ソーセージ確定
「判決を言い渡しましょう」
「「はい__」」
「エミ、ユウキ。あなたたちに転生を許可します。そして、あなたたちは相当に相性が良いみたいですね。来世では一卵性双生児としての転生を許可します」
「や、やった…!!」
「ソ、ソーセージ…?」
「双生児。双子です」
「ほ、ホント…?アタシたち、ホントに家族になれるの…?」
「そうだよ、エミ…。これからは、本当にずっと一緒だ…」
「ユウキ…。ヤバい…もう…アタシ…」
エミとユウキは抱き合って、咽び泣いている。
…良かった。今度こそ幸せな涙、だな。
「そしてキョウスケ。あなたは____」
「はい__」
魂の消滅、とか、極刑、とか…そこら辺かなぁ…。どのみち、キリスト教では自殺は地獄に落ちるっていう話しらしいし…。俺、無宗派だけど…。
「唐突な暴走につき、即刻霊界送りとします」
「____え」
「あなたには転生に値しない凶暴性が残っているようです。その為、死神様に罰してもらう必要性があると断定しました。…丁度、十王の入り口付近にセイロク様の時期右腕候補と謳われている死神様もいるようですし、その方にお願いして罰してもらいましょうかしら___ね」
大妖精は厳しい口調でそう告げたものの、最後だけ柔らかい口調になり、俺に小さくウインクをした…気がした。
「やったじゃん…ッ!!キョウスケ!!」
「え…あ、おう…」
「なに、嬉しくないの?」
ようやく落ち着いた様子の二人が俺に飛び付いてくる。
実際のところ、超嬉しい。嬉しすぎて、言葉にならない。でも、それを上回るくらいに驚きすぎてて…。
「嬉しいよ、でも、なんか感情が…ぐちゃぐちゃだ……」
「ハハ、キョウスケ、めっちゃ泣いてる」
「え___」
ユウキに言われて、俺は目に触れようと頬に指が触れると、そこは溢れかえった涙で濡れきっていた。我慢しようにも、とめどなく大粒の涙が溢れ続ける。
「なんで___」
「さてね!ま、ぼくにはわかるけどね〜」
「えっ、なに、ユウキエスパーなの!?」
「ちゃうわっ」
「さあ、そろそろお時間ですよ」
途端に大精霊の声が響き、二人の身体を淡い光が包み始める。
「お別れはよろしいですか?」
「…っ、エミ!ユウキ!!来世も仲良くしろよな!!今度こそ、二人ならたくさん笑ってられるような人生になることを祈ってるからなッ!!」
「ありがとうーッ!キョウスケも、死神頑張れーッ!応援してるよーーッ!!」
「トウガと仲良くねー。きっと向こうも、キョウスケと同じ気持ちだよーーっ」
二人は瞳に薄らと涙を浮かべながら、俺に手を振る。
これが本当に最期、か。
「よろしいですね」
「「はい」」
「では、逝ってらっしゃいませ」
大妖精は二人に両手をかざすと、二人は黄金色の光と風に飲まれて、消えていった。
…もう、あれで最後か。二度と会えない。話せない。寂しいな。言いたいことは全部言ったはずなのに、なんかまだモヤモヤが残ってるのはなんでなんだろう。これが人が死ぬってことなのかな……。
母ちゃんにも、父ちゃんにも、こんな思いをさせたのか、俺は。…いや、母ちゃんも父ちゃんも、二人からしたら俺は一人息子だからもっと重い存在なのか…。ましてや、二人は俺に言いたいことも言えてないだろう。…今二人はどんな気持ちなんだろう……。
「次はあなたの番ですよ」
「はい?俺は__」
「せっかくです。こちらの精霊と一緒に入り口まで送り届けます」
「い、いや…コイツは__」
「そちらではありません。私の肉体として代用させて頂いている、彼女です」
「え」
「知っています。彼は川沿いの小屋の老婆だった者でしょう。今は分身体を代わりとして置いているようですが、まさかこんなところにまで来るとは…呆れたものですね」
「だ、大精霊様…申し訳ございません……」
キョエはすっかり小さくなると、大精霊にひれ伏した。
でもそっか。あそこ一人で回してたんだもんな。コイツには悪いことしちゃったな…。
「顔を上げなさい。事情はわかっています。今回は特別に許します。あなたも今回の件を踏まえて、奇襲に備えて訓練を怠らないようにしなさい」
「かしこまりました…」
「では、行きましょうか。キョウスケ」
「は、はい…!」
大精霊は俺に柔らかな笑みを向けると転移魔術を発動させる。そして俺は無事、十王の入り口へと帰還したのだった。
俺を包む光が薄れていくと、遠くに収容所のホテルの灯りがぼんやりと霞む。少ししか経ってないはずなのに、なんだかすごく懐かしい気分だ…。
「「キョウスケ…!!」」
途端に声が飛んでくると、トウガは俺に抱きついた。そんな彼の鼻はトナカイのように赤く、相当泣いていたのか、瞼はかなり腫れている。
「心配したんだよ!キョウスケがあんななるなんて…。それに、ゲートまで潜っちゃった時はもう一生会えないんじゃないかって思って…オレ____」
トウガはそこまで言うと、鼻を啜り出した。
これでも泣き足りないのか…。
「トウガ様ったら、もう心配だってんでずーっとモニターの前張り付いてて。キョウさんが変異した時とか、ドア潜った時とか、それ以外でもほぼずっと叫んだり泣いたりで…。宥めるボクの方が大変でちたでちゅ」
「…なっ!」
トウガは溜息を吐くジェイを咄嗟に押さえつけようとするものの、すぐさま俺の方に向き直った。その顔はどこか引き立っている。
んじゃ、押してやるか。
「大の大人がカッコ悪いですよ、トウガさん」
「うっ…。…けど…まだこっちの方がマシだよ。大切な人の大事に動じない人の方がよっぽどカッコ悪い。でも本当に何事もなくって良かった…。無事に帰ってきてくれて、ありがとう…」
俺は思わず、心を揺さぶられる。
「大切な人の大事に動じない方がカッコ悪い」か。でも、それもそうかも。大好きな人が喜んだら自分も喜んで、泣いたら自分も泣いて。そんな関係を築けるのが理想なのかも。…トウガさんは、どう思って言ったのかな。…って、アレ____?
