本性=DV、モラハラ、恐喝 etc…
それから二年の月日が経ち、二人は高校生になっていた。それでも二人の仲は変わらず、今となっては二人は陰で学園内のプリンセスと王子と呼ばれ、その仲睦まじさから二人合わせて「学園のシンデレラ」と愛称を付けられるほどのものだった。しかし今こうして芽彩との関係があるのも、先日の地獄絵図の一端のような、胸も身体も引きちぎれそうな出来事を乗り切れたからなのである。
………
……
…
燈芽の高校進級、数週間前。
その日兄姉、燈芽に加え橙里は早朝に服を着込み、大きな荷物を抱えて玄関に集まっていた。父は愛人との外泊の中日で、家にはいない。
「みんな、忘れ物はない?」
「うん、大丈夫だよ」
「オッケー」
「カンペキだよ!」
「よし、じゃあ行こっか」
橙里が玄関の扉を開けると、眩い太陽の光が差し込む。家の中に置いてあった各々の貴重品と僅かな量の服だけがなくなり、いつもと変わらない様子の景色に橙里は微かに目を細めた。
「……本当は、アナタと幸せになりたかった…な」
春の朝の温かくも冷たい風が四人の頬を撫で、束の間に過ぎ去っていく。
「…母さん」
「行きましょう。することはしてきたし、後は向こう次第だから。仮に反発してきたら後はもう裁判するだけよ!こっちには証拠が山ほどあるんだから!!」
橙里は力強くそう話すと、三人と共にキャリーケースを引いて新天地へと向かって行ったのだった。
それから少し時は進み、燈芽の進級後現在。
四人が新たに移り住んだ場所は、以前住んでいた場所から数駅離れた住宅街の中の3LDKのマンションだった。
この近所にはスーパーやドラッグストア、病院、飲食店とあり交通の便も良い。橙里の実家も近いことから、万が一の場合も助けを呼びやすい。
一つ懸念点を挙げるとすれば、三人の通う学校から数駅分離れてしまったのだ。
だがその橙里の心配もよそに、三人は長くなった登校時間を有効活用して様々な楽しみを得ていたのだった。
しかし、そんな日々の最中のこと。
「ただいまー」
燈芽の声が玄関に通ると、家の奥から佑と綾生が顔を出す。
「おかえり。燈芽、母さんからなんか連絡あった?」
「え?__ないけど」
「おかしいな…。今日は夕方には帰るって言ってたのに…」
「なに、母さんまだ帰ってないの?」
「うん。LINE送っても未読のままだし…」
「……」
燈芽はスマホをポケットにしまうとふと考え込む。
こちらに引っ越してからは橙里は夜の仕事を辞め、祖父の経営する商社へと再就職した。元々コミュニケーション力も高く、人間性も優れていた彼女は見る見るうちに新入社員や中堅とも親しくなりその仕事は順風満帆に見えた…。しかし、そうではなかったのか?それとも帰りの道中、橙里に何かあったのか?
燈芽は眉をひそめて目を開くと、交互に佑と綾生を見た。
「探そう」
「「え?」」
「あまり考えたくないけど…。あの人に絡まれてるかも」
「「!!」」
「少なくとも、今母さんが働いてるのは二人が前一緒に働いてた場所。二人が出会った場所って言い方もできる…。最悪だけどさ。だから、ちょっとしたことであの人に情報が行ったとしてもおかしくないんだよ…!」
「急がないと…!」
「どこから探せばいいの!?」
「ローラー作戦で探そう。オレは会社から前の家の区間を探す。佑は会社から駅、綾生は駅から家を探して!
