レッツ、ギャンブルッ‼
「 急遽ランク『Ⅶ』パーティーに入った、金条です。」
「ちょっと貴方、誰と話してるの?」
「俺のファンのリスナー達に語りかけてる。」
「?」
「まぁとりあえず、俺が語り合えるまでパチシーお前は待っとけ。」
「.....?...まぁ分かったわ。」
「おう..........さて俺は今前回組んだパーティーと一緒に
クエストに出ているところだ。そして現在森の中。
気になる奴もいるだろうから、ここまでの経緯を紹介するぜ。」
◆◆◆◆◆
「申請してきたよ〜ん。」
そうチュリスが俺のカードで手遊びしながらやって来た。
「はい、賭博確認して。」
チュリスは金条に向かってカードを投げる。
しかし、縦回転しながら飛んできたカードをうまくとることができず、
カードが床に落ちてしまう。
「.......駄目なんだぞ、人に物を投げたら。」
「あは!.....ごめん許して?.......」
たっく、女じゃなきゃ殴ってるぜと言いたげな顔を作る金条にチュリスが続ける。
「えっと、カードのところにパーティー加入日と、
パーティー名が入ってたらOKだよ。入ってる?」
そうチュリスに言われたので、カードをささっと拾い上げて確認する。
そこにはしっかりと日付が刻まれていたが、
金条はパーティー名を見て苦い顔になる。
「.........何?この男の子が考えそうな言葉?....」
カードに刻まれていたのは『ネイルラビリンス』という言葉。
またこんな強烈な.......誰が考えたんだ?
そう思っている金条にムフェイが言う。
「........何?私が考えたんだけど?」
まぁまぁ予想は的中。
黒髪ボブで眼帯はもう中二病だろ。※偏見
「..........理由は?」
「...........響き。」
マジで大丈夫か?
このパーティー選択ミスじゃないですか金条さん?
しかし、当の金条は......
「.......すぅー....ふぅ~.........まぁいいんじゃない?」
おい、負けんなよ.........
そんな期待も虚しく金条はこの話題をスルーする。
ちょうどこの話の話題が尽きたとき、チュリスがきんじょうに問う。
「で、大丈夫?」
「あっ、あぁ、うん。大丈夫だ、問題はない。」
「OK。それじゃあいくよ。」
「はぁ?どこに?」
金条は聞くがその他5人は席を立つ。
「賭博ぅ~。察し悪いね。私たちは冒険者だよ?
そんならやることは一つでしょ?」
「.........!?.....まさかとは思うが.....」
「行くっしょ、クエストへ!」
◆◆◆◆◆
席を立った6人はクエストの掲示板へと向かう。
見てみると数多くのクエストがあり、
中には〈薬草採取〉〈羊の世話〉〈迷子猫捜索〉などの軽いものから、
〈アースワーム討伐〉〈ゴブリン討伐〉など討伐系もあった。
金条は、あっ、あのクエスト楽そうだな、という弱弱しい思考をしていたが、
次の瞬間その考えは消え去ることになる。
金条以外の5人が一斉に散らばり、掲示板をくまなく見始めた。
全員が上から下へと目線を動かしていて、何かを探している雰囲気があった。
金条が疑問に思っていると、チュリスが金条に呼び掛ける。
「お~い!新米の賭博君。こっち来て!」
声がした方を向くとそこには背伸びして
少し上の張り紙を取ろうとしているチュリスの姿があった。
急いで向かうと.....
「ごめ~ん。私届かないからあの張り紙を取ってくれない?」
そうチュリスは前で手を合わせながらウインクをし、ある張り紙を指さす。
無理もない。
見た感じのチュリスの身長は、150後半行くか行かないか。
「しょうがないな。おチビの代わりに取ってやるよ。」
「あ"?」
眉をぴくぴくさせながらキレるチュリスを横目に、
身長180ジャストの金条が張り紙を手にする。
(なんだこれ?)
とった張り紙は古臭く、インクがかすれて読みづらくなった物。
(うっわ!見えな......こんなん取って一体.........)
「はい!膝がお粗末~!」
「イッ.........テェェ!!」
チュリスは考え事をしている金条を気にせず、
うっぷん晴らしのため金条の膝の下らへんを杖で打った。
「チビって言うからだよ~だ。その張り紙持ってきてね?」
そう言いチュリスは先ほどみんなが座っていた場所に帰っていった。
「あぁ~イテぇ~」
「だ、大丈夫......ですか?」
金条を気にする声が聞こえる。
幻聴か?そう思い後ろを振り返ると......
