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ピンクブロンドの男爵令嬢ですが乙女ゲームなんて知りません  作者: もーりんもも


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12 王子が卒業パーティーで一方的に婚約破棄を宣言しました

「シャーロット・グレンヴィル! お前のような底意地の悪い女性とは結婚できない。今日この場で婚約を破棄させてもらう!」


 ……えぇぇ?

 なんとか一年間を無事に過ごし、王子やら公爵令嬢やらとやっと別れられるのだと喜び勇んで参加したというのに。


 卒業パーティーの会場である学園のホールには、卒業生だけでなく、私たち在校生や家族、来賓たちが参集している。

 つまり国内の貴族たちの相当数が一堂に会しているのだ。

 そんな中、我が国の第一王子であるローガン殿下が非常識な発言をして周囲の顰蹙を買っている。

 王族の婚姻に関する話題なんて、超センシティブな事案のはずなのに。

 

「なんですってー! よくも――よくも――この私を辱めてくれたわね! どうせ、これも全部、あの子のせいね!」


 ……うーん。

 まあ気持ちは分かるけど、シャーロットさんもせめて公爵令嬢らしく品位を保ったまま対応してほしかった。


 ……あれ? 今、「あの子」って言っていたけれど、それって――まさか――?

 いや、そんな――。


「彼女は関係ない! お前との婚約破棄は僕の考えだ。だが、国の総意でもある。それに――」


 王子は相変わらず格好いい言葉を使っているけれど、正確に意味を理解しているのかな?


「それに、彼女は――ヘンリエッタ嬢は――」


 ……は?

 どうして私の名前が出てくる?


「やっぱりね! 『ヘンリエッタ嬢』『ヘンリエッタ嬢』『ヘンリエッタ嬢』『ヘンリエッタ嬢』! 殿下は口を開けば『ヘンリエッタ嬢』。他の言葉を全てお忘れになったのかと思いましたわ。将来の王太子が失語症になってしまわれたのかと」

「何だと! 無礼者め! 不敬であるぞ! この僕が失語症だと?」

「ものの例えですわ。私が言いたいのは、殿下のこの有り様は全て、そのヘンリエッタ嬢が原因ではないかと憂いておるのです」



 ルイーザが肘でつついてくるけど、あの痴話喧嘩の中に飛び込んでいくなんて間抜けすぎない?


「ヘンリエッタ嬢! どこにいる? ヘンリエッタ嬢!」


 あぁもう無理。我慢の限界だ。なんで無関係の私を巻き込むの?

 それにしてもこんな男が未来の王だなんて。この国は大丈夫なの?

 馬鹿な王子に一言お見舞いしてやらないと気が済まない。


「殿下」

「ヘンリエッタ――」


 皆まで言わせるつもりはない。


「殿下。恐れながら申し上げます。今日のこの場は、三年生の皆様の卒業を祝う場であり、私たち下級生はもちろん、卒業生のご家族、ご来賓の方々、皆様この良き日を祝ってお集まりくださっていると思います。そこでいきなり殿下から耳を疑うようなご発言――」

「ヘンリエッタ。聞いてくれ――」


 止めません。


「婚約破棄などと、あまりに軽はずみな――」

「僕が決めたのだ!」


 もう。ちょっと黙っててくれないかな。


「国王陛下のお沙汰でしょうか? 解消であれば、王家と公爵家とで話し合われた結果、ご両家が納得されてそのような結論が出たことは理解できるのですが、殿下は、『婚約を破棄する』とおっしゃいました。まるでグレンヴィル公爵令嬢に非があるためだと言わんばかりに……。やんごとなきご身分の方におかれましては、双方の条件が整ってから契約を交わし、ご婚約されるはずです。その取り決めの中には、当然、婚約の解消や破棄について定められていると思われます。このような公の場で宣言されたからには、グレンヴィル公爵令嬢がどの条文に違反されたのか、ご説明いただけるのでしょうか?」


「……なっ……ノア。私が許す。『述べよ』」

「え?」


 あの冷静なノアさんが、「え?」って言った。


「殿下。さすがの殿下も、一度ご覧になっただけの契約書まではご記憶にないのでしょうか。それならば現物を確認されてはいかがでしょう。両家でそれぞれ保管されていらっしゃいますよね? さて、第何条何項を適用されたのでしょう?」

次話で完結です。

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