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魔法と魔術の交差

誤字脱字あったらすみません。次は明日の夕方投稿します。

 廊下は長い長い一本道だ。今回の作戦は単純。相手から逃げるだけだ。


 影犬に命令をする。俺について来いと。


 ここの窓の鍵の開け方を調べる。取っ手を真ん中まで上げて押す窓のようだ。案外文明進んでいるかもしれない。


 いや、さっきの街並みは中世ヨーロッパとかにありそうだし違うな。さっさとここから抜け出して情報整理するか。


「きゃあ!あれ?」


 窓を割らずに静かに開け、二階から飛び降りてそのまま学園を囲む壁の方に走った。


 今のきゃあはミオだろう。でも影犬はクッション性素晴らしいので痛み衝撃ゼロなはず。


 あとはミオの家に行くだけだ。


「ミオ、家はどこだ?案内してくれ」


「えーと、あっち!速い速い速いぃいいい!」


 ミオが指を指した方に走る。


 それにしても従者達がバカで助かった。普通人を捕まえるなら五人一斉に真っ直ぐな廊下に走るなんてありえない。せめて分散して追い詰めるだろう。


「よし、このまま逃げ切れそうだな」


 しかも走るスピードが遅い。この世界には身体能力を上げる魔法がないのか?魔術でも少なかったしマイナーなのか?


「あっ、私教室にリュック忘れちゃいました」


「は?」


 え、こいつ何言ってんの?取りに行けって言ってるの?


「お願いですぅ!あんな男にリュック触られて舐められたりでもしたら最悪ですぅ!」


「確かにそれ嫌だな。リュックの中に大事な物あるのか?ないなら諦めたいんだけど」


 女の子の日のための物とか入ってるなら戻るんだけどな。


「教科書とか魔導書とかあります!」


 学園生活に支障をきたすな。これは取りに戻った方がいいな。まあ戻るなら俺だけの方がいい。今のミオは邪魔だし。


「よしわかった。ミオは影犬に家への道を教えながら帰れ。俺は影犬のいる場所ならどこにでも行ける」


「ギンジ君は!?」


「取ってくるに決まってるだろ。俺だって嫌なんだからな?」


 影犬にミオの家に向かうように伝える。


 そして、学園にはさっきとは違う所から侵入する。


 ちらっと後ろを見ると影犬とミオは学園の塀を越えて行った。


 学園の廊下を走り、二階に上がるための階段を登っていき教室を目指す。


 教室の中に入ってみると、ミオのリュックを持っている変態がいた。ロウヤブタである。キモい。なんかハァハァ言ってるし。場所わきまえろよ。お前地球で朝早くから学校行ったらエッチなことしてたやつらぐらいキモいぞ。ちなみにそれに遭遇した俺は全力で逃げた。


「うわぁキモ」


「貴様!?なぜここに、従者の者はどこに行った!?」


「ああ、全員倒した」


 もちろん誰も倒していない。ハッタリだ。ミオより強いやつだしこの世界で最初の敵、用心に越したことはない。あのリュックをササッと奪い返して逃げ切れればいい。そのために盛大にびびってくれ。


 俺はもちろんびびってない。リュックは奪い返すがあいつを倒しても構わないだろう。


「くっ!私は負けないぞ!ファイヤーボール!」


 炎の球体がこちらに襲いかかる。その個数は五個。


 それを跳躍して避ける。壁にファイヤーボールが燃え移ってしまった。でも先にあいつ倒さなきゃ。


影鳶(かげとび)


 影の中から真っ黒な鳶を作り出す。


「悪いが二対一でやられてもらう」


 影鳶がロウヤブタに突っ込む。俺もその後に続く。


「ホゲェ!」


 影鳶の体当たりでロウヤブタの顔面を吹き飛ばす。


 倒れるところを影の魔力を纏わせた拳で殴る。


影拳(えいけん)!」


「ホガァ!」


 ロウヤブタは盛大に気絶して倒れた。


「そんな強くなかったのか。あれか、リュック持って興奮していたんだな」


 気持ち悪すぎてぶるっと体が震える。火の片付けも済ませ、リュックを持って窓から飛び降りた。


「ふぅ、あいつ弱くてよかった。あれなら従者の方が強いんじゃないか?」


「おい!こっちにいたぞ!」


「まだ探していたのか、従順な犬どもめ」


 従者を撒いて影犬の反応がある方に走った。


 ✕✕✕


 たどり着いたのはそこら辺にある家より圧倒的な存在感を放つ屋敷。きらびやかで、ザ・貴族の屋敷って感じだな。


 ここで寝られるなんて不幸中の幸いだ。ちょっとワクワクしてこなくもない。


 門の前には二人の執事風の人達が立っていた。


「あのー、ギンジという者なんですけどミオさんいますか?」


「あなたがギンジさんですか。お嬢様が待っています」


 執事に誘導されて屋敷の中に入る。

 中は壺や絵画などが飾られてる。割ったらどうしよう。絶対に払えない。金貨二枚で足りるかな?足りないな。


 執事の他にメイドもいるな。


「ギンジさん!生きててよかったです!」


「なら俺に取りに行かせるなよ」


 ミオを睨みつける。


 影犬がこっちにきて影の中に溶け込んだ。


「ごごごごめんなさい!許してですぅ!」


 そんなに俺の目つきは悪いか?そんな怖がらせるほど睨んでないと思うんだが。


「もう終わったからいいよ。それで俺は泊まっていいのか?親に許可とか」


「許可取れませんでしたぁ!すみませぇん!」


 ミオがまたしても土下座。


 もうどうすればいいんだよ。さっきの喜び返せよ。

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