「....手.....掴んでください。」
こちらに手を伸ばしているスリミンがいた。
「あぁ、わりぃ。」
そう言って立ち上がった金条にスリミンは話す。
「チュリスあの子昔からそうなんです。人にちょっかいを出すのが好きで........」
「ううん、べつに気にしてねぇ。俺から吹っ掛けたからな。」
「.....あの....金条さん。」
「ん?」
「これからよろしくお願いします。」
「おっ、おう。いきなりだな..........あぁ、よろしく。」
やっぱりナレーター目に狂いはない。
この子はめっちゃいいやつ。
◆◆◆◆◆
金条とスリミンがさっきの場所に戻ると、
みんなが座って待っていた。
「遅いよ二人とも~」
「お前のせいだけどな?」
その言葉に気になったパチシーが食いつく。
「チュリス.....なんかやったの?」
「いや~?なんにもやってないなぁ~。」
チュリスはそうしらばっくれると、話を進めた。
「.......さて!みんな、ちゃんと持ってきた?」
「もちろんよ。」「もちろん。」「もちろんだよ。」「もちろんです。」
「じゃあ、みんな机の上出して。」
そうチュリスが言うとパチシーが1枚、
ムフェイとカフェイが2人で1枚、スリミンが1枚張り紙を取り出した。
「あれ?チュリス、あなたは?」
「あぁ~、僕のは賭博が持ってる。」
パチシーに言われ金条へと視線を向けてくるチュリス。
その視線を受けて金条は先ほどの張り紙を取り出す。
全部で出されたのは4枚。
ボロボロで字が見えにくいものばかりだった。
「お前らってボロボロなクエストの張り紙が好みなの?」
そう金条が聞くとチュリスが答える。
「いやいや、これには理由があるんだよ。」
「理由?」
「うん。.......賭博、この古いクエスト紙が何を表すか分かる~?」
「............なんだろう、ロマン?」
「.....半分正解だけど......ボロボロってことは
このクエストが出てから時間がたってるってこと。」
そう言うとチュリスが4枚の紙を金条の前に出す。
「それぞれがめんどくさいものや高難易度のものばっかで、
みんなが手を出さないの。」
そう言い終わると今度はパチシーが言い出す。
「そう。クエストってものは時間がたてばたつほど難しくなる物。
みんなが放置するから手遅れになる可能性があるの。
実際にゴブリン5匹だったのが、
気づいたら200匹になってたってことがあるのよ。」
「ほ~、つまりみんなが残した飯を腐る前に食べちまおうってこと?」
「まぁ、言い方は嫌だけどそういう意味。」
パチシーに嫌な目で見られたが気にしない。
「賭博、これが僕たち『ネイルラビリンス』の仕事だよ。」
[なるほど.......理解はできるな......だが、]
金条はある結論にたどり着く。
「全部むずいやつばっかじゃねぇの?」
彼の読みは当たっている。
現にそれぞれの紙には
〈ブラックバットの洞窟調査〉〈ケンタウロス村の攻略〉
〈ククルカン討伐〉など、『Ⅴ』以上の高難易度のものがずらりと並んでいる。
「そうだよ~。........じゃあ今回はこれにしようか。」
チュリスはあるクエスト紙をとる。
「....いいね~。〈キングロッククロコダイルの討伐〉.....
興味をそそられるよ。」
「またあなた変態志向なこと言って.......」
「そんなんは気にしないよパチ。......さぁ皆行こうか。」
そう言って迷子の子供みたいな顔になっている金条を気にせず出発した。
◆◆◆◆◆
「っていうわけだ。....ちなみにこのクエストの適正レベルは『Ⅴ』。
チュリス曰く「全員でサポートすれば大丈夫っしょ!」て言っていたぞ。」
「..........あの~、もういい?」
「あぁ、いいぞパチシーどうした?」
「ロッククロコダイルなんだけど、きれいな湖で岩に擬態していることが多いの。
だから、今は湖を捜索しているところなんだけど.......大丈夫そ?」
「OK、任せろ。」
「..........本当に大丈夫かしら?」
ジト目をされながら心配されている金条。
実は内心ビビりにビビっている。
彼にとっては初クエストが高難易度。
例えると中学初の定期テストがバカむずかったあれである。
そんなことを思いを抱えていると.......
