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お義父さま、怖いです

誤字脱字があったらすみません。次の投稿は明日の夕方です。

「まあもういいや。外で適当に泊まるよ」


幸い金貨二枚あるし。そこら辺の宿ならさっき泊まれるって聞いたし。


玄関から出ようとするとミオに右手を掴まれて止められた。


「ダメですぅ!私の英霊さんですよ!?私がちゃんとお世話しますぅ!」


「ミオ、それがお前のことをたぶらかした男か?」


「おお」


すごいなあの筋肉。ムキムキ過ぎるだろ。声低いし強そうだ。


そして俺はたぶらかしてない。こいつがたぶらかした方だ。


「たぶらかされていません!この人は、その、私の大事な人なんです!」


「うるさい!そこのお前!わしの」


「お前じゃありません!ギンジ君です!名前で呼んでください!」


「今わしはそこのやつと」


「だからギンジ君です!子供に礼儀作法を教えておきながら私の大事な人に無礼なことをしないでください!」


ぎゃあぎゃあと二人は喧嘩を始めた。


これどうしろって言うんだ。なんで喧嘩するんだよ。呼び方ぐらいなんでもいいのに。


周りを見てみるとメイドや執事達は誰もいなかった。皆仕事に戻っていた。これが日常茶飯事なんだな。


それにしても会話聞く限り、こいつ俺が英霊だってことを言わないな。ちゃんと約束を守っているのか。


「ミオ、ちょっといいか?」


「はいです!お父さん、ちょっと喋らないでください!」


「おいミオ!わしとそこの小僧どちらが大事なんだ!」


「ギンジさん。なんでしょう?」


ミオはついに無視をした。


少しお父さんが可哀想だな。思春期の娘を持った父親の境遇なのか。


よし、お礼を言っておくか。ついでにここの和解案を出しておく。耳元に顔を寄せて話しかける。


「お前の気持ちが嬉しい。お前は俺が英霊として召喚されたとは一言も漏らさなかった。だからここは一旦俺はどこか宿に止まる。また明日会えばいいだろ?」


「ギンジさん・・・・・・。わかりました。明日の四時に学園に来てもらえますか?」


「わかった。四時だな。じゃあお邪魔しました」


話を終えて耳元から離れ、ミオのお父さんに挨拶する。


ミオが残念そうな顔をしているが、俺は右手を振って別れの挨拶をした。


「おい待て!」


帰ろうとしたところをすぐに止められた。


「はい?」


「お父さん!まだ」


ミオが怒ろうとしたのを制して俺の方に歩いてきた。


「お前、その右手の紋章をなぜ?彫ったのか?」


突然今までとは関係のない話になったが、彼はこの紋章を知っているのだろうか?俺もこの紋章が気になっていたので逆に聞いてみる。


「いや、気づいたら勝手に。何か知ってるのでしょうか?」


ミオの父親は数秒俺を見つめた後、俺の質問には答えずにミオの方に向いた。


「ミオ、お前英霊召喚したな?」


その発言に思わず俺とミオは反応してしまった。


「やっぱりか。まず長話をする前にわしの名前を言っておこう。わしの名前はベルリ・グレイスフィールド。ギンジとやら、お前は『愚者』の英霊としてこの世界に呼ばれた」


「愚者!?」


なぜそれを知っている?俺が愚者だと言った覚えはない。


「お父さん、あの紋章がその愚者ってやつの証なの?」


「お前は何もわかっていないんだな。あれは愚者の紋章。英霊に与えられる紋章だ。まさかミオが英霊を召喚するとは夢にも思わなかった」


英霊に与えられる称号みたいなやつなのか?俺の愚者とは関係ないのか?それとも何か因果関係があるのか?


そしてこの人、英霊に関して詳しい。もしかしたら帰ることが出来るかもしれない。


「ベルリさん、俺って元の世界に帰れませんか?」


やはり地球に戻りたい。漫画やアニメのある生活を送りたいし、残してきた友達も少なからずいる。


何より、俺には大切な妹がいる。唯一残された妹が地球にはいるんだ。


「すまない。わしには何もできない。わしの娘が迷惑をかけた。この通りだ」


ベルリが頭を下げてきた。


「頭を上げてください。いつか俺は自分で帰る方法を見つけますし大丈夫です。それより、英霊と愚者について詳しく教えてください」


「そうだな。しばらくここに泊まるのを許そう。わしの娘のせいで迷惑をかけたみたいだしな」


ポンポン話が進むな。さっきまでの人とは思えない。俺が悪くないのを信じてもらえたのか。


「いいのお父さん!?」


「ああ。お前はギンジに迷惑をかけたが、もしかしたらギンジが選ばれるのは必然だったかもしれない。それならわしの家で匿った方がいい。だから一概にお前を悪いとは言えないな。悪いのはこの魔法を作った我が一族の先祖なのだから」


「ベルリさんの先祖がこの禁忌魔法を?」


「ああ。わしの家は元々宮廷魔導師、お前にわかりやすく言うなら、騎士団の中の強い魔法使い、それになる一族。そしてわしたち一族は魔法研究などを主にしていた」


なるほど、国を守る魔法使い。俺らで言うところの近衛魔術師か。相槌を打っておく。


「そしてわしの先祖は作ってしまったのだ。異世界や昔の英雄を呼び寄せる禁忌魔法、英霊召喚を。この英霊召喚には英霊に縛りが加えられる。それは召喚主の命令には絶対遵守。お前はミオが死ねと言えば逆らうことが出来ない」


・・・・・・嘘だろ。


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