「キョウス____」
刹那。俺の視界は真っ暗になると、声を発する間もなく意識を失った。
………
……
…
「____あ、おはよ。キョウスケ。もう大丈夫なの??」
「…トウガ、さん?」
俺が目を覚ますと、視界の先から心配そうな笑みを浮かべたトウガが寄ってきた。どこか懐かしく、温かい景色。久しぶりに嗅ぐ、トウガの甘く落ち着いた匂いに、俺は少し心を和ませた。
「…ありがとうございます。心配してくれて。でも俺____」
「もう大丈夫ですから」そう言おうと思ったのに、なぜか言葉に詰まった。
どうして…。これ以上、この人に心配掛けたくないのに…。
「キョウスケ…?」
「俺…っ」
気がつくと、俺の瞳からはボロボロと涙が溢れ落ちていた。止めどなく溢れる涙を必死に堪えようにも止まらないし、なんで泣いてるかも、わからない。
「…大丈夫。もう、オレがそばに居るよ」
トウガは優しく俺に声を掛けると、そっと俺を包み込む。
ふわりと香る、彼の匂い。温もり。そして、この静寂の間に静かに響く互いの鼓動が今、一つになる。
わかった。ユウキが言ってたこと。そうか、そういうことだったんだ。きっとこれが、「好き」ってことなんだ。男が男に対してなんて、って思ってたけど、そうじゃない。性別なんか関係なくって、俺はただ、トウガさんが好きってそれだけなんだ。
「俺、好きです」
俺は、トウガの背中越しに想いを伝えた。きっと今の俺はこの人の顔なんて見れない。見たら絶対、また意識飛ばせる自信がある。
「…えーっと…」
待って、返答に困ってる。え、待って。待って。もしかしてただの俺の早とちり??だとしたら恥ずかしいなんてもんじゃない。それこそ、死にたいレベルだ____
「お、わ、わ、忘れてくださいッ!なんでもないですッ!!失礼しますッ!!」
俺はトウガから顔をなるべく背け、彼から突き放れるようにして部屋から出た。
「あー…。俺、最悪だー……。…ってあれ、いつだったかもこんな感じのこと、あったような気が…まあいっか…」
俺はトウガの部屋を出てキョウの姿になり、居住区をトボトボと歩いていた。そしてふと、エミと再会した時のことを思い出す。
「そういえば…。一回目の再会の時は最低なヤツだと思ったけど、二回目は俺の話しスゲエ丁寧に聞いてくれる良いヤツだったな…。俺ってわかってたんなら、なんであんなことしたんだろうな…」
私はボーッと考えながらふらふらと歩く。すると、突如として目の前に光の粒子が現れた。
「おわぁぁッ!?」
おつおつーっ!\(*ˊᗜˋ*)/ヤッホー.・❤︎
おつです┏○ペコッ
エミ&ユウキです!!(´ー`*)(*´ー`)
ついについに!アタシたちは家族になれちゃいました!!!もう感動だよ…ッ!長年の夢が…ッ!!
エミ、落ち着いて。あんまり感極まりすぎても伝わらないから。…えーと。まぁそーゆー訳なんだけど、イコールぼくたちはもう出番はないかもってことなんだよね。
そうなの…。ユウキとこれから二人で幸せに暮らせることは幸せだけど、キミと離れ離れになっちゃうのは寂しいな……。
うん…。もしかしたらこれからの展開によってはまた僕たちが出てこれるかもしれないけど、少なくともその時まではしばらくのお別れだね。
悲しいよぉぉぉぉ.˚‧º·(°இωஇ°)‧º·˚.
それじゃあ、またいつかの回で!( •̣̣̣̣̣̥́д•̣̣̣̣̣̥̀ )ノ
天の声『あっ、流れが最終回っぽいけど明日も投稿するからね?お楽しみに!!』