「あ゛ぁ~、もう見つかんない。いっそのこと焼き払っちゃおうかな?」
前から危険な発言が......
今の並び順は前から
スリミン、チュリス、金条、パチシー、カフェイ、ムフェイとなっている。
金条の前はスリミンとチュリスのみ。
しかし、われらがスリミンがそんなことを言うはずがない。
つまり、消去法で発言したのは.......
「おい!チュリス!それだけはやめろぉぉぉぉ!!!!」
金条が言った後にパチシーも続く。
「ねぇ、ちょっとチュリス!あなた『サーチ』は?」
「あっ!忘れてた。ごめ~ん。」
あぶない、あぶない。
もしチュリスが火でも放っていたら、金条は逃げられずGAMEOVER。
この物語も終わることになる。
てか毎回終わる直前まで来ている。
「じゃあ、発動しますか!『サーチ』!」
チュリスが唱えると、薄い青い膜が広がっていく。
スキル『サーチ』
・己が念じた特定のものを探し当てるスキル。
・探し当てる範囲はこの青い膜の中のみ。
・範囲が広いと使用時間は短くなるぞ。
(チュリスの場合 直径1kmで30分持つぞ。)
「おっし!3km広げた。制限は25分だからさっさと探そう。」
その掛け声にカフェイが反応する。
「行きます。『脚力上昇 レベルⅡ』。」
カフェイが唱えた途端、全員の足元に緑の光が現れる。
スキル『脚力上昇』
・自分と自分が許可した生物の脚力を一時的に上げる。
・レベルは『Ⅰ』~『Ⅴ』まであり、制限時間はすべて一定。
※レベル『Ⅴ』にもなると音速にもなるので調整必須。
(カフェイの場合 制限時間30分)
「皆さん!バフを付けましたよ。」
「カフェイナイス!さて、皆あとは僕に任せろ!」
そう言い胸に手を置くチュリスに向かって金条は言う。
「頼むから方向音痴になるのだけはやめてくれぇ~!!」
◇◇◇◇◇
捜索をすること10分後.......
「着いたぁ~......ここじゃない?」
歩みを止め、小さな湖を指す。
ていうか、湖ってよりかは泉に近い。
そこにはきれいな水が溜まっており、見て目的にも飲んで大丈夫そうだ。
........ん?飲む?
あれ?確か.........
「.........見渡す限りいないようね。ここらへんで休憩しましょう?」
「パチの案にさんせぇ~。
いや~、それにしてものどが渇いた~。もう飲んじゃお。」
........あれ?飲む?.........あっ!
「まてぇ!チュリス!その水を飲むなぁぁ!!!!」
「えっ?」
金条の大声に泉が揺れる。
しかし、収まるはずの揺れは収まらず大きくなっていく。
地面までもがグラグラと揺れ始める最中、金条はチュリスに飛びついた。
「えっ!?ちょっ!?いきなりハグは、早い......」
「全員よけろぉぉ!」
金条の叫び声にほか4人は驚いたのか、チュリスのいた場所から数歩下がる。
全員が混乱している中、それは突如現れた。
ボカァァンッ!!.......「ガオォォンッ‼」
湖をもひっくり返して出てきたものは、岩の皮膚をしたワニ。
金条が見たものより圧倒的に大きく、それはゆうに体長15メートルを超えていた。
そう、あの岩ワニがロッククロコダイルで
この場所は金条が最初にスキルを使ったあの泉である。
◇◇◇◇◇
キングロッククロコダイルは金条達を睨んでいた。
その目は乏しく脆弱なものに向ける目だった。
金条は反射的にチュリスを見る。
顔は青ざめていて、額には汗が染み出ていた。
それは普段の彼女とは思えない姿だった。
目は明らかに焦点があっておらず立てるのかもおかしい状況...だが、
「チュリス!立てるか!」
「.........ご、ごめん。腰が抜けちゃって.....う、動けない。」
人間なら男でも女でも死に直面したら体がうまく動かせなくなる。
それはレベルが『Ⅶ』で場数を踏んでいるチュリスも当てはまる。
チュリスが動けない中、不運にもクロコダイルはチュリスを視界にとらえる。
「ひぃっ!」
「やべっ!」
金条は慌てて走り出しチュリスを抱きかかえる。
それを狙いすましたかのようにクロコダイルが前足を横に払う。
が、間一髪のところでそれを回避することに成功する。
[あぶねぇ!カフェイのバフがなかったらぺちゃんこだぜ。]
あとでカフェイに感謝しとこう。と思った金条が
抱えているチュリスの独り言に気づく。
「.......おかしい。あんなのキングロッククロコダイルじゃない。」
「...........あっ⁉.......あれがキングじゃねぇのかよ⁉」
「あ、あれは........エンペラーロッククロコダイル.......」
「エンペラぁ?」
「あんなん、レベル『Ⅶ』級のモンスターだよッ!!」
やけくそに嘆くチュリスに
金条がエンペラークロコダイルを見ながら質問する。
「お前らも『Ⅶ』じゃね~の!?」
「.....そ、そうだけど.....私たち実は『Ⅶ』になりたてで.....」
「心配ってわけか!?」
そう金条が言うとチュリスは首を縦に振る。
ここで金条はロッククロコダイルの死角になる木に隠れ、
一呼吸おいて落ち着いてから周りの状況を読み解く。
[え~と、まずまず考えると.......
