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ピンクブロンドの男爵令嬢ですが乙女ゲームなんて知りません  作者: もーりんもも


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6 学園長に呼び出されました

 教室に入ると、担任の教師が生徒が揃うのを待っていた。

 おそらく、王族でも高位貴族でもない彼は、廊下での騒ぎに気がついても手が出せなかったんだと思う。

 先生にも生活があるものね。その気持ち分かります。巻き込まれ事故は痛いですもんね。


 今日はホームルーム的なことをやって終わりだそう。

 自己紹介では名乗る前からガン見されていた。さっきのアレの後だものね……。

 しかも家名を名乗ったことで貴族と分かったらしく、「お友達になって」とか、「仲良くしよう」などと気軽に声をかけてくれる子はいなかった。

 私、三年間、ルイーザだけを頼りに過ごすのかな……悲しすぎる。


「元気だしなよ! ヘンリエッタが、みんなが思っているような貴族のお嬢様じゃないって分かったら、絶対に仲良くしてくれるって!」

「そうかな?」

「うん! さ、帰ろう!」


 ルイーザに慰めてもらって、少しだけ気を取り直して教室を出たら、廊下に学園長が立っていた。


「ヘンリエッタ・オズボーンだね?」


 ……えぇぇ。どうして?

 学園長が直々に呼び出すなんて、また学園中の噂になってしまう。

 王子といい学園長といい、もう少しご自分の影響力を考えて行動していただけないものですかね。


「じゃ、じゃあ、私、校門のところで待ってるね」

「うん」


 ルイーザが気を利かして行ってしまった。

 そしてクラスのみんなは、私が出た出入り口とは反対側の方から廊下に出て足早に去って行く。

 はぁ。


「そんなに時間は取らせないから、私の部屋で少し話そうか」

「はい」


 学園長室に呼び出しだなんて。

 それにしても学園長って、王弟が就く役職ということは相当名誉な地位なのかな?



   ◇◇◇   ◇◇◇



「かけたまえ」

「はい」


 さすが王弟が過ごす部屋なだけあって学園長室は広くて豪華だ。

 ソファーに座ると、ゆっくりと沈んでいく。なかなか座り心地がいい。


「君とルイーザは同じ初等科の学校に通っていたね?」


 え? 急に何の話ですか?


「はい。ルイーザは近所に住んでいる幼馴染です」

「うん。君たちのことは、その学校の教師に聞いた。彼は、二人とも桁違いに優秀だと褒めていたよ」

「はあ」


 何が言いたいのでしょう?


「二人ともずば抜けて優秀だが、学力は明らかに君の方が上だとも言っていたよ? それなのに、入試ではルイーザがほぼ満点なのに対して、君は平均して八十五点だった……」


 驚いた。

 貴族が通う学園を甘く見ていた。まさか入試結果をそんな風に分析されるとは思わなかった。


「優秀だと上位貴族たちと同じクラスになってしまう――それが嫌だったのかな? それとも単に幼馴染と違うクラスになるのが嫌だった?」

「……」


 家の序列でクラス分けをしていることは知らなかったから、学園長の推測は間違っているんだけど。


「ははは。今のは私の独り言だよ? でも、君の意思は尊重してクラス分けをしたつもりだ。それにしても、入学初日から随分と有名人に目をかけられたものだね。ただでさえ上級生と接するのは大変だろうに」

「……」

「これからも何かあれば私を頼ってくれていいからね? この部屋のドアはいつでも開けていいよ」


 私が無言でも、構わず自分の意見を言い切るところは王子と似ていますね。

 それでも伝えたいことは全部伝えられたと、学園長は満足したらしい。

「ありがとうございます」と言って部屋を出ていく私を彼は止めなかった。


 特定の生徒を気に掛けるなんて、学園長のすることではないですよ。えこひいきが過ぎると思います。


 それにしても――学園長にも名前を覚えられてしまった。

 彼の言う通り、初登校からこんなに目立ってしまうなんて先が思いやられる。

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