我らが強敵スライムさん
今日は昼に投稿します。誤字脱字あったら教えて欲しいです。
勇者パーティーがオークが嫌だと言うので、俺は少し森を進んで水辺の所まで進んだ。森は歩きにくいから嫌だ。三人も少し疲れている。だからオークを勧めたのに。あいつならすぐおびき寄せることができるから疲れる必要が無い。
「ギンジ、どこに向かっているんだ?」
勇者アキトが汗を拭いながら聞いてきた。この程度で汗をかくのか。まだまだだな。
「湖みたいな所だ」
「何が出るんだ?」
「スライムだ」
「・・・・・・」
誰も何も言わなくなった。何か喋ろよ。いつもの騒がしさはどうした?
「なんでそんな弱い敵なの!?」
きた、うるさいのがきた。アーニャさんだ。
「それしかいないんだ。アーニャは戦ったことあるか?」
「もちろんないわ!」
どうしてそんなに威張れるんだ?頭悪いのか?
「服装は厚着したほうがいいぞ?」
肌の露出が多い防具とか着るやつの気が知れない。アーニャは所々肌の露出が多い。多分お金がないから泣く泣くそういうの買ったと思うんだが、お金がないなら言ってくれればいいのに。神聖教会で経費として落としてもらうから。
いや、こいつは昨日普通の鎧を着ていた。壊れたのか?
他の二人は鎧のせいで暑そうだ。
勇者は聖剣エクスカリバーと聖鎧アルカディアを身につけている。どちらも宝具だ。
宝具は武器や防具の中でも最高の強さを誇る。
「嫌だわ!暑いもの!」
金がないからその鎧じゃないのかよ。じゃあ死ね。
「この中でスライムと戦ったことがあるやつはいるか?」
三人の中で誰も手を挙げなかった。
そうか、道理でこんな気が緩んでいるのか。スライムが弱いと思い込んでいると。
確かにスライム自体は弱いんだが、多分この三人じゃ勝てないだろうと思って連れてきた。
いい経験になるといいな。
森の奥に進んでいくと、湖が見えてきた。
その側に赤色、青色、銀色のスライムがいた。
スライムの色は使う魔法によって変わるが、この三人にはそれすらもわからないだろう。
「いたわよ!なんか可愛らしいわね」
「じゃあ適当に倒してきていいぞ」
三人は散らばって一人ずつ倒しにかかる気だ。一人で倒せる力があるならそれでいいんだが。
しばらく様子を見ていると三人は息をあげて悲鳴もあげていた。
「きゃあ!痛い!痛いわ!」
お前魔法使いなのに魔物に魔法当てられてどうするんだよ。
「この!オレはこんな魔物に負けるわけにはいかないんだ!」
お前は剣当たってるのに下手すぎるだろ。剣術下手すぎるんだよ。才能無しか。
「あぁん!強い!」
お前は剣を当てろ!振れ!剣を振れ!なんで振れないんだよ!
だから他の魔物でいいか聞いたのにな。俺は助けないぞ?
三人はスライムに魔法を使われてダメージをくらったり、攻撃をしても再生されたりしている。服を厚着することを勧めたのに着ないから肌に魔法を受けるんだ。
「おいギンジ!倒し方を教えろ!」
こいつら、俺が倒し方教えていないとはいえスライムぐらいは知っていて欲しかった。
この三人には倒せないか。スライムのレベル五とかなんだけどな。
手ほどきをしてやろう。
「アキト、お前は勇者で剣を使って戦うよな?スライムは物理攻撃に強い方だ。弱い魔物だけどな。お前の聖剣エクスカリバーはまだ力を全然発揮してないからただの剣と同じくらいの切れ味だ。それだとスライムには効きにくいが、その時にはゴリ押しだ、スライムは魔力に弱いから得意の光魔力でも纏え」
俺は木の棒を拾って魔力を纏わせて軽く手首を振る。
スライムが影も形も残らず吹っ飛んだ。
「こうだ。わかったな?」
「・・・・・・は?」
じゃあ次だ。
「おいミレイ、お前の剣は当たらない。戦うな」
「・・・・・・え?」
後は最後だ。
「アーニャ、お前は魔法使いなんだ。魔法を当てろ。当てれなくても当てろ。当て方はこんな感じだ。影魔術、影針」
俺の影が細く長く伸びていき、影が鋭くなりスライム達のゼリー状の肉体を貫通し核を貫く。
はい完了。
「こんな感じで倒すんだ」
「・・・・・・うん?」
よし、皆倒し方わかったな。心なしか皆顔が沈んでいるがどうしたんだろうな。
「じゃあお前ら、まだ生息してると思うから倒してこい。最初はなるべく三人で固まれよー」
何か三人が睨んできている気がするが、俺は全然気にしない。
✕✕✕
状況は詰んでいた。今は宿に戻ってきて一階のフリースペース的な所で向かい合わせになっている。
まさか三時間かけてスライム一体しか倒せないとか、何やってんだよお前ら。ピクニックにでも行っていたのか?チワワなんてスライムの友達できてたぞ。おかげで見逃してしまった。
「おいお前ら、魔王倒す気あるのか?」
「もちろんあるに決まっている!」
「じゃあどうしてスライムに三時間かけるんだよ・・・・・・!」
もうこのパーティーから抜けたかった。というより勇者を変えて欲しい。なんでこんな女好きで才能がない男が勇者なんだ。死ねよ神。
「そ、それは、君の教え方が悪い!もっとちゃんと教えれないのか!」
教えを乞う態度を改めてからそういうこと言えよ。普通に教えただろ。わからないなら聞けよ、何度でも言い方やり方変えて教えてやるんだから。なんで放ったらかしにするんだよ。命かかってるだろ。
「私のせいだわ!だからアキトを責めないで!」
お前は本当にうるせぇ。死ねぇ!