ネイルラビリンスのレベルは『Ⅵ強』で、ワニが『Ⅶ』ていうわけか.......
極めつけにあのワニどもは皮膚がガチ硬ぇ。
たぶん、あのワニころは俺が戦ったやつより強そうだからまず物理は効かねぇ。
だから、剣、弓矢は論外ってなる。つまり今のままだと100%負ける。]
考えれば考えるほど思考の沼におぼれていく。
「これは困ったことになっちまった。」
どうする?どうすれば勝てる?
金条の頭がこれらに支配される。
ふとワニの方を見るとパチシーの振るった剣が効かなく、
ムフェイの放った弓矢がはじかれているのを見た。
状況は絶望的。
ワニを見ながらさらに考える。
(考えろ。考えろ!何か弱点があるはずだ!)
そして金条はこの前戦ったワニのことを思い出す。
大きく開いた口にかみ砕かれそうになったあの時。
ん?口?.........!?
「........ちょっと行ってくる。」
そう言い木の幹にチュリスを寄りかからせる。
「.....待って!ダメ!賭博が死んじゃう!」
そんな声を後ろで聞きながら金条は走る。
「わりぃ........死なら一度味わってんだわ。」
◇◇◇◇◇
金条はワニに向けて走ったふりをして皆から見えない場所へと移動する。
「ここらへんならいいか?」
周りには誰もいない。
「......はぁ、やるきゃねぇよな。」
彼は決心し、自分のスキル名を叫ぶ。
「来いよ。『ギャンブラー』!!」
彼はその場に倒れこみ、意識はゆっくりと途絶えていった。
◇◇◇◇◇
「おはようございます主。」
「よぉ!シエラ!」
金条は再び精神世界にやってきた。
やることはただ一つ。
「シエラ、誰かがあのワニによって負傷を負うまでの時間は?」
そう言うとシエラはいつものように端末を取り出し報告する。
「そうですね......残り30秒といったところです。
けがを負うのはパチシーさん。全治1ヶ月です。」
「.........分かった。今回のおすすめの台は?」
「あの台です。」
シエラは矢印でおすすめとポップに書かれた台をゆびさす。
そして、いつもの御託や茶番などを捨てて、
金条は素早く走り込んでその台の前の椅子に座ると....