「「わかった!!」」
その後三人は電話を繋いで家を出ると、夜の街に橙里の人影を探した。しかしいくら探せどその姿は見つからず、三人の検討のつく全ての場所に連絡を入れるも、全て音沙汰なしだった。
『綾生、そっちは?』
『全然…。おじいちゃんは定時に帰らせたって言ってたし、もうとっくにお家に着いててもおかしくないって。さっき行きつけのスーパーも寄ってみたけど、今日は来てないって。今ドラッグストアに来てるけど、今見た感じいなさそう…。一応聞いてみるけど、こっちもハズレかなぁ』
『佑は?』
『こっちも全然。ただ、駅着いた時にバスロータリー前の交番に聞いてみたら気になること言ってたんだ。その人かどうかは分からないけど、バスの列に並んでいた一人の女性が男性の名前を呼びながら大通りに歩いて行った男性の後を着いて行ったって。交番の中から見ていただけだから一部始終は見てないらしいんだけど、その巡査さんいわく、その男性は名前を呼ばれていることに気づいてる様子だったのにも関わらず、そのまま無視して歩いていたらしいよ。服装からして、俺たちと同世代らしい』
『…どういうことだ…?でも少なくとも母さんはその男とその後何かしらのトラブルがあったかもって考えた方がいいよね。とりあえず、綾生は今のことをじいちゃんとばあちゃんに連絡してから佑のとこに向かって!オレは___』
燈芽はそこまで言いかけると、ハッとした様子で息を飲んだ。
『オレ、ちょっとこのままこの辺探してみるから、二人は合流したらタワマン方面に向かって』
『えっ!?』
『もしかしたら、その男の人ってのはあの人かもしれない…。なんかヤな予感がするんだ。ひとまず全員であの人のとこに向かって、それでもいなかったら警察に行こう』
『『わかった』』
そうして三人は燈芽の計画の元、三人の元実家であった高級住宅街へと向かって行った。
燈芽は佑の説明を脳内で幾度となく再生しながら、住宅街のすぐ側の大通りを歩く。しかし橙里と思しき人影は愚か、その男性に似通った人物すらおらず。彼はもどかしさと苛立ちを堪えながらも赤いライトに顔を染めていた。
「……待てよ。そもそもその相手が本当にあの人だったとしたら、こんな大通りなんかにいるか…?あの人ならきっと……」
燈芽は来た道を引き返すと大通りを逸れた脇道に入る。途端に街頭の数はめっきり減り、人気はなくなる。
「……」
口を紡いだ燈芽は頭に一つの道筋を思い浮かべると、突如として走り出す。彼の隣を通り抜ける風は蒸し暑く、あたかも早まる彼の気持ちを責め立てるかのようだった。
燈芽が息を切らして目的の場所に着くと、そこには一台の見覚えのある車が止まっていた。高架下の小さな月極駐車場であるその場所は利用者も少なく、度々廃車が停められていることがあった。しかし、そんな場所だからこそ___
「母さんッ!!!」
燈芽は一台の車の元へと駆け寄って行くと、後部座席のドアを無理やりに引いた。すると、中から服を乱雑に脱がされ半裸姿の橙里がドアから転げ落ちそうになる。しかしそれを燈芽は咄嗟に支えると、後部座席に押し戻した。
「母さんッ!?!?オ、オマエ…ッ、なんなんだよ…ッ!?!?」
おつでぃーす˙˘˙)/
礼昴だよー。
今日は初めて(?)、私が私として書きまーす。
遂に本性を表して来ましたね…!
しかしこれもまだ序章。この話にはまだまだ続きがあるんです…!!(っても、過去編はそろそろ終わりが見えて来てるけどね?)
やっとのことでいろんなパズルのピースが埋まって来たので、ここからどう繋げていくか。(。-`ω´-)ンー
今ねえ、ちょっと詰まったりしつつあるから別作品書いてるんだ。ゾンビアポカリプスの話なんだけど、それなりに設定固まって量溜まったら投稿予定だから、気が向いたら読んでみてね!
あっ、でもそっちは気まぐれ投稿予定ꉂ(ˊᗜˋ*)
じゃー、今日はこの辺で!
毎日投稿頑張るけど、詰まったらごめん!!
それじゃ、また明日もお楽しみにーー!!(*>∀<)ノ))




