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森の中での出会い〜1〜
「…〜〜〜っっ‼︎」
ウェーブがかったブロンドの髪を携えた女性が1人で、お腹を抱えるようにして小さな池のほとりでうずくまっている。
私は慌てて、女性の側に近づいて声をかけた。
「大丈夫ですか⁈」
近づいて分かったが、女性のお腹は臨月程に大きく、洋服(中世の市民のドレスっぽい⁇)の下の方がグッショリと濡れていたため、破水をして陣痛が来ているようだ。
「私の言葉は分かりますか?あなた、もうすぐ赤ちゃんが生まれるのね。1人だと危険だわ。どうぞ、お手伝いをさせて下さい。」
そう、ここがどこで、私の状況がどうなっているのかは分からない。けど、目の前で苦しんでいる人がいるなら、ましてやお産を迎えている人が1人で苦しんでいたら、私は助けたい。それが、私の役割だって信じてこれまでやってきたのだから。
陣痛の切れ間、その女性はとても驚いた顔をしていたが、息も絶え絶えに一言だけ返事をした。
「どうか、どうか…私の赤ちゃんを助けて…」
読んでくださり誠にありがとうございます‼︎