「『2秒消費』する。」
そう言うと台に2000という値が表示される。
金条が早速打とうとしたとき、シエラに声をかけられる。
「主、前にもお話した通りこの世界にいるときは
あちらの世界の時は止まります。
それなのになぜこっちの世界でも急がれるのですか?」
「........時が止まってたとしても、仲間のつらい姿を見続けるのは嫌なんだ。」
「.....なか、ま?」
金条は答えるとすぐに打ち始める。
「.............なかま....」
シエラには感情がない。
このスキルを作られると同時に、そう作られた。
喜び、悲しみ、怒り.....感情はノイズでしかない
そう思って生きていた。
しかしこの主、金条が来てからは何かが変わった。
金条が必死に払い戻そうとしてるところを見てあきれを覚えた。
金条に嫌なことを言われて怒りと恥を覚えた。
そして今、彼女は戸惑っている。
仲間は必要ない。
そう思っていた彼女に、光をともした。
主にとって彼女たちは『仲間』なのだろう。
シエラは端末を強く握りしめる。
「........頑張れ主...........」
「おっしゃぁぁ!当たったぞぉぉ!!!!」
シエラは今思う、どんだけクズなことをしていようが、
人は変われる。そう確信する。
「あぁ、待って!3がズレたぁぁ!」
.......前言撤回、やっぱダサい。
◇◇◇◇◇
その後ちゃんと当てた金条が商品交換所へ来る。
「ギリギリですね.......」
消費した時間は24秒。
あともうちょっとかかってたら危なかった。
「シエラ、全部で80000ピースだ。これで――が欲しい。」
「えっ?――ですか?物理は聞かないんじゃ......」
「一つ策がある。その端末で俺の雄姿を見ててくれ。」
「........分かりました。少々お待ちを.....」
シエラはドアの中に入って主の希望の品を探す。
「あっ、あった。」
それは大きく取扱注意という文字がついていて、
不気味な雰囲気を醸し出していた。
シエラはそれを袋に詰めるとドアを開けた。
「全部で20個入ってます。いいですね?慎重に運んでください。」
「分かってる。.......ありがとう、シエラ。」
「お仲間の皆さんが待ってますよ。
..........いってらっしゃいませ、主。」
金条が気を失う直後に見たシエラの顔は満面の笑みだった。
◇◇◇◇◇
「帰ってきたぁぁぁ!」
金条はがばっと起き上がる。周りを見渡してワニがどこにいるか確認する。
ドスンッ!
「そこか!?」
音がした方を振り向くと、パーティーメンバーが防戦一方な姿が見えた。
「くぅぅ!がんばってみんな!奴が疲れた時を狙うよ!!」
「「「分かった!」」」
パチシーの鼓舞に全員が答える。
しかし、鼓舞しようとした時だ。
パチシーはミスを犯した。
相手に背を向けてしまったのだ。
このチャンスをワニが見逃すはずもない。
一気に距離を詰めると尻尾をパチシー目掛けてブン回す。
「パチシー!後ろ!」
「えっ?」
後ろを振り返ると、自分に伸びてくる大きな尻尾。
このままだとパチシーはシエラが言っていた通り、大けがを負うだろう。
そう、このままなら..............
「おっと!お姉さんあぶなぁい!!」
その声とともに人影がワニの後ろから現れる。
「「「「金条!!!!」」」」
「ほら、ベイビー!これでもくらいなっ!」
金条はワニの周りに何かをまき散らす。
「みんな離れろ!」
金条はみんなに呼びかけ.......
「ボンッ!!」
その瞬間ワニの周りで爆発が起こる。
そう、金条持ってきたものそれは『爆弾』。
爆発によりワニの周りで砂煙が上がる。
「へへ!見えねぇだろ!」
気分上々の金条が叫ぶ。
ワニは息がしづらく、視界が見えないため煙から抜け出そうとする。
それが金条の作戦。
まずはみんなからワニを離れさせる。
そして........
ワニは煙から這い出た途端、視界に人が入る。
金条だ。
ワニは金条をかみ砕こうと反射的に口を開ける。
「......知ってるか?死に際の奴は自分の一番の武器を反射的に使うらしい。
お前はその大きな口か?」
金条がしゃべってる間もワニは口を開けて金条を食らう準備をする。
「さてと..........開けたな?......口を!!」
ワニの口が大体開け切ったとき、
金条は残りの爆弾15個が入った袋をワニの口の中に放り込む。
慌てて閉じようとしても遅い。
袋はワニの口の中に入っていき.......
「バンッ!」
その瞬間煙とともにワニがはじけ飛んだ。
残っているのは金条、木の幹に寄りかかりながらこちらを見ているチュリス、
離れていた他のパーティーメンバー。
全員が金条を見つめる。
自分より強いやつらがあんなにもびっくりした顔をしてやがる。
それを考えるだけで金条はぞくぞくしてくる。
しかし実際は、これもあれもすべてギャンブルだった。
反射的とは言ったが、ワニが口をあそこで開いたとは限らない。
一か八かの大博打。
それに金条は勝ったのだ。
その優越感に浸りながら金条は天に向かって指をさす。
「GAMESET!俺の勝ちだっ!!」
スキルの説明はナレーターが金条の頭に直接ぶち込んで教えています。
良かったら評価よろしく。




