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キョウの束縛

上空に向けて飛び続けて、数分ほど。かなりの標高に来たのではないだろうか。


少し確認をと思い下を見ると、そこには私の予想通りの景色が広がっていた。先ほどまで吹き荒んでいたはずの砂煙はいつの間にか無くなり、静寂とした樹海が風に揺られて微かに波打っていた。


やっぱりだ。あの砂嵐は侵入者が現れた時に発生する仕組みになっていて、その侵入者を惑わす為に起こしている擬似現象なんだ。今の私たちは標高が高すぎるから、樹海の探知対象から外れてるってことか。


「__それにしても、こんなところに来て何をするんだ?逃げたところで、何も解決なんてせんぞ。アイツらも標的にされてるなら、時間の問題だぞ」


「それが狙いだよ」


「なに?」


「俺たちはついさっきまで砂嵐の中にいた。それを、真上に向かって飛んできた。そしたらそこの範囲の砂嵐は消えたんだ。ってことは、その範囲の侵入者の対象は居なくなったってこと。それなら反対に、まだ他の砂嵐があるなら、そこにエミとユウキがいる可能性が高い」


「…そうか!」


キョエはパッと顔を明るくすると、私の背中をこづいた。


「よし、出発だ!早くっ!」


「…しゃーねえな」


身軽で童顔で、中性的な顔立ちの彼だからこそまだ良いものの、老婆姿だったら絶対に拒絶していただろう。


俺たちは樹海に視線を再び落とすと、さっきいた場所の北西にある砂嵐へと、再び降りていった。



二人が居るのであろう場所に降り立つと、そこは先ほど私たちが居た場所よりも風が強く、砂の粒子も大きい場所だった。


 もしかして、何か対象者によってハンデがあるのか!?


「おい、さっきよりも風強くないか!?砂もなんか…こう…。人によって変わるとかあるのか!?」


「詳しくは知らんが、それぞれの霊力の強さによって試練の強さも変わると聞いたことがある。もしかしたら、あの二人は相当な霊力の持ち主なのかもしれん…。一般の死神程度ならその呪力をも上回ってしまうほどの霊力を…」


…だからか?昨日、トウガの秘密の衣装ケースを二人で協力して開けていた。今回の試練も二人で協力して乗り越えていた。二人で一つって言っても過言じゃないくらいに。だからこそ、二人にとってここの試練はこれほどまでに強大なのか……。


「…二人を探さなくちゃ。行こう」


私は、焦る思いで一歩を踏み出した。その時だった。


「待ちな」


キョエは私の背中から髪をグイと引っ張った。途端に私は突然の頭の痛みに立ち止まり、キョエを睨みつける。


「なんだよ…ッ!」


「闇雲に歩いても無駄に体力を浪費するだけだ。せめて、どう歩くか目印を付けるくらいはした方がいいんじゃないのかい」


「わかっ___…いやでも、わざわざそんなことするの、めんどくせえよな…。だったら全部、どけた方が楽だ」


「…は?」


「…っしょ、芭蕉扇(ばしょうせん)___ッ!!!」


私は手中に呪力を込めると、小学生の頃の学芸会(西遊記)で使った大きな芭蕉扇をイメージする。


その形が露わになると、全身を使って大きく宙を仰ぐ。すると、刹那の間に芭蕉扇から突風が巻き起こり、黒い竜巻が私たちの眼前の砂も石も枝も砂嵐でさえも巻き上げ、全てを消し去った。どうやら作戦は成功したようだ。


