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NEXT GEARS  作者: 結城 祐
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森林での遭遇







クレイヴ、そして彼と契約を交わした闇の神ネイラ、二人の目の前に広がるのは緑一面の広い畑。

クレイヴ一行は家から3時間ほど歩き、受け持った依頼をこなす為此処にきている。


魔法で一気に移動しても良かったのだが、「何があるか分からないから、魔力は温存して行く」という

クレイヴの案によりその手段は使わなかった。


「結構広いもんだな」


クレイヴが緑いっぱいの開放的な空間を気持ちよさそうに感じながら言った。

クレイヴの家の周りは荒地故に、緑は一切無い、だからこそ余計に気持ちよく感じるのであろう。


「ああ、緑があると良いものだ。

 ただ、戦闘をしに来たのだからな、この広さは厄介だ」


ネイラがクレイヴの言葉に肯定しつつ、戦闘に関しては厄介だという事を伝える。

確かに、畑の面積が広いということは、それだけ広い所に視野を置かなければならない。


「ああ、確かにな。

 だけど今回は、魔族退治だ、畑の防衛じゃないからな。

 ある程度退治すれば、他の奴らは恐れをなして逃げていくだろうからな」


そう、今回は畑の防衛ではなく、畑を荒らす魔族の退治だ。

要は以後、この畑の敷地内に魔族が来ないようにすれば良いのだ。


「そうか・・・。

 被害はどれ程抑えれば良いのだ?」


ネイラが疑問を口にした。

この被害と言うのは魔族の影響によるものではなく、ネイラが戦闘で起こす被害の事だ。

ネイラ程の力を持っていると半径数キロメートルの破壊は容易い、それ故力の加減を知らなければならない。


「え〜とだな。

 ある程度の被害までは大丈夫だそうだ」


クレイヴが依頼内容が書かれた紙を取り出し言った。


「ならば、畑ごとクレーターにならないよう気をつければ良いか」


「・・・悪魔でも『ある程度』だからな。

 被害は抑えるに越した事は無いぞ」


「御意」


「まあ、抑えるって言ってもな・・・コレ見ろよ」


下の地面を指差しクレイヴが言った。


「・・・これは・・・酷いな」


「全部、地面の下の野菜が乱暴に食い散らされてるだろ。

 表面上は緑があるにしろ、地面の下は酷いもんだ。

 これで抑える意味があるのかは分からないが・・・・。

 ―――――――っとそろそろ日没だ」


二人が此処に着いたのは夕方だった。

畑までにかかった時間が3時間と、予想以上の長距離だった為、夕方と言う日没ギリギリの時間に到着した。

もちろん神様二人の大寝坊も若干関係しているのだが。




・・・・日が沈む。





それは戦闘開始の合図でもある。


クレイヴの表情が真剣になる。

ネイラも同様に真剣な眼差しになる。


これからやるのは命の取り合い。

下手をすれば、命を落とすのだ。


畑は一面シーンとしている。

すると、唐突に「グォォォ」という獣のような鳴き声が全方位から一斉に聞こえてきた。


クレイヴは戦闘をする時は、常に二本の剣を背中に十字になるよう背負っている。

一本は、縦に背負われた光り輝く白い剣、もう一本は横に背負われた黒く染まった黒色の剣だ。

クレイヴは咄嗟に背中に背負っている二本の剣の内、黒く染まった方の剣を引き手に持った。


「・・・もうすでに俺たちがいることは、ばれているみたいだな」


クレイヴが言うとおり、魔獣達は警戒して中々畑に侵入してこない。


「ネイラ、闇視強化頼む」


「ああ、分かった」


闇視強化とは、簡単に言えば目を暗所向きにする魔法である。

逆に明るい所では不利になるのが弱点だが、今は気にしなくて良いだろう。


魔法がかかるとほぼ同時に、魔獣達は一斉に畑の中の二人へ向ってきた。


「ちっ!全方向からか!!

