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NEXT GEARS  作者: 結城 祐
11/21

ウィークポイント

港町『ポルト』への出発日、当日の朝。


あの二人がクレイヴより早く起きる訳が無いのは当然の事で・・・・・。


「おいっ、二人とも目を覚ませっ!!」


ドンッ、と大きい音を立ててドアを開けたクレイヴは慣れた様子で

散らかっている部屋を上手く歩き、部屋の奥のカーテンを開けた。

そこからは眩しいほどの朝日が入り込む。


「う・・う~ん、眩しいぃ・・・・」


「・・・・・・・・」


シャーネルは本当に光の神なのかと疑えるような台詞を吐きつつ、ネイラは沈黙を保ちつつ布団を頭から被った。


「今日は出発日だ。

 インティス行きの列車の出発時間に遅れるとマズイから早く起きろっ」


『列車』と言うのは、国を行き来する為の、魔力で動く車両『魔力列車』のことだ。

大陸内の各国の路線がこの大陸の中心とも言える大国インティスへと繋がっており、またインティスから世界へと広がっている。

そして、3人はまずディラモートからインティスへ向かい、目的地ポルトへと向かう予定なのだ。


その為に二人を起こしに来たクレイヴであったが、部屋に侵入されようと寝ている二人には一向に動く気配が見られない。


「いいから起きろっ~~~~!!!」


痺れを切らしたクレイヴは、そう言うと片腕ずつ思いっきり二人の布団を剥ぎ取った。

横向きに丸くなっている両者が、冷たい目でクレイヴを見る。


「・・・クレイヴのスケベ~・・・・・」


「・・・女性から剥ぎ取るとは・・・・」


「黙れぃっ!ったく・・・一国の王の命が掛かってるかもしれないってのに・・・。

 とりあえず、着替えたら直ぐに降りて来てくれ、分かったな。

 くれぐれも二度寝はしないように」


クレイヴはそう言うと、部屋から呆れた様子で出て行った。










時は進み正午。

3人は再びディラモートに来ていた。

無論列車に乗る為である。


ディラモート王国の最南端にディラモート駅はある。


世界中の人々がここを玄関として国に入るので、観光業のお店が多く存在しており、宿には困らない程だ。

そして町の外へと続く一本の道らしき物が突き出ている一際大きい鉄製の建物が、そのディラモート駅である。


「うっわ~~~、これが駅かぁ~~」


シャーネルが目を輝かせて、視線をあちらこちらに送っている。


「そういえば初めてだったな、ここに来るのは。

 車両にも乗ったことも無いのか?」


「・・・契約した時に言っただろう。

 クレイヴが私たちの最初の契約者だ」


ネイラは駅を見ながらそう言った。

二人は神として存在している時間は人間からしてみれば長いが、こうして人間界に来るのは初めてなのである。


「あ、そうだったな。

 悪い悪い」


自分でも少し間抜けな発言をしたことに気がついたのか、苦笑しながらクレイヴは返した。


「それは構わないが、一つ質問がある」


「ん?ネイラが質問なんて珍しいな。

 どうした?」


「列車が線路上を走る事は知っているが、線路上に異物、例えば魔族がいる事も考えられると思うのだが

 その場合脱線することは?」


「いや線路を囲むように結界が張られているから大丈夫。

 でもどうした?少し考えればコレ位分かるだろ、らしくない」


「結界までは予想できたが、人間の力で世界中の結界が維持出来るのか疑問に思っただけだ」


「おいおい、幾らなんでも人間をナメすぎだ。

 確かに結界の維持は難しいが、コレは世界規模で協力されて成っているんだ。

 各国有数の魔術師によってな。

 それに今日乗る列車にだって最近見つかった最新の魔術が応用されてるみたいだし、あまり人間を侮ってもらっちゃ困る」


「なるほどな・・・単体では小さいかもしれないが、集まれば大をも兼ねる。

 人間とは面白い生き物だ」


クレイヴの言葉を聞いて感心のか2・3度頷くネイラ。

色々な物に無関心であったネイラも人間については少し興味があるのであろうか。







「あっ!!お土産屋さんだっ!」


「待てっ!!」


(ガジッ・・・・)


