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第10話 「庶民のグルメで荒稼ぎ!!!」

 前回までのあらすじ! インチキ占い師として金を稼ぎまくるポーラであったが、本物の占い師・ギュスターヴに嘘を見破られ、結果的に彼女は失脚! 占い師ビジネスも没落してしまうのであった!











「はぁ……ひもじいですわ……」


 占い師ビジネスの没落騒動から3日後。ポーラはいつものように大好物の“キャビアの金箔まみれ弁当”を食べながら、うつろな声を漏らした。


「キャビア食べながらひもじいとおっしゃる人間はお嬢様ぐらいですね」


「はぁ……」


 結局、ポーラは例の壺でぼったくったお金を全て返金させられる羽目になった。


 「別にぼったくってなどいないですわ」「あの壺には間違いなく1万ゴールドの価値がありましたわ」「返したくないですわ」「おやめなさい」「離しなさい」と暴れまくるポーラをなだめながら返金作業を行うのは非常に骨の折れることだったが、アルノは何とかやり遂げた。


 そんなわけでまたしても大金持ちになる野望が潰えてしまい、絶望するポーラ。


「はぁあ……」


「どうですお嬢様。たまにはキャビア以外の食べ物を口にしてみては?」


「ふん、高貴なる私がキャビア以外を口にするなんて……あり得ませんわ!!」


 するとアルノはおもむろに、カバンから弁当箱を取り出した。


「あら、なんですのそれ」


「私のお昼ごはんです」


「何が入っていますの? キャビア? フォアグラ? ダイヤモンド?」


「カレーです」


「かれー……? なんですのそれは」


「食べますか?」


 そう言って弁当箱の蓋を開けるアルノ。するとそこには、白く輝くライスとかぐわしい香りを放つカレーが。


 ──ちなみに!


 この小説のカテゴリは“異世界[恋愛]”!!


 故に読者の皆様が“異世界にカレーなんてあるわけなくない?”と感じてしまうのもごもっともなのだが、冷静に考えてみてほしい!


 それは偏見である!


 異世界にカレーがあっても、なんらおかしくはない!!!


「さあ、お嬢様、あーんしてください」


 スプーンでカレーをすくい、それをポーラに食べさせようとするアルノ!


「まあ、そんな茶色い物体を食べるなんて嫌ですわ!」


「まあまあそう言わずに。ほら!」


「パクッ!」


 と、その瞬間!


 ポーラの脳裏に電撃走る!!











「う、うめぇですわ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」











「ふふ、そうでしょう」


「しょ、庶民は……毎日こんなおいしいものを食べていますの……?」


「ええ。しかもキャビアの金箔まみれ弁当よりずっと安いです」


 それを聞いたポーラに、悪魔的発想が到来した!


「決めましたわ」


「はい?」


「カレー専門店を開きますわよーーーーー!!!!!」


「えぇーーーー!?!?」


 こうしてポーラは、庶民向けのカレー専門店をオープンすることを決意した!!











 とはいえ。カレーを作るのは決してたやすいことではない!


 絶品のカレーを作る職人……通称カレーマスターになるためには、血のにじむような努力が必須である!


「まずは、カレー作りの師匠が必要ですわね!」


 そう考えたポーラは、早速ボナパルト王国の繁華街でカレーレストラン“ナマステ庵”を営むインド人、クリシュナさんのもとへとやって来た!


 ここで読者の皆様が“勘弁してほしい。大概のことはまあギャグだからってことで許せるけど、流石にこれはない。なんで異世界にインド人がいるんだよ”と感じてしまうのもごもっともなのだが、冷静に考えてみてほしい!


 それは偏見である!


 異世界にインド人がいても、なんらおかしくはない!!!


 むしろカレーがあるのにインド人がいない方がおかしい!!!


「うおーーーーー!!!!!」


 ポーラは営業中のレストランに体一つで突撃!


 その勢いのまま厨房へ侵入!


 そこでカレーを作っていたクリシュナさんの隣へ移動!


「!? だ、誰ですかあなたは!?」


 頭に白いターバンを巻いた初老の男性・クリシュナさんは、カレーを煮込む手を止めて動揺した!


 突然不審者が厨房に乱入してきたのだから、困惑してしまうのも無理はない!


「お願いですわ!」


 そう言って、鋭い動作で土下座するポーラ!


「私に! カレーの作り方を! 教えてくださいまし!!!!!」


 それを聞いたクリシュナさん、唖然!


「な、なんと……あなたのような若い女性が、カレーを……?」


「そうですわ!」


「ですが……カレーの道は険しいですよ……?」


「望むところですわ!」


「ちなみに、いつもはどんなカレーを食べているのですか?」


「まだ一口しか食べたことありませんわ!」


「嘘でしょ?」


「でも、情熱はモノホンですわ!」


「嘘でしょ?」


「モノホンですわ!!」


「そうですか……分かりました! では、あなたを弟子に取りましょう!」


 クリシュナさん、根負け! 圧倒的根負け!!


「やりましたわーーーーー!!!!! おーっほっほっほ!!!!!」


 こうしてポーラは、見事見習いカレー職人になった!!!!!


 目指せ、カレーマスター!!!!!


 次回、「カレーは辛ぇ!!!」に続く!!!

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