 揃っている所を見るとどうやら操っている者、又はリーダーがいるのかもしれないな」


クレイヴが舌打ちをして言った。


「仕方が無い、こんな雑魚などさっさと片付けてしまおう。

 クレイヴ、脚部強化と視力強化をかけておくから、今から上空へジャンプして

 空から親玉を探してくれ」


ネイラが魔法をかけながら言った。

この魔法はいわゆる身体強化と呼ばれる基本的なものだ。

今回は足の筋力と視力を上げている。


「ああ、分かった」


クレイヴが頷くと、クレイヴは思いきり上空へジャンプした。


「さて、ではやるか。。。

 魔力変換!!闇魔力から闇黒大魔剣へ!!」


ネイラの手に膨大な闇の魔力が集まってくる。

その闇魔力がネイラの手のひらで徐々に剣の形となっていく。

完全に剣の形が形成された時にはも魔獣達はすぐそこまで迫ってきていた。


「出力は・・・中程度で十分だろう」


ネイラは手に形成された大剣を手に持ち、それを振り回すように一回転した。

すると、剣の大きさより遥かに大きいの衝撃波がネイラを中心に半径30メートル程飛んでいった。

無論その範囲内にいた魔族は引き裂かれ断末魔の叫びをあげながら闇へと消えていった。


「さて、これで全部か・・・・・先に家に帰ってても文句は言われないだろう。

 仕事は一応こなしたからな」


トンっとネイラは地面を蹴って空へとジャンプした。





・・・・一方クレイヴは、森の中に立っている一人の青年を見ていた。


(あいつか・・・さっきの魔獣共を操っているのは・・・)


「・・・ちっ・・・全滅か。

 何やってるんだ」


(全滅??きっとネイラがやってくれたんだろう。

 あいつの強さならあの程度の事、造作も無いだろうからな)


「!!!・・・そこにいるのは誰だ!!!」


その青年は振り向く際に、魔力で形成された刃を飛ばした。


(スパンッ!!)


木が倒れる。


「・・・ここら一帯の魔獣を操って畑荒らしてるのはお前か?」


クレイヴが青年に尋ねる。


「ああ・・・そうだが?

 お前は一体誰だ?」


「ここで消える奴に名乗っても意味が無いだろう。

 あの世で恨まれちゃ、たまったもんじゃないからな。

 まあ、とりあえずお前を消しに来た者とだけは言っておく」


「ハッ・・・俺がここで殺される?

 人間如きにこの俺がか?」


クレイヴの言葉を半ば呆れ半分で聞き返す。


(人間如き??・・・そうか、こいつはヴァンパイア型の魔族か)


ヴァンパイア型の魔族は魔族の仲では上位に位置する種類だ。

弱点は光に弱い事。

銀にも弱いという弱点も有るが、光ほどではない。


「あぁ、そうだな。

 結局教えても意味が無いだろう。

 どちらかが消えるんだからな」


クレイヴが言う。


「畑を荒らした理由とかも聞かないのか??」


「どうでもいいさ」


「そうか、、、そうだよな」


青年がクレイヴの言葉に肯定してから数秒後。

青年がクレイヴの方向へ目にも留まらぬ速さで突進すると同時に

手から魔法剣(魔力で出来た剣、先程のネイラが行った事も魔法剣の延長線上の技である)を発動しクレイヴに斬りかかった。


クレイヴは咄嗟に剣を引き抜き青年の魔法剣を受け止め、剣で弾いた。

それに合わせ青年も身を一歩引く。


ヴァンパイアの外見は人間とそう変わりはない。

しかし、身体能力は人間を遥かに凌駕する能力を持っている、故に身体能力強化がかかっているクレイヴですらも

ギリギリで反応するのがやっとであった。


「ふむ。

 人間にしては反応が早いな」


「それはどうも。

 一応この仕事で生活しているんでね」


「ハハッ、そりゃあ、今夜は楽しめそうだな」


青年は笑いながらそう言った。

そしてすぐさま、クレイヴに目にも留まらぬ速さで斬りかかった。


(・・・しかし、ヴァンパイアは光に弱いと言っても、シャーネルはここにはいない。

 どうするべきか)


