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史上最低の兄弟喧嘩

【重要なお知らせ(描写)(投稿)】


今日もご愛読いただきまして、誠にありがとうございます!


まず、描写につきまして。

本日荒々しい発言が出てきます<(_ _)>

苦手な方はご注意ください。


そして次に、明日より予定通り一週間の間不定期投稿となります。

毎日ご覧いただいていた読者様には大変心苦しいのですが、少しの間温かい目で見守っていただけると嬉しいです…m(*_ _)m


それでは、これより本編に入ります!

はじまり、はじまり〜〜


「…なんかごめん」


「いいよ、オレが勝手に話し始めたことだから」


すると、隣から鼻を啜る音が燈芽の耳に入る。ふとそちらに目をやると、そこには涙をポロポロと溢している芽彩の姿があった。


「ちょっ…芽彩ちゃん!?」


「あっ…ごめんね、聞いてたら急に…涙が止まらなくなっちゃって…。燈芽くんのお家が辛い環境にあるってお話は前々から聞いてたけど、そんなだったなんて思いもしてなくて…。ごめんね、私、自分のことばっかで燈芽くんに迷惑ばっかかけてた……。ごめんね…」


燈芽は静かに頷くと、優しく芽彩を抱き寄せる。拓磨と麗子は僅かに表情を変えたものの、束の間に二人に温かな視線を向けた。


「気にしないで。全部、オレが好きでやってることだから。オレはただ、芽彩ちゃんと一緒にいたいってそれだけだから。クサイって思われるかもしれないけど、芽彩ちゃんの笑顔を守るためならオレはどんなことだってする。その覚悟だよ」


「…ありがとう」


芽彩は目の縁の涙を手の甲で拭うと、燈芽の顔を見上げてにっこりと笑った。

しかし、そんな時だった。突然、ドアの向こう側からドアを拳で叩く大きな音が聞こえると、途端に誰かの叫び声が聞こえた。


「オイ!開けろォ!!燈芽居んだろッ!」


「兄ちゃん…?」


「「え?」」


思わず目を剥いてしまうような情景に、三人はすっとんきょうな声を上げる。

しかし、後付けの防犯カメラに写っているその姿は確かに燈芽とどこか似た雰囲気を持つ少年だった。だが、その手には金属バットが握られていて、その背後には複数名の教員が連れられている。


「マ、マズイよ…!どうしよう…!」


「アンタ教員でしょ、向こうは生徒なんだし説得しなさいよ…!」


「いやいや!!教員だからこそこんな場所でなにサボってんだってなっちゃうよ…!」


「確かに…」


「…オレに考えがある。芽彩ちゃん、協力してくれる?」


「うん!アレ(・・)だよね!」


燈芽と芽彩はアイコンタクトを取ると、二つに分けて置いてあった体操マットの奥の方をめくった。

すると、その下には人一人分がすっぽり入れる大きさの木製の扉が付いており、その扉には鍵穴が付いていた。


「これ、そこの鍵。芽彩ちゃんと協力して、僕たちの知り合いと一緒に非常用シェルターを地下に作ったんだ。さすがにトイレはないけど、出口はもう一箇所作ったから、そこから出てトイレに行くことはできると思う。あと、この入り口は入る専用で出ることはできないから、気をつけて」


「「了解」」


「「__燈芽ァッ!!早く出て来いッつってんだろォッ!!」」


ドアを叩く音は鈍く低い音から、金属が強くぶつかり合う荒々しい音へと変わる。


「みんな、急いで」


拓磨は燈芽から鍵を受け取ると、手早くマットの下の扉を開け、麗子と共にシェルター内に駆け込んだ。


「芽彩ちゃんも、早く」


「でも…燈芽くん一人にはできないよ…」


「大丈夫。オレを信じて」


「…うん」


燈芽は未だ心配そうな様子の芽彩の頭を優しく撫でると、その手のひらにシェルターの鍵を置いた。


「これ、マスターキー。最後芽彩ちゃんが入ったら、入り口閉めて。その後ココが済んだら、裏の方から合図送るから。これは芽彩ちゃんにしかお願いできない、重要なミッションだよ」


芽彩は唇を噛み締めながら俯くと、その手のひらに置かれたマスターキーを強く握りしめる。しかし、次の瞬間には太陽のような眩い笑顔で燈芽の瞳を見つめた。


「分かった!!どーんと任せてっ!!」


「うん。任せたよ。じゃ、また後で__」


燈芽はシェルターに入っていく芽彩を見送ると、鍵を確認し、その上に分けられた体操マットを全て乗せた。そして小さく息を吐くと、荒い金属音の止まない扉を勢いよく開ける。


