潜入 〜「ぼくはただ、生まれてきただけなのに」
トウガの過去編突入です!!(*´︶`*)
新キャラも続々登場予定なので、こうご期待!⸜(ˊᗜˋ)⸝
あっ、それと。今日は節分なので、第一話の上に
【閑話】「⭐︎2025⭐︎節分&受験スペシャル」おには〜そと!ふくは〜うち!!
を20時頃に公開予定です!そちらも併せてぜひご覧ください!!⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
カーリャは大きく息を吐くと、深く腰掛けたソファで頭の後ろに手を組み、大きく身体を逸らした。
この様子だと、彼からこれ以上の言葉は出てこないだろう。俺は俯いて次の言葉を探すリンドウを一目見ると、カーリャへと静かに問いかけた。
「もしかしてさ」
「はい?」
「フィルムとかあったりしないの?」
「「ハァ____ッ!?!?」」
一か八かのカマ掛けのつもりだったけど…あるんだ。それなら。
「あるなら見せてよ」
「い、い、いや____ッ!!あれは最重要機密情報で……」
そう話すカーリャの目は泳ぎ、チラチラと私の背後に目をやるような動きを見せた。予想通り、カーリャはカマ掛けには弱いみたいだ。
「後ろに何かあるの?」
「「!?」」
私が後ろを見ると、そこにはフィルムが積め込まれた山積みの段ボールと、その奥に佇むダブルドアの木製キャビネットがあった。フィルムはもちろん、ちらほらとDVDディスクも入っている。
「全部見させてもらうね。リンドウ、手伝ってくれる?」
「はいよろこんで」
そして、私たちは数百本に渡るフィルムに手をつけ始めた。途端に、彼の手が私に伸びてくる。
「____ッテェ!!」
彼の悲痛の叫びが短く部屋に響く。
カーリャは私とリンドウの手を止めさせようと近寄ったようだが、素手で私に敵うはずがある訳もなく。
「キョウ様…なにもそんな叩きつけなくても……」
「いやいや。私の可愛い従魔ちゃんに怪我の一つでも負わされたら大変だからね。用心するに越したことはないよ」
「キョウ様…!」
リンドウは潤んだ瞳でこちらを見つめる。いつもに増して艶美に見える彼女に、私は思わず心を奪われかける。
「____ッハァ…っ!おいっ、ここまでしなくても硬直化でいいだろ…ッ!」
「そこ、うるさいですよ。私たちは今大切なお仕事をしているのです。再び家を失いたくなければ大人しくしていなさい」
「ひぃ…はい…スンマセン……」
冷淡にカーリャに告げるリンドウのその顔は険しいながらもどこか楽しげで、あたかも私の「やり過ぎ」に加担しているかのようだった。
「それじゃ、再開しましょうか。キョウ様」
「うん」
そして私たちは再びトウガの過去の記憶を探すため、山積みの段ボールへと手をつけた。
………
……
…
山積みのフィルムとDVDディスクを調べ続けること数時間。私はそろそろ精神的疲労に陥り始めてきていた。
そもそも、私はもうあの人と関わりたくない。顔も見たくない。最初はめっちゃいい人って思ったし、人としても、死神としても尊敬してたし、色んな意味で大好きだったけど……。
過去を知ったところで今の私のこの気持ちが揺らぐとは、到底考えられない。
「ありました!」
刹那、リンドウは声を上げると一つの頑丈なケースに入ったDVDディスクを取り出した。よくよく見ると、他のよりちょっと厚みがある。
「キョウ様、心の準備は宜しいでしょうか?」
「?」
「やめておいた方がいい。ソイツの記憶なんて生半可な気持ちで見るもんじゃない。ましてや、未成年の子供なら尚更だ…」
なんだこの二人の反応は。さっきリンドウがここに来る前に言ってたことって、もしかしてトウガの過去のことを言ってたのか…?
でももういいや。折角ここまで頑張って探したんだし、私ももうこれ以上なんてない気がするし。
「……よし、見よう。心の準備もできた」
「はい、分かりました。では付けますね」
「ま、待て…!そのディスクはフルダイブ型で持ち主の記憶をより鮮明に体感してしまうモノで___」
カーリャの叫びを無視したリンドウは静かに頷くと、DVDディスクをそっとレコーダーに入れ、再生ボタンを押した。
…ちょっと待って。フルダイブ型って、なんだ…?