「うっ・・・」


シャーネルが走り出す前にシャーネルの服の襟を咄嗟に掴むクレイヴ。

結果シャーネルの首が一瞬絞まり、首から下だけが前へ出る形となって苦しそうな声が漏れる。


ネイラとの会話の最中でもシャーネルの保護を忘れない所は流石クレイヴである。


「もうすぐ列車が出発するから、あんまり動き回るな。

 第一地元で土産を買う必要があるのか?」


「だって・・・」


「土産なら行く先々で買ってやるから」


少し不満げな表情をしたシャーネルも、次のクレイヴの言葉を聴き終えた時には笑顔になっていた。


「あ、でもクレイヴ『行く先々』って。。。

 寄るのって2つだけじゃないの?」


緩んだ顔のままそう尋ねるシャーネル。


「確かに寄らなきゃいけないのは2つだけど、大きい都市から大きい都市の間にも幾つか駅が有って、

 それを中継してようやく目的地へ到着するんだ。

 ずっと列車に乗ってるだけじゃ暇だと思うから、気が向いたら見て回ろうと思ってる」

 

ここからインティス、インティスからポルトに向かう間にしろ、中継となる駅は幾つも存在するのでその度列車は停車する事になる。


「さて・・・そろそろ列車が到着する頃だ。

 いくぞ二人とも」


「は~い」


「・・・・」


元気なシャーネルに対して、先程から顎に手を当て何か考え事をしているネイラ。

眉間に皺を寄せ真剣な表情をしており、クレイヴの声もどうやら耳に入ってないようである。

思えば前のネイラとの会話の終了時からずっとこの姿勢である。


「おい。

 ネイラッ」


「・・・・?

 どうかしたか?」



少し驚いたように目を開き、顔を上げるネイラ。


「俺が聞きたいよ。

 どうしたボーっとして」


「いや、何でもない・・・」


「なら良いけど。

 何かあったら言ってくれよ?長い旅路を共にする訳だからな。

 さ、列車が到着する、行くぞ」


コクリと小さく頷いてネイラはクレイヴとシャーネルの後に付いていった。









駅のホームには多くの人々が列車の到着を待っていた。

皆、出身国が違う為か服装は様々だが、荷物が多いのは共通である。

人の多さに加え、それもホーム上での動き難さを助長している。


しばらくして、黒塗りの箱型の連結車両が、数多く連なってホームへと入ってくる。


「わぁぁ~~~~~・・・・」


シャーネルはもう心のワクワクを止める事が出来ないのか、先程より一層目を輝かせて食いつくように列車を目で追っている。

その様子を他所に、ネイラはまた先程と同じポーズで一人考え事をしているようだ。


「・・・・やっぱり、何かあるのか?」


思わずクレイヴは問いかけた。

何でもない、と言われても明らかにそうでは無い様子なのだ。


「・・・大した事ではないのだが」


クレイヴの心配さが伝わったのか、俯いていた顔を上げ、クレイヴの方を見ながら話し出した。


「昨日の城を襲撃した男達が最後に残した言葉・・・・」


「言葉・・・・?

