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想い

やばいです、完全に即興で書いてるので予約投稿とかしてる場合じゃねえ。

出来るだけ早く完結させないと・・・(危機感


美しい男が魔物に囲まれていた。私自身が切り開いた道は、その男まで真っ直ぐに伸びる。男の瞳は私が見たことのないような宝石に見えた。それは暗く澱むルビーの様で、不思議とその瞳に惹き付けられる気がしていた。


それは数秒のはずなのにまるで数分のように時間が長く伸びて、その時間の中には私たちしかいないような、ふわふわとした時間だった。

その数秒後、男が瞬きをしてその瞳が隠れ、私の時間も戻った。冷静になって魔物を切り倒してゆく。舞い上がる血飛沫にも男は動じることなくこちらを見つめていた。


ようやっと魔物を全て切り倒す。振り返って男に声を掛けた。



「さあ、早く逃げるわよ」



私は男に手を差し出した。男は戸惑うように私の顔と手を交互に見るばかりで一向に手を動かさない。男の表情は困惑しているようにも見えた。



「大丈夫?」



少し心配になったのでいったん手を下して男に尋ねた。男は私の疑問に答えることなく突然に私に尋ねた。



「なぜ私を助けたのだろうか」



その疑問に戸惑うことは許されない。



「それが私の使命だからよ」



男はさらに訪ねた。



「使命とは何なのだろうか」



私の使命はただ一つ。



「この世界を護ることよ」



この世界の全てを護ってみせる。その中にはあなたも入っているのだから、戸惑わないで、私の手を取って。


男は何かを考えているようだった。少し俯いて、手を腹のあたりでぎゅっと握りしめている。手を下ろしたり、また少し上げたり。私はじっと待つ。俯いているから少しだけ見えやすい男の顔を見つめながら。


男の口が少し開いたのが見えた。



「・・・貴女は、どこへ、向かうのだろうか」



眉を寄せて、手をぎゅっと握りしめたままに口を開いた男は私に行き先を尋ねたかったらしい。私の考えていた言葉ではなかった。私はなんとなく、自分がこの答えに落胆していると感じて、それを振り払うようにして答えた。



「・・・私は、ネフェリテの街に向かうのよ」



私が答えたときに、後ろにいるフィニア姉さんが止めていたけれど、その制止を無視して答えてしまった。次こそ私の期待する答えが返るだろうか、と。



「・・・私も、連れて行ってほしい」



その願いに嬉しくなって、私はもう一度手を差し出した。

その手に、男の手が重なった。



*


澱む心を晴らしたい

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