プロローグ
投稿してみました。
書きなぐっただけのような、稚拙な文ですがよろしくお願いします。
「なぜ、勇者召喚なんてことをまたやったんだ。お前たちは、先人達から何を学んだ。結局またお前達はまた同じことを繰り返すのか?」
この言葉をきっかけに先ほどまで歓喜や不安といった感情から騒めいていた空間は静まり返っていた。そして周りの騎士達が俺に警戒の視線を送ってきた。
俺は、つい口を滑らせてしまったことに後悔した。でもこれはしょうがないだろう。この空間に見覚えがありすぎた。そして今現在存在しているはずがない、していいはずがいないものなのだ。
「それはどういう意味でしょうか?できれば、できればお聞かせいただいても?」
その言葉に重ねるように質問がきた。見れば、先ほど、第一王女と名乗っていた少女だ。確かエリーゼ・フォン・レインだったか。レインという名も聞き覚えがある。彼女の面影もあるのでおそらく、彼女の血縁者なのだろう。
ここまできたらしょうがないと思い、俺は答えることにした。
「勇者召喚はこの国が築かれた当初から禁止され、それに関する情報は一切を闇に葬られるはずだったはずだ。あの、悲劇をまた繰り返さないために。」
俺の発言に他に召喚されたクラスメイト達は唖然となっている。それはそうだろう。なぜ、自分たちのクラスメイトがこんなわけのわからない異世界の一国家の内情を知っているのか、至極当然の疑問だった。だが、今の俺にそれに答える意思はない。
「!!?。なぜそれを今召喚されたあなたが知っているのですか?それはもう今は、王族にしか伝わっていない伝承なのですよ!!!?」
俺の言葉に、彼女は驚いたように聞き返す。伝承ときたか、俺はあれから何年後に召喚されてしまったのやら。じゃあもうあいつらにも会えないのか。と、俺が途方に暮れていると。
「答えてください!!あなたは一体何者ですか!?」
エリーゼはよほどきになるのか、鬼気迫る感じで問いただしてくる。
「まだ、俺の質問には答えてくれていないだろ?まずそっちからだ。なぜ、勇者召喚なんてことをまた行った。」
「キサマ、先ほどからエリーゼ様に対して失礼であろう!!」
俺の言葉使いが気に入らないのか、文官らしい奴が怒鳴りつけてきた。
はぁ、いつどこでも文官って奴はめんどくさいな、などと考えていると、
「おやめなさい、ゴルド。この方達は勇者なのですよ。多少のことは目を瞑りなさい。」
「しかし!」
「くどいですよ!・・・・・・
では続きを話しましょう、勇者召喚を行なった理由ですね?それは、魔神バロムの封印が解けかかっているためです。300年前に勇者が死闘の末封印したとされている魔神。かの魔神が封印から解けたら未曾有の被害に晒されるでしょう。それからこの世界を守るためには300年前に行ったことをもう一度行うことが必要だと思ったからです。そのために、破壊された召喚の間を復元し召喚を行いました。いささか、人数が多かったという誤算はありましたが。」
彼女は文官のゴルドを黙らせると、理由を話した。一通り話し終えるとこちらの返答を待っているらしい。視線があった。
しかし、魔神バロムときたか。懐かしい名前が出たものだ。奴の封印は、1000年は保つように施したはずだ。300年程度で、解かれるはずがない。
「冗談はやめろ。奴の封印は最低でも1000年は保つように施されているはずだ。たかが、300年程度で解けるはずがない。」
「しかし、それが事実なのです。それよりも、こちらは話しました。次はあなたの正体を教えてもらえませんか?流石に、王族関係者しか知らない情報を知りすぎています。」
それが事実だとして、なぜ封印が解けかかっている。何か嫌な予感がするな。この子達もいまいちまだ信用に欠けるし。正体をバラすか?いやでもクラスメイトの前でバラすのは少し気がひけるし。まぁ、なるようになるか。
「建国以来秘匿させている情報、失伝された技術、これらを王族関係者以外で知っているものなど一人しかいないだろう。ここまでヒントがあれば流石にもう察しがついてるんじゃないか?」
「まさか!?・・・いや、でもそんなことが。」
彼女は一人で瞑想していたが何か、答えにたどり着いたようだ。
「一応、お名前を確認させていただいても。」
彼女の問いに、俺は答える。この後の反応に確信を持ちながら。
「鈴城悠、こっちではユウ・スズシロだな。」
「ユ、ユウ・スズシロ!?やはり。あ、あなたはもしや英雄王、原初の勇者だとでもいうのですか?」
「厨二臭くてあまりその呼び名好きじゃないんだけどな、まぁ一応本人だ。」
そうこの俺都立第一高校二年、鈴城悠はかつてこの世界を魔神から救った。そして現実に帰ってめでたしめでたしという流れだった。しかし、人生はそう簡単にはいかないらしい。
ここから俺、鈴城悠の二度目の勇者召喚から300年越しの異世界生活が始まるのであった。