れるということは前提や条件を定めるということである。定めることでそれについて他人と事象を共有できたり議論できたりする。狭めることは何も悪いことばかりではない。



 狭めることは視点を定めることにもなる。同じ視点から見ないと発展しない議論もあるのだから面倒なものである。だが無為な議論を繰り返すよりはマシだろう。



 枠を外してまた枠にはめるのも困ることではないだろう。他者と対話するなら必須ではないだろうか。枠にはめては会話することは、同じ視点から別の意見を引き出すのなら必須なのではないか。



 枠に入れたり外したりはできると何かと便利なスキルである。いろいろな枠に入れたり出したりは案外楽しいのかもしれない。ただし他人と話すなら枠に入れておくことをおすすめする。

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