「っるせぇよバカ兄貴。こっちは授業集中させてくんねェからここで勉強してんだよ。そんなに野球したきゃ、荒川の河川敷でも行ってろ」


突然の燈芽の登場に一瞬呆然とした一同であったが、その言葉に瞬時に反応した兄、たすくは燈芽に向かって勢いよくバットを振りかざした。


「テメェ、もういっぺん言ってみろやァ__ッ!!」


バットは燈芽の首元に迫り、佑はニヤリと顔を歪める。しかし、その時だった。


「そんなに聞きたい?じゃあ何度だって言ってあげるよ。そんなに野球したきゃ、荒川の河川敷でも行って土下座してくるんだな。ま、テメェの運動能力じゃ誰も入れてくんねェだろうし、小学生にもボロ負けするだろうけどな。ブハハハハハハッ!!!!」


バットをチラリとも見ずに片手で受け止め、余裕の表情を浮かべる燈芽に佑は更に頭に血を上らせる。


「だ、黙れ黙れ黙れ黙れッ___!!テメェの方がカス以下の運動能力だったろォが…ッ!!」


佑は悔しそうに顔を歪めると、闇雲にバットを振り回す。しかし、その佑から繰り出された攻撃は燈芽の服を掠めることもせず、彼は余裕の笑みで避け続けた。


「悪いね。アンタも姉ちゃんも余りに出来が悪いモンだから、オレにデキる血(・・・・)が大量に受け継がれちゃったってだけの話。いやぁ〜、ごめんね。オレなんかが譲り受けちゃって!えへっ」


「「テ、テメェ…ッ…。殺す…。殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す_____ッ!!!!!」」


「来いよ」


「た、佑さんッ!?」


佑はバットを構え直すと、刹那の間に燈芽に振り下ろした。先ほどより勢いを増した佑の動きに、燈芽は少しばかり目を剥く。


「へえ、ちょっとはいい動きできんじゃん」


「ホザけェ__ッ!!」


途端に横に振りかざされたバットは燈芽の鳩尾(みぞおち)を狙う。だが、瞬時に出された燈芽の脚に阻まれると勢い付いたバットは佑の手を離れ、反対方向へとすっ飛ぶ。


「ッ!!」


刹那の間にバットに目をやった佑だったが、すぐに拳を構えると改めて燈芽と向き直り、臨戦体制を整える。


「ヘッ…。こうして俺様が直接テメェに拳を向けてやるんだ。ありがたく思い___」


佑が言い掛けた、その時だった。


「黙れ、このゴミ虫が」


燈芽は途端に跳び上がると、佑のその顎に向かって膝蹴りを喰らわせた。途端に佑は泡を吹き、音を立てて倒れ込む。


「…本気を出すまでもなかったな。んで、先生たちは何用で?オレはそろそろ自主勉に戻りたいんですけど。それとも、授業に集中できる環境を先生たちが作ってくれるんですか?」


「えっ…いや…その……」


「じゃあソイツ連れてさっさと戻ってください。騒々しくて勉強に集中できません」


「あ、あぁ…スマン…。じゃあ…ちゃんと勉強しろよ…!」


教員たちは負け惜しみかのようにそう言い残すと、そそくさと佑を連れて去っていった。


燈芽は教員たちがいなくなったのを見計らうと、倉庫を出て扉の鍵を閉める。そして、倉庫の向かいにある庭園へと向かって行った。



隠れ家(旧体育倉庫)の前には、学園内のデートスポットとしても有名な庭園が広がっていた。

庭園には沢山の植木や多種多様な花が植っており、今の時期はもちろん、どの季節でも楽しめるようにと、春夏秋冬開花時期のずれた花が様々な場所に植っている。


燈芽は庭園の中央に来ると、この庭園の一番の大目玉と言っても過言ではない、木製の小さな風車小屋へと入った。

中は大人が十人入ってしまえば、ぎゅうぎゅうになってしまう程の造りだった。しかしこの学校にはとあるジンクスがあり、「この小屋の中のベンチで両思いの生徒がここで愛の誓いを立てると、一生その相手と幸せになれる」という。

おつおつーっ!

拓磨だよー!!


いやー、あの佑ってやつ、ホントおっかないね。

おいら今日初めて知ったんだけど、アイツが今井兄弟の兄なんだってね。

あの双子、入学して以来学校に全然顔出してないんだけど、おいら視点ではなんかそれスッゴイ違和感あるんだよね。

だって、いくら高単位取れればいいから、私立だからったって、子供同士でしかできない遊びとか学校ならではのイベントとかあるわけじゃん、色々。

オレの見立てではあの二人は人と絡むのは好きなタイプみたいだし、それならなんで登校しないんだろう…?

…まぁ、アイツらには自分なりの考えみたいなんがあるのかな。

それじゃあこれ以上無駄話すると礼昴に怒られちゃうから、今日はこの辺で!

そんじゃ、また次回もお楽しみにっ!!

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