 あ、間もなく一人の男と出会うって奴か。。。

 そう言えばまだ・・・・現れてないな」


クレイヴは言葉を思い出すと周りをキョロキョロと確認した。


「デタラメではないとは言い切れないし、そのような事を言う輩にも見えなかったものでな。

 それについて考えていただけで、心配には及ばない。

 それよりシャーネルを見ておかないと、トラブルが増えてしまうぞ?」


ネイラは無表情のまま指示するようにクイッと頭を動かしクレイヴに言う。

その指示した先には10m先の人込みの中でもみくちゃにされているシャーネルの姿。


「ったく、人が降りてからゆっくり乗ればいいだろうが・・・」


と愚痴を吐きつつ、クレイヴは人込みの中へと踏み出すのであった。
















列車は20両ほどで編成されており、その中に食堂やトイレ、娯楽施設までもが揃っている。

なにせ、ここディラモートからインティスまでの距離は高速の列車でも一日以上かかるほどの長さなのだ。

席もも睡眠しやすいよう設計されており、座り心地は申し分ない。


「20番っと・・・・ここか」


クレイヴは自分の席を確認すると、そのまま座った。

大きな荷物は列車に入る際に預ける事が出来るため、荷物が多い3人は迷わず荷物を預けた。

よって三人はほぼ手ぶらである。


「・・・さて、寝るか」


ネイラとシャーネルも続いて席に座るが、ネイラは瞬時に寝る姿勢に入る。


「ネイラ・・・お前はそれしか無いのか?

 昨日の二人を追い払った雄姿は一体何処に行ったんだか・・・」


確かにクレイヴの言うとおり、昨日の謎の二人を追い払った物と同一とはとても思えない。

むしろ、席で丸まる姿は美しい風貌を除けばまるで何処かの酔っ払いのようである。


「ならば、何かするべき事でも?

 あるのなら言ってみろ、10文字以上30文字以内で」


不機嫌そうな返事が返ってきた。


「むっ・・・そう言われると困るんだけど・・・。

 例えば・・・景色を眺めるとか」


「却下だ。

 私はシャーネルと違って好奇心等は皆無だ。

 おやすみ」


「人に言わせといて瞬時に却下かい・・・」


「・・・なんなら、シャーネルと一緒に車内を見て回ったらどうだ?

 そちらの方が五月蝿くないし助かる」


そう言われクレイヴはシャーネルを見る。





キラキラ目が輝いていた。





「・・・そ、そうだな。

 腹も減ったし、何か食べてくるか」


「うん!!」


「ネイラは腹減ってないのか?

 後から食べたいって言っても――――


「す~・・・・す~・・・」


「――――は、早いな・・・・」


「思うんだけど、最近クレイヴってネイラの尻に敷かれてない?」


「・・・俺も気にしてる事をさらっと言うな。。。

 そう思われない為にも何とか動かそうと思った俺がバカみたいだから・・・」


「ご、ごめん」


何とも言えない気分になりながらもこの場を後にしたクレイヴ達であった。





 


車内食堂。

車両の中と言えど、メニューは豊富で味の評判も良く、客にストレスの欠片も感じさせない広いスペースは

現代魔術の賜物であり、魔力により空間を歪ませ細く狭いスペースを広くするという一般的には使用されて無い最新の魔術が応用されている。

最近では旅の中でもこの車両での食事が最も楽しみだという客が現れる程、評価が高いようである。


「わ~~~・・・まるでレストランみたい・・・・。

 列車の中とは思えない・・・」


「俺もガキの頃何度か来たくらいだから結構新鮮だな。

 あの頃はもっと狭かったんだけど、最近の魔術の進歩は凄いな」


二人もただただ広さに驚くばかりである。


「席も結構空いてるみたいだし・・・よ~し、頑張って食べよ~」


「そんな無理して頑張る必要ないだろ・・・。

 ちょっとは金の事も考えてくれよ」


神とその契約主の会話とは思えないほど現実的な会話をしながら、窓際の席を選んで座る。

列車はまだ出発しておらず、窓の外の景色はまだ止まったままの町の風景だ。


「注文をお伺いしても?」


「じゃあコレとコレと―――――コレっ」


「・・・本当にそんなに食えるのか?

