7章「特注依頼」
私はEOGの個人部屋で目を覚ました。
「おはようございます。卒根様。」
やけに人っぽい音声が天井から流れる。
成程、2080年の時代では2020年の原始時代とは違って、無機質な音声では無いらしい。
なんだか怖くなってきた。
私は着替えてエントランスに向かった。
・・・・・・
エントランスには、セス君が無言で立ち尽くすしていた。
少し彼はシャイな性格らしい。
「や、やあ。おはよう。」
私は話しかけた。
「・・・おはよう。」
メロディーが流れ、画面にアイが表示された。
「おはようございます。セスさん、ソツネさん。依頼が入ってきていますよ。」
「よし、内容を表示しろ。」
セス君がアイに命令した。
「・・・今回の依頼の時代は2020年。ちょうどソツネさんの時代ですね。そしてターゲットは、
「白井裕介」。彼は支配欲があり、実際同じ大学の愛人を自宅に監禁し、自分だけに愛情を注いで欲しいと思い、それが叶わなかったら、あとはどうにでもできる、危ない人物です。そんな彼を今回は悪意を取り払い、善人に戻し、自首させるのが目的です。また今回は潜入任務となるので、セスさんとソツネさんのみ出動してもらいます。」
最後の言葉を聞いた時、セス君は焦った様子でアイに言った。
「ちょっと待て。なんで俺とソツネなんだ?この依頼はパスさせてもらう!」
今まで笑顔で話していたアイが、無機質なAIの顔になった。
「・・・ここだけの話ですが。・・・今回の依頼はイロハさんにこの2人に受けさせろといった、イロハさんの特注なんです。あ、でもヤマケさんは怪我をしているので。元から出動出来ません。」
セス君がなんとも言えない表情になった。
「・・・イロハ姉の頼みなら仕方ない。さっきの発言は取り消しだ。俺は依頼を受ける。」
アイ元の優しい顔になり、音声を流す。
「はい、了解しました。ソツネさんは依頼をどうします?」
「私も依頼を受ける。初めての依頼だけど、頑張るよ。」
「はい、では着替え室で戦闘服のチップを入れてください。潜入任務なので、到着した時は普通の格好で出ますよ。」
私は着替え室に行った。
土曜日の投稿です。
追記
期末テストが22日が最終日でして。
そしてその日は部活も休みなので、22日に必ず投稿します。
頑張って有言実行してみせます。