表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

子供をだしにして

 学校のグラウンドで、家族と合流する。それでもまだ、学校の入口は開いていない。


 短い間にも、避難してくる人は増えている。


 そこで、気になったのが折れた街灯。学校は数年前に耐震工事が行われ、一部は新しくなっている。人が集まっている正面玄関前は、綺麗で新しい街灯が多い。

 折れた街灯は古いものだろうと思うが、それでも私は近付く気にはなれない。かといって、大きな声で「危険かもしれない」と告げる度胸もない。


 だから、私は子供をだしに使った。「倒れている街灯があるから、街灯には近付くな」と、子供に言うフリをして大きな声を出し、入口が開くのを待つ。


 そうしながら待っていると、正面玄関の横にある通用口が開く。時間外に小学校を訪れる時に使う入口で、正面玄関全体は解放されなかった。

 それでも入口が開いたことに変わりはない。だが、誰も中に入ろうとはしない。誘導する人がいなければ、こんな状況でも様子見してしまう人が多い。


 だから私は、再び子供をだしに使った。「中に入っていいに決まってるだろ。ここは避難所に指定されているんだ」と、大きな声を出しながら学校の中に入る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