あぶない。口に出していうところだった。ポーカーフェイスは得意だからバレていないだろう。
「うるさい。そんなこと知っている。お前もかなり足を引っ張っていた。魔力量だけずば抜けているくせになんでそんなに魔法が下手くそなんだよ」
「あ、あんたいくらなんでも言い方ってものがあるんじゃない!?」
なんて言えばいいんだよ。あなたは魔力量だけ素晴らしいですね!なんて言うのか?言うわけねぇだろ。
「そ、そうだぞギンジさん。私達は精一杯」
「精一杯頑張るなら特攻しろよ。攻撃当たらないゴミナイトが」
「そ、僧侶がいないんだぞ!?怪我をしたらどうするんだ!」
周りがそうだそうだとはやし立ててくるうざい。それにお前攻撃当たってただろ。
でもこいつらの意見は間違ってはいない。僧侶がいないから攻めるのを少し控えるのならばわかる。控えるのならな。お前らは攻撃してないんだよ。
大体なんで僧侶来ないんだよ。もうそろそろ来るって上司から聞いていたが、それにしても遅すぎる。四日も経過してるぞ。俺なんか仕事を前倒ししまくってやっと間に合わせたのになんだよ。
「怪我ぐらいするだろ。少しぐらい怪我になれておけ」
「ギンジ、君は女の子に傷つけというのかい?それが神聖教徒の教えなのかい?」
そんなに怪我をさせたくないならお前が守れタコ野郎。なんでお前は守れもしないくせにそんな大口叩くんだよ。聖剣と聖鎧と肉体だけ置いて魂どっか行け。
神聖教徒とかか関係ないから。俺、神を信仰してるメンバーとして入れられているだけ。
「神聖教徒は神に祈り、神がそれに応えて助けてくれるだけだ。女の子が傷ついたらきっと神が助けてくれる。だから戦え」
俺はほとんど祈らないけどな。
「なんで君みたいな野蛮な人間が勇者のパーティーで神聖教徒の傭兵として選抜されたかわからないね。オレは女の子を希望したのに」
悪いな男性器ついてて。俺も好きでつけたわけではないんだわ。今は気に入っているが。
あと俺みたいなやつは神聖教徒に山ほどいるから。神に祈るやつは五割ぐらい。あとは適当に十字を切るぐらいしかしてない。
俺は野蛮ではない。野蛮な神聖教徒は俺の知っている中で一人、最悪なやつがいる。俺はあいつとは二度と依頼を一緒に受けたくないし二度と会いたくない。神様お願いします。
ちなみに神聖教の神の名前はコール・ライザだ。祈る者全てを助けてくれるらしい。できれば今の状況も助けて欲しい。十二時間は祈るからまじで頼む。
この責められる状況で後ろからこちらに歩いてくる音が聞こえてきた。
見えてきた人の性別は女の子。そしてそいつは僧侶だった。
なぜ知っているかと聞かれれば俺の知り合い、いや知り合い以上の関係だからだと答える。
「お待たせしましたです!今日から勇者パーティーに派遣されました、ミオ・グレイスフィールドです!」
僧侶はお前かミオ!早く来いや!そして一緒に苦しめ!
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