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NEXT GEARS  作者: 結城 祐
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目標物の行方は

「ふぅ、やっと到着か。

 依頼内容が物資の運送だけなのに、難易度がAだった理由は道中の大量の敵を見れば納得できるな」


クレイヴ達はあの後も何度か敵と遭遇したが、傷一つ負わずに目的地に到着した。

いや、正確的にはシャーネルの治癒系の光魔法で直しただけなのだが。

もちろん神様二人はそのような魔法は使わずとも、傷一つ付いていない。

クレイヴも大量の数の敵に集中的に狙われながら、傷は一つや二つ程度だったのを見ると

彼の実力の高さがどのようなものか分かる。


「小さな村だな・・・。

 入り口にも人一人いないのか」


ネイラが何の気無しに発した言葉に、クレイヴは村に起こっている何かを直感的に感じた。


「この村、、、何かおかしいぞ」


クレイヴが言葉を発した瞬間、3人は消しかけていた警戒心を強める。


「うん、確かに。。。

 普通の村の雰囲気じゃないよね。

 何か空気が張り詰めてるというか、これは・・・・・」


「「強い殺気」」


シャーネルが最後の言葉を言おうとした瞬間、クレイヴとネイラは同時に同じ言葉を発した。


その時・・・・。


(ドォォォォン!!!」

 

3人の耳には大きな爆音が入ってきた。




三人は同時に爆音の聞こえた方向を見る。


目に映ったのは・・・まるで、絵に描いたような「化け物」。


体長10m以上あろうかという程の黒い毛に覆われた巨体に三つの狼の頭。

それが、その化け物の姿だった。



「うっわ〜、大きいね」


「あれは・・・、魔族の中でも上位クラスに位置する三頭超魔獣ケルベロス・・・魔獣の長だ」


呑気なシャーネルに続いてネイラが口を開く。


「あれが魔獣の長か・・・・さっき戦った奴らの敵討ちにでも来たのか?」


クレイヴが微笑を浮かべながら言う。


「いや、魔王が消滅した今、知能が低い魔獣系では、魔界からこちらにくる方法は限られているはずだ。

 一つは、魔界から他の魔族に転送してもらう方法だが、ケルベロス程の大きさでは魔王でもない限り不可能だろう。

 もう一つは、こちらから魔方陣を描き、そこに一定のエネルギーを流し込み、召還する

 もちろん例外はあるが、この二つ以外は使われることはまずない」


「ならケルベロスを呼んだ張本人はこの町に居る訳か」


「ああ、村の損傷状況を見ると、奴は[最近]現れたようだからな、そう考えても良いだろう」


「何で、クレイヴと一緒にいると余計な事が多発するんだろうね?」


シャーネルが頭に疑問符を浮かべてクレイヴに尋ねる。


「・・・俺が一番聞きたい」





「「「・・・はぁ・・・・」」」





やれやれ、と三人同時に溜息をつく。


「・・・・兎に角、目標物が破壊されちゃ意味が無い。

 先に物を回収するか。

 それとも、先に奴を倒すか?」


クレイヴが気を取り直して尋ねる。


「先に物を回収した方がよさそうだ。

 まだ奴は、私達の存在に気が付いて無いようだからな。

 村人もこの様子を見ると避難・・・したかどうかまでは分からないが

 少なからず村にはいないようだしな。

 物を発見したら全力が出せる」


「私もそう思う。

 久しぶりに全力で戦えるしね」


「それもそうだな。

 流石に相手があれじゃ・・・手加減できないな」


クレイヴ達はケルベロスの力量を直感で理解していた。


奴は強い。

それこそ先程戦った魔獣等とは比べ物にならない程、だという事を。


だからクレイヴは二人が全力を出してどんな事になるのかを理解していても、それを拒みはしない。


「よし、じゃあ三人散らばって回収物の魔力石を――――」


「待て、クレイヴ」


クレイヴはすぐにこの場を離れようとしたが、ネイラの言葉に反応し、その場に留まる。


「なんだ?」


「その、魔力石の属性は?」


「確か闇属性だったような・・・・あぁ、そういう事か」


クレイヴはネイラのその一言で、ネイラが言いたい事を理解した。


ネイラは闇属性の物全てを司る存在。

闇属性エネルギーが発せられている場所は、それが例え微量の物であっても位置を特定できる。


「そういう事だ。

 この村に近づくにつれて、強い闇属性のエネルギーを感じていたからな」


「で、それは何処にあるの?」


シャーネルが首を傾げて聞く。


「・・・あそこだ」


ネイラが指を指したのはケルベロスがいる方向。


「何??つまりケルベロスの近くの家に入らないと――――――」


「勘違いしてはいけない。

 言っておくが、今、私達が探している物はこの村には無い。

 悪魔でも、私が指し示したのは、大量の闇属性のエネルギーがある場所だ。

 この意味が解るか?」


クレイヴが言葉を全て言う前に、ネイラがそれを否定し、逆に聞き返す。


暫く顎に手を当てて、考えた後、クレイヴはハッとした表情をする。


「つまりだ。

 もう、その魔力石は使われてしまったのだ。

 莫大なエネルギーを消費する[モノ]に・・・」


ネイラはクレイヴの表情をみて説明する。


「その、莫大なエネルギーを消費する[モノ]が、奴か・・・。

 それで奴が今、ここにいる理由も説明がつく訳だ・・・」


「じゃ魔力石は使われちゃったんだ?

 それじゃ、帰ることに――――」


「ならねぇよ!!」


「ちぇ・・・」


「・・・恐らく、ケルベロスを倒せば魔力石の原石程度は戻ってくるだろう。

 原石さえあれば、後は私がどうにかしよう」


ふてくされている、シャーネルを無視してネイラは話を進める。

どうやらネイラは今回の依頼の重大さが解っている様である。

最も、この依頼を重大にしたのはシャーネル以外の何者でもないのだが。


「ああ、そうか、ならいい」


先程にも述べたとおり、ネイラは闇を司る神という存在だ。

ネイラならどうにかなるだろう、とクレイヴはネイラの言葉を信じることにした。


そして再びケルベロスの方に目をやり、キッと鋭く睨みつける。


「それじゃ、そろそろ始めるとするか」


コクリ、とシャーネルとネイラはクレイヴの言葉に頷く。


クレイヴは背中に背負っている白い剣を抜いた。

更新が非常に遅く申し訳ありません。(汗)

しかし、まだ終わってません。

必ず最後まで書き切りますので逃げないでくださいね。


さて、ここからあとがきです。


入村直後に問題発生でございます。

まぁ、今回は前回と違って敵にもいろいろ訳ありなようです。

それが、どのような理由で?

本当に悪なのか?


色々な考えを膨らまして是非次回をお楽しみに!

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