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魔術師の日常

二時間後に投稿します。誤字脱字あったらすみません。

 現在地、宿。


 おかしい。どう考えても、常識がないと思う。


 男女が同じ部屋に入るのがこの世界の常識だったのか?んなわけあるか。どこの常識だ。ハーレム王国かよ。


 アキト、ミレイ、アーニャの三人は同じ部屋で俺とチワワは隣の部屋どころか全然離れた部屋。まあいいよ、あの三人と同じじゃなくて嬉しい。


 問題は男一人女二人だということだ。この世界に避妊道具はなかった。避妊するための魔法はある感じだったが使える人を見たことがないしでまかせかもしれない。


 男一人で、女二人を遊び倒す力があるのだろう、アキトは顔だけは一流だ。本当に顔だけ。だが二人を孕ませてみろ、あの二人の替えを探すのにも時間がかかるのだ。人材は有限なのだ。孕ませてから気づくまでにどれくらいの時間がかかる?気づいた時には具合は悪く戦えない、そんなことになったらすごく邪魔だ。さらに替えを持ってきてもあの男の性欲は恐らく底なしだろう。またすぐに孕ませられたらもう八方塞がりになる。そしてあの男はオレが責任を取らなくてはとか言うんだろ?本当に迷惑だ。どうせ責任取れないだろうがな。まあ取らせる気もこちらにはない。さっさと魔王倒して地球に帰るための情報を得たい。そのためにこいつのパーティーにわざわざ入っているのだから。


「はぁ、この仕事辛すぎだろ」


「リラックスしたまえご主人よ。まだ始まったばかりだ、落ち着いていこうではないか」


 ベッドに座っている俺の膝の所に来て、ぽんと肉球を置いてきた。


「本当にお前犬なのか?異世界転生した人間と言われても絶対に疑わないぞ俺は」


「私はチワワ、ただそれだけの存在さ。犬のように排泄し、犬のようにご主人に従い、犬のように生きるのさ」


 何この犬、達観しすぎだろ。


 まじで勇者と中身入れ替わってくれないかな。仕事楽になりそうなんだけどな。


「さて、そろそろ私は食事の時間だ。ご主人よ、今日のご飯は何かな?」


「お前には肉をやる予定だ、何が出るかまだわからないがお前は体質的に食えないの何も無いしこっちも楽だよ」


 ペットといえば地球では色々中毒とか考えなければならなかったが、こいつはそんなものない。人間と同じぐらい何でも食べれる。


「私は好き嫌いしないのでね。食材は全て美味しくいただくよ」


「犬の鏡だなお前」


 ペットがお前でよかったよ。


 三日あいつらと過ごして気づいたことは、俺を含め全ての人間が欠陥品であるということだ。


 俺の上司はイカれている。あのパーティーに未来はない。俺がいなかったらあのパーティーは一日で死人が出る。


 なぜあの面子なんだ?大体このパーティーには一人かけている。僧侶がいない。回復役がいないから尚更死ぬ可能性がある。


 勇者が問題あるのはこの際少し置いておいてやる。本当に腹立たしいがな。


 魔法使い、あれなんだよ。魔法発動できないやつが魔法使い名乗るなよ。魔法使えないのになんで勇者のパーティー入れてるのよ。


 騎士、あいつもなんだよ。すぐやられるなよ。判断が遅すぎるし耐久力だけとか使わないんだよ。一つしかできない奴は尖れよ。耐久力だけとか言うけど耐久力もないんだよ。あいつ弱いよ。強いのは鎧だけだよ。


 俺はズボンのポケットから通信マジックフォンを取り出すを取り出す。


 フォンという名前が付いているが、見た目大きさ共にトランシーバーに近い。


 俺はマジックフォンで俺の上司に電話する。


「・・・・・・はい、こちらヒョウカイ」


 男の声は低い。この男の名前はヒョウカイ・レイジェント。俺は神聖教会という組織に所属している。彼は神聖教会の上の組織、評議会の一員でかなりの権力と金を持っている。


「俺だ。説明してもらうぞあのパーティーについて」


「あいにく僕の友達の名前に俺、なんていう人はいないな。間違い電話かな?」


「お前、神の名の元にぶっ殺すぞ?」


「評議会の僕に殺すというのは君ぐらいだろうね」


「冗談だからな。それより教えろ、あのパーティーはなんだ?」


「あのパーティー?何かご不満かな?」


 こいつ、わかってて言ってやがる。こいつは俺が求めるパーティーメンバーの水準も理解しているはずなんだ。なのにこいつは誤魔化してくる。恐らく、今その内容は言えない。そういう事なんだろう。