 結構小食だろ?」


ウェイトレスが尋ねると同時にシャーネルは直感的とも言える速さでメニュー表を指差して言った。

以前からシャーネルは小食だと知っているクレイヴは、その無謀とも思える量に思わず確認を取った。


「ダメだったら、ダメだった時でしょ」


先程の金の心配はもう何処かへ行ってしまったようだ。


「注文は以上で?」


「あぁ、以上だ。

 ありがとう」


ウェイトレスの確認にクレイヴが答えると、彼は一礼して奥の厨房へと消えていった。


「クレイヴは頼まないの?」


「どうせ、残すだろ。。。」


「むっ・・・・絶対全部食べてやるんだからっ!」


シャーネルが手をグーにして気合を入れるポーズをする。

と、同時に車内にアナウンスの音声が入った。



『列車、間もなく発車致します。

 席をお立ちのお客様はお気を付けください』



しばらくして、ガタンと音を立てて列車が発車する。

加速に合わせてゆっくりと外の景色も流れていく。



「うわ・・・なんか変な感じ」


初めて体感する、車内の重力の感覚に複雑な表情をするシャーネル。


「初めてなら仕方ないな。

 俺もガキの頃はこの妙な感じに驚いたからなぁ。

 ・・・・お、町から出るぞ」


クレイヴが窓の外を指差す。


窓の外には何時も見る荒野とはまた違った風景が広がっていた。


「うわぁ~~~~・・・景色が流れてく・・・・。

 魔法で空は移動できるけど・・・なんか変な気分」


「なんか、いよいよって感じだな・・・・」


「だね」


広大な風景を目にして、自分たちの此れからの旅の大きさを再び思い知らされる二人。





「ところで」



暫く広大な景色を眺めていた二人だが、唐突にクレイヴが話を切り出した。


「何?」





「・・・ネイラに弱点とか無いのか?」





・・・・・・・・・・沈黙。


「や、やっぱり・・・・まだ気にしてるんだ」


気まずそうに沈黙を破るシャーネル。


「今のままだと契約主としての威厳が危ないと思うんだから仕方ないだろ・・・」


「でも、弱点を握るのと従わせるのは少し違うような・・・」


「確かにそうだけどな・・・」


「それに私、弱点なんて知らないよ」


「この世界に降り立つ前にも見た事無いのか?」


「うん、クレイヴが生まれるよりもず~っと前からあんな感じ。

 暇があったら寝てたし・・・・」


「寝てるのはお前もだろっ」


唐突にビシッとシャーネルの頭を叩くクレイヴ。

 

「痛~~い・・・・と、兎に角!

 弱点は分からないから自分で何とかするしか無いって事!」


「・・・・ったく・・・何か無いのか」


「それにそんな悩む事でもないと思うよ」


「何でだ?」



「だって、ネイラ、クレイヴと契約する前から、自分より位の高い神様の指示を無視して寝てたし。

 『何故何の関係も無い事を私がやらねばならない?』とか言って」



その時クレイヴは悟った。

ネイラを扱える者は少なくともこの人間界には居ないのだと。

いや、神の世界でも居ないのだろうと。


「あ、ご飯来たみたいだよ~~」


「あ、あぁ・・・・」


今まで悩んでいた事がどうでも良くなったのか、それともどうしようもない事を知り途方に暮れているのか。

呆然とするクレイヴを無視して、シャーネルは一層気合を込めて食事を食べだすのであった。





そして10分後。。。




「も、もう限界・・・・・・」


「まだ半分以上残ってるだろ、明らかに」


ようやくクレイヴの意識が戻って来たという時にこれである。

また一段と気分が重くなるのも無理は無い。


「・・・クレイヴ食べて~~」


「頑張ってはみるがな、、、この2、30分間で急激に減少した食欲で食べきれるとは思えない」


「う~~ん・・・・そうだネイラ呼んできたら?