………
……
…
キョウが疑問に思ったのも束の間に、彼女の視界は闇に包まれる。するとそこへ、リンドウの声が響いた。
「キョウ様。ここから先は、私がキョウ様をお導き致します。きっと、辛く苦しい時間になるとは思いますが、どうかお気を付けて…」
「いやちょっと待て!リンドウも一緒に来るんじゃないの?」
「いやいやそんな。私はキョウ様とトウガ様の仲直りのお手伝いをするまでです。この記憶はキョウ様お一人でご体験ください。あっ、それと」
途端にリンドウの声が途切れると、どこからともなくパラパラと落ちてきた光の粒がキョウの身体に付着した。
「…?」
すると。
「なっ!?」
一瞬にしてキョウの肉体は破壊され、その中からキョウスケの幽体が現れる。
「この空間では、肉体の所持が禁止されておりますの。それでは、そろそろ記憶が始まります…。良い旅を____」
「えっ!?お、おい…ッ!」
リンドウの声が少しずつ薄れていくと、遂には真っ暗闇の中、キョウスケは一人ポツンと取り残されてしまった。
しかし、その刹那。彼の視界が光に飲まれ、唐突に開けると、そこは病室だった。
「「ギャァァァァッ、ギャァァァァッ」」
「おめでとうございます!ほら、見てください。元気な男の子です!!」
「あぁ…良かった…。ありがとうございます。ごめんね、苦しかったよね…。でもこれからは、お母さんが頑張って守るからね……」
看護婦の手から優しく抱きとられたその赤ん坊は、低出生体重児ギリギリで、全身に綿のようなものが付いていた。しかし先程まで元気な産声を上げていたからか、母親に抱きとられた安心感からか、眠気を催した彼はスヤスヤと眠りについてしまった。
それから数年の時が経ち、彼は言葉を話し、歩けるようになっていた。特に口は達者で、周りよりもずいぶんと色々な言葉を巧みに使いこなす、器用な子供だった。
そんな中、彼は薄暗い部屋の中で一人遊びをしていた。壁からは沢山のブランドの古着が吊り下げられ、床の隅にはこれまたブランドモノのバッグや靴がズラリと並んでいる。するとそこへ、トン、トン、と足音が迫ってくる。
「ママ……?」
「ママだと思った〜?燈芽、オマエこんなとこでなにしてんのー」
「のー」
部屋に眩い光が差し込むと同時に、彼、燈芽と似た容姿の双子が部屋に入ってくる。
二人はズカズカとトウガに歩み寄ってくると、彼が手にしていた車のおもちゃを奪った。
「あっ!」
「おれ、車まだ100台くらいしか持ってないし、それ丁度持ってないヤツだったから!くれてもいいじゃん!」
「燈芽にはママ居るもんね〜」
「ね〜っ!!」
双子は理不尽な建前を言うと、笑いながら走り去って行った。
「…っ」
燈芽は涙を溢しながら唇を噛み締めた。なぜ、自分ばかりこんな目に遭うのか。
彼はいつもこんな日々を送っていた。双子よりも窮屈な日々を強いられ、服は彼らのお下がりばかり。食事だって、満足に食べられる日はそう多くはないのだ。
「なんでぼくばっか…」
その時だった。
「____燈芽ッ!!」
勢いよく部屋の扉が開くと、そこにはやつれた様子の母親が現れる。髪はボサボサに乱れ、服もブランドモノを身につけている割には所々着崩れている。
「ママーっ!」
「ごめんね、燈芽。遅くなっちゃって…。ママ、今日はお仕事いっぱいしてきたから、燈芽の大好きなご飯、お腹いっぱい食べさせてあげられるよ!」
「ホントー!?」
「うん、今からパパに聞いてくるから、待っててね」
「…うん。気をつけてね」
「ありがとう。燈芽、ちゃんとここで待ってるんだよ。約束だからね」
「うん」
母親は燈芽とゆびきりげんまんをすると、意を決したように立ち上がり、静かに部屋を出た。
おつかれーっ!
トウガだよー。
今日からオレの過去編らしいね!
いやー、なんか小っ恥ずかしいな……(*´ω`*)
でも、オレの過去なんてそんないいもんじゃないし、もしかしたらちょっとやな思いしちゃう人もいるかもなー。
……っても、この作品自体が全体的に重いから問題ないかぁ!!ハハハハハハハッ!!!
あっ、それと。
オレ…キョウスケにあんなことしたけどさ…。本当は_____
天の声『はーーい、カットォォォォ!!!!トウガさん本日もありがとぅございやしたぁぁ!!それでは、また明日もお楽しみにぃ!!』