「いつ本当のことを話してくれるんだ?」


「そうだね、明日なら話せる」


「なら今日はやめておく。さっさと用事を済ませるんだな」


「できればそうしたいんだが、明日はちゃんと話せるさ。あともう少しで僧侶が行くから」


「まともなやつだといいがな」


 俺はマジックフォンを切った。


 ✕✕✕


「私これ食べれないわ、ギンジ食べなさい」


 なんでだよ、お前が食べろ。俺はお前のよだれがついたフォークで刺した食べ物なんて食いたくないんだよ。


「断る。自分で食べろ。それか残せ」


 俺は別に食事を残すことが悪いとかは思わないが、残すことは馬鹿なことだと思う。嫌いなものでも勿体ない。資源は有限なのだ。次の食べ物を準備するのにも時間がかかる。無駄だ。


 食べれない物を他人に押し付ける精神性に疑いを持つ。そんな嫌いなら大好きなアキトにさり気なく押し付けるぐらいやってみろや。まあアキトが好きだから自分の嫌いなものは押し付けないんだろうな。


「ギンジ、君は冷たいな」


「お前が食べたらどうだ?」


 俺はお前の対応の方が百倍冷たいと思う。俺に優しくしろ。お前らの弱さは俺の腹の痛みに直結するんだよ。


「オレも好きじゃない」


 お前ら本当になんなの。押し付けるなよ。


 ミレイを見てみろ、ちゃんと完食してるぞ。当たり前のことでも見直したわ。


 チワワを見てみろ、食べ終わって布で自分の口拭いてるぞ。まじで犬かよこいつ。


「はぁ、チワワ、お前あれ食べたいか?」


「いや、私は他人が口をつけたものが間接的にでも触れると駄目なんだ。すまないね」


 お前は本当に犬か一度本気で調べたくなるな。


「誰も食べないみたいだから残したらどうだ?」


「それだと作ってくれた女将さんが可哀想だろ!」


 じゃあ食べろよ。


「そうだわ、私は女将さんを思ってあなたに頼んでいるのよ?」


 お前は便乗してくるな。本当にだるいから。


「はぁ、じゃあここだけ食べるから、そのぐらい自分で食べろ」


 俺はフォークが触れていない場所を切って食べた。


「ええ、嫌いなのに」


 俺もお前ら嫌いだから我慢しろ。


 ✕✕✕


 次の日、またレベル上げ。


 現在アキトのレベルは十二、アーニャが六で、ミレイが八。


 本当に低すぎる。早くレベル上げしなければ魔王からの刺客で死んでしまう。まだ勇者がバレていないとはいえ、いつかはばれる。その時までに最低でもレベルを五十にはしてほしい。


「今日は魔物のレベルを少しあげるぞ。魔王はいつまでも、待ってくれないからな」


「望むところだわ!」


「私も腕が鈍っていますからね。早くレベルを上げたい」


「オレもすぐに強くなって魔王を倒して皆を助ける。だから早く行こう!」


 やる気があるのはいいことだ。この調子で頑張ってもらいたい。


「今日はオークを狩るぞ。最低でも一人ずつ一匹殺しておこう」


 オークは人間くらいの大きさで力は俺達人間より大きいが、あいつらはレベルも大して上がらないので、レベル十にもなればここら辺のオークは狩りやすい。


 そしてこの三人のレベルは十前後。まあ三人で一匹ずつ相手して、一人ずつ一匹殺せばキルボーナス入るしそんな感じでいけばレベルは少しは上がるだろう。本当なら一人で三匹相手してくれればいいんだが。


「オークは流石に危ないんじゃないか?もっと狩りやすい魔物がいるだろ?」


「私も危ないと思うわ!」


「私は全然いいと思うが?」


 ミレイって多分Mなんだよな?ここって普通この二人に便乗するところだからな。ミレイはともかくこの二人、何と戦いたいんだよ。お前らさっきまでの威勢どうしたんだよ。やる気出せよ。


「ミレイ!オークは危ない!やられたら犯されるんだぞ?オレはそんなこと絶対に許せない!」


 じゃあ倒したらいいと思うぞ?あと魔物にやられたら死ぬから普通。犯されるほうがマシとまでは言わないがどちらも俺は同じぐらいだと思う。


「そうだわミレイ!あんな汚らしい魔物と戦えないわ!」


 魔物は全般的に汚いんだよ。お前昨日のゴブリン洗いたてに見えたか?俺は三年間トイレにつけてたかと思ったぞ。


「そ、そうか。二人がそう言うなら私は変えてもいい」


「ということだ」


 どういうことだ。説明しろ。


 俺が目で訴えるとアキトがため息をついてやれやれと首を振ってきた。


「やれやれ、君は本当に鈍いな。早く違う魔物のところに案内して欲しいって意味だよ」


 鈍くない。さり気ないお前達への抵抗だ。俺は他の魔物と戦うのは反対だ。


「それは分かっているが、本当に他の魔物でいいのか?」


「ああ、ゴブリンとオーク以外もいるだろ?」


 まあいるって言えばいるんだが、お前らには勝てないと思うぞ?


 ✕✕✕


「きゃあ!痛い!痛いわ!」


「この!オレはこんな魔物に負けるわけにはいかないんだ!」


「あぁん!強い!」


 だから他の魔物でいいか聞いたのにな。俺は助けないぞ?

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