 寝てると思うけど、可能性は無い事も無いと思うよ」


「自分で頼んだものを食いきれないからって俺に食べさせ、尚且つ助けまで俺が呼んでくるのか!?」


「お腹一杯で動けないんだもん」


「・・・く・・・仕方ない」


つくづく甘い男である。

寝起きのネイラがどれほど機嫌が悪いか知っているのにも関わらず、あえてそれを呼び起こしに行こうと言うのだから。







「・・・ったく・・・食ったんだから動くって言う発想は無いのかよ・・・・ブツブツ・・・」


席を立ったクレイヴは、早々と店を後にして客席の車両へと揺れる足場を物ともせず移動していく。

そして愚痴をこぼしつつも席に到着したクレイヴは、ネイラに向かって申し訳無さそうに言った。


「・・・ネ、ネイラ~~、良かったらで良いんだけど・・・昼飯が食いきれそうに無いから――――って、どうした!?」


驚くクレイヴの目線の先にあった光景とは。





「う・・・・気持ち・・・・悪い・・・・・・」


シートに腰掛けたまま、腕を額の腕に置きながら悶えるネイラの姿であった。





そう、ものの見事に『乗り物酔い』をしていた。





「・・・闇の神様の弱点・・・・・『乗り物酔い』・・・・」


どうしたら良いのか分からず、ただそこに立っている事しか出来ないクレイヴであった。












「・・・クレイヴ遅いなぁ・・・・。

 もしネイラ断られても、帰ってくるだけだから時間はそんなに掛からない筈なのに」


シャーネルは一人心配そうに呟いた。

帰ってきても良い時間はもうとっくに過ぎている。

明らかにここに来るまでの倍以上の時間が経過していた。


「ネイラの逆鱗に触れて大変な事になってるのかな?

 ・・・・だとしたら列車ごと脱線し兼ねないから、脱出の用意くらいしておいた方が――――」


「悪い、遅くなった」


「あ、おかえり~。

 遅すぎだよ、クレイヴ。

 ネイラの逆鱗に触れて列車ごと破壊されるんじゃないかって思った~」


自分の妄想が杞憂に終わり安堵の表情を浮かべるシャーネル。


「んな訳あるかっ」


「で、どしたの?」


ここまで待たされては理由を聞かない方が可笑しい。

当然ながらシャーネルはクレイヴに遅れた理由を尋ねる。


「いや、それがさ。。。

 ・・・その・・・・」


何故か困ったように口篭るクレイヴ。


「その?」


「乗り物酔いで・・・・・・」


「クレイヴが?」


「いや、ネイラが」


短い言葉のキャッチボールの後、最後のクレイヴの言葉を聞いたシャーネルは一言呟く。






「・・・面白いこと聞いちゃった・・・・♪」






「あ~コレだから話したくなかったんだ!

 頼むから家を揺らすとかするなよっ!

 絶対壊れ・・・いや、潰れるから!」


先程のクレイヴの困った表情はこの為であった。

そして不運にも予想は的中。


「だ~いじょうぶ!」


「大丈夫じゃないから言ってんだ!!!」


旅は始まったばかりだが、もうすでに帰った後の家の心配をするクレイヴ。

幸先不安である。


「それで、ネイラは大丈夫なの?」


「今は実体化を解いてる」


以前にも述べたが、精霊や神とはいえども人間と契約している以上は、実体化しているか、その契約者の精神の中でしか生活することしか出来ない。

つまり、今ネイラの肉体は一時的に消滅しており、クレイヴの精神の中にいるという事になる。


もちろん他人から見れば、そこにいた人が突然消えるように見えるだろうが、この世の中精霊と契約を交わす者も少なくは無い。

それどころか今では戦う者のみが契約を交わしている訳ではなく、一般に生活する者と契約を交わしている事もある。

よって、すでに一般化しているとも言えるその行為自体は何も珍しいと言う事は無いし、神と精霊の区別も付かないので驚かれる事は無いのだ。


「あ、なるほど、アッタマ良い~」


シャーネルはポンッと相槌を打った。


「さて・・・食べるとするか」


少しばかりネイラの弱みを見たからか、クレイヴも少し安心して目の前にある大量の残り物に手をつけ始めるのであった。



今回は本編には殆ど関係が無い・・・茶番劇(?)のつもりです。

自分の中では、かなりストーリーは煮詰まってきてるのでここから先列車の行く先々で起こる出来事に乞うご期待。

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