5章「未来旅行」
あれから2週間ほどたった。
私は訓練を受け、適正ありと診断され、晴れてEOGのメンバーになった。
「メンバー入りおめでとう。ご褒美に2080年の世界を案内してあげるよ。」
ここはEOGのエントランス。私とヤマケ君はメンバーカードをアイにかざし、外に出た。
「うわあ・・・」
外の世界は、まるで夢の世界にいるようだった。
〜おはようございます。本日は、○月○日、○曜日です。今日は・・・
この音声は、宙に浮いているメガホンからでていた。目の前には駅があり、沢山の人が出入りしている。
下には、機械があり、そこからハーブの優しい匂いがしていた。
「・・・さて、行こうか。」
ヤマケ君が言った。
・・・・・・
夜。
私はヤマケ君と一緒に、2080年の夜景を見ている。
「今日はどうだった?」
「楽しかったよ。ありがとう。」
今日は朝に未来の空飛ぶ電車に乗ったり、
昼にはラーメンを食べたり、(ここでヤマケ君がラーメン好きなのが発覚した。)
そして夕方まで遊園地でジェットコースターに乗ったり。
・・・・・・?
「ヤマケ君、あのピカピカしているあれも飛行機?」
「ん?・・・・・・!いや、違う、あれは・・・」
ドン!!
衝撃音が走った。
私達の目の前にいるのは、紛れもなく、あの屋上で見た怨念と同じだった。
「ヤバい、僕は装備を持ってない!助けて」
言い終わる前に、それが体の一部を針のような物に変形させ、ヤマケ君の頭を突き刺した。
・・・怨念は真っ直ぐ私を見つめている。
私も、もう終わりかな。
そう死を覚悟した瞬間だった。
グワァァァァァ・・・
何か2つの閃光のようなものが怨念に向かって走った。
そして怨念は倒れた。
閃光の光が薄れ、2人の双子の少年と少女が姿を表した。
2人は装備をつけている。
「さあ、帰りましょう。」
1人の少女が言った。