クレイヴは相手の攻撃を防ぎつつ、シャーネルも連れてくればよかった、という後悔の念を抱く。


(・・・後悔しててもしょうがないか。

 他の方法を考えないとな。

 このままでは流石にまずい)


ヴァンパイアには通常の剣の攻撃は全くと言っていい程効かない。

切っても人間の何百倍もの自然治癒力で傷口が閉じてしまい、すぐに元通りになる為だ。


(・・・銀に関する物は持っていない。

 するとやはり、光を当てるしかないか。 

 だが、どのようにすれば・・・)


クレイヴは青年の猛攻撃をギリギリで受け流しながら必死に模索する。


「コレが限界か??

 どうせならそのもう一本の剣も使ってくれよ。

 まだ本気じゃないんだろ??」


まるで勝負を楽しむかのように青年は言った。


(・・・もう一本・・・!!!・・・・そうだ、そういえば以前)









――――――数ヶ月前、クレイヴ宅。


「クレイヴ〜〜。

 この剣の色って、何で黒と白なんだと思う??」


シャーネルがクレイヴに言う。


「あ??だから黒い剣は闇の魔法を

 白い方は光の魔法の効果を得る事が出来るようになるんだろ??

 だから、単純に見分ける為のもんじゃないのか??」


「まあ、それもあるんだけど・・・。

 剣の色の意味はね、黒い方は闇黒鉄ってのが素材になっていて、闇の魔力を蓄える事が出来 るんだよ。

 逆に白い方は―――――――――」











(逆に白い剣は・・・光の魔力を蓄える事が出来る・・・!!

 確かあの時にシャーネルが光魔力をこの剣に入れてくれた覚えがある)

 


クレイヴは自分めがけて飛んできた魔法剣を黒い剣で受け流した。


「おっと・・・」


青年の体制が崩れる。


(今だ!)


クレイヴは黒い剣を地面に落とす。

闇の魔法の効力を受けられなくなったクレイヴの視界は一気に暗くなる。


ズシャ・・・。


クレイヴはすかさず、白い剣を引き抜き青年の胸へと突き刺す。


「おいおい、コレが仕事なのにヴァンパイアの特性も分かってないのか??

 俺にはこんな只の剣なんか―――――――」


自分の胸に刺さった剣を見ながら青年が言った。


「特性??・・・分かってるに決まってんだろ?」


クレイヴがそう言った刹那、剣から光があふれ出す。


「!!!なっ・・―――――――――」


青年は体の内側から発せられた光により消滅した。


「この仕事で生活してるんだから」


クレイヴはそう一言呟いてその場を立ち去った。











「ふぅ・・・ただいま。

 今帰った」


「・・・・・・」


クレイヴは、ネイラの自分の仕事が終わるとすぐに家に帰る癖にはもう慣れているので、戦闘が終わるとそのまま自宅へ直行した。

クレイヴには身体強化がかかっていたが、先程の戦いで黒い剣を落とし闇魔法の補助を一旦切った為、クレイヴは何も無い状態で、行きと同じように

3時間かけて帰ってきた。

なので、自宅に着いたのはもうすでに明け方であった。


流石にクレイヴの顔には疲れの表情が見える。


自分の言葉に対する返事が返ってこない為、クレイヴは二階へ上がり問題の神様二人の寝室のドアをノックした。


ノックに対する返事も返ってこないので、クレイヴは中を覗く。

そこで見えたのはベッドとソファーで幸せそうに眠る、銀色の美女と黒髪の美女の寝顔であった。


それを見たクレイヴはフッと微笑み、静かにドアを閉めた。




「・・・さすがに眠い。。。

 起きるのは夕方頃になりそうだな・・・」


そう言いながらクレイヴは自室に入り、ボフッっと自分のベッドに倒れこんだ。








今回、ほとんどボケ無しです。


単純にカッコよさを出したかったのですが如何でしたか?


これからも戦闘以外はドタバタ、戦闘はクールに、と

メリハリをつけていきたいと思います。


それでは、次話もよろしくお願いします。

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