「風が…。砂が…」


キョエは驚愕とした様子で眼前の開けた景色を眺めた。


「行くぞ」


キョエの手を引くと、私は今まで展開していた障壁を消し、足早に二人を探しに向かった。



それから一体どのくらいの時が経ったのだろうか。


呪力のお陰か、足がくたびれて歩けないということはないが、そろそろ見つからないことに対する焦りが笑えないレベルになってくる。


今まではすぐに見つかると楽観視していたものの、今となってはそうも簡単には言ってられなくなってしまった。


キョエの方はそろそろ霊力が限界らしく、私の背中で眠そうにしてしまっている。どうやら二人の探知に霊力を使いすぎてしまったようだ。


「おい…。こんなところに二人を連れてきたのはお前だろ。ちゃんとガイドしろよ…」


「わしは仕事でやったんだ…。それに、この森は管轄外。聞かれても__わから、ん____」


「おい!!人が必死になってる横で寝るなよ!おいっ!!」


私はキョエを背負う腕を何度か揺さぶるものの、彼は寝たきりで起きることはなかった。


…完全に霊力が尽きたか…。仕方ない。私一人で探すか。


そして私は再び一人で彼女たちの姿を探し始めると、どこか見覚えのある岩と消えかけた無数の足跡を見つけた。


「これって____」


私はゆっくりとしゃがみ込むと、辺りを見渡した。


この高さ。この視界。やっぱり、ここだ。


「確か__」


モニターが消えたのは、この岩から少し東に移動して、杉の木に隠れたところ。岩から木に直接移動できて、怪我を負うことなく身を隠せるこの場所に居られたのは、二人にとっては不幸中の幸いだったのだろう。そして。


「あった」


私は足元を目を皿のようにして見ていると、杉の木の根元に落ち葉に埋もれるようにして紫色の宝珠が落ちていた。あとは、コイツの出番だ。


「起きろ、キョエ」


 私は自分に残っているありったけの霊力をキョエの身体に流し込むと、彼は眠そうな目を擦りながら起きた。


「んん__何か、いつもより目覚めが良いような…?それで、なんの用だ…」


「この宝珠の持ち主を探して欲しい。できるか?」


「…これはまた…。あの二人はとんでもないことをしたみたいだねえ。まあ、アタシに危害がないならそれでいいけどさ。ほら、行くよ」


「おう」


 いぶかしげに宝珠を眺めると、キョエは私の背中から降り、足を進めた。


「ここだ」


キョエは足を止めるとじっと前方の「何か」を見つめた。途端に、険しい顔つきになる。


「どうした?早く行こう」


「待て。その宝珠の持ち主がそれを持っていないということは、そいつは既に暴走していてもおかしくない、ということだ。むやみやたらに近づいてはいかん」


「え?どういうこと?」


「死神様には怨の魂があるだろう。それが彼らの核となっている。それが無ければ彼らは死神にもなれず、呪力も持たない。反対に、死神様が怨の魂を失えば自我無き亡霊となって暴走してしまう。精霊もしかり。精霊は呪力は持たない代わりに莫大な霊力を持つ。特性は相反するものだが、戦いとなれば死神様と互角だろう。…個人差はあるだろうがな。ゆえに、こちらも触らぬ神に祟りなしということなのだ」


「…そうか…。でもそんな大切なもんなんだったらそんな簡単に取れるもんなのか?結構大事なんじゃないのか?」


「簡単になんて取れん。今オマエ…キョウがこうして居られてるのだって、『核』のお陰だ。要は心臓だよ。だからわしは警戒しとるんだ。そんなもんをどうやって取ったのか。抉り出したのか、吸収したのか、はたまた__あぁ、想像するだけで恐ろしいッ!!」


あの二人がそんなことするなんて…。絶対何かの間違いだよな…。精霊に何かあったとしたら二人が居たはずの場所に何かが落ちてるってだけの読みだったのに……。こんなことって…。


「何かあったら絶対俺が守ってやる。ついてこい」


もし本当に二人が自身の利益のために無実の精霊に危害を加え、暴走させているのであれば、私なりに死神として仕事をする必要がある。友達を思うなら、なおさら____



私は茂みを掻き分け、キョエの視線の先へと進んだ。するとそこには、やはり二人の姿があった。


「エミ!ユウキ!!」


「「キョウ…!」」


振り返った二人の変わりのない様子に一安心するものの、私はその二人の足元に倒れている人影に気がついた。


間違いない。ジェイから聞いた特徴と一致する。彼女だ。


「それ…」


「こ、これは…!」


慌てた様子のエミが咄嗟に口を開く。その手には黒い霧が纏われており、モニターで見た時と同じ、死神の使い古しのジャケットを羽織っていた。


しかし、そのジャケットはモニターに映っていた時は柄なんて無かったものの、今はエミのローズピンクのモヤの柄が薄らと滲んでいる。


そうか。やっぱ二人は…


「それ以上、何も言わないでくれ…」


「____!!」


胸の内が熱くなる。私の全身ら湧き出るようにして現れた黒い霧が私の身体を覆う。


私の髪の毛先は真朱色から両端が真っ黒に染まり、紅葉色の瞳は呪力の影響か真っ白に変色する。


____でも、なんか変だ。ここに来てから、身体はキョウなのに、心は俺だ。なんだか俺が、キョウに囚われてるみたいだ。


私は呪力で作り出した得物(武器)を手にすると、二人の元へ駆け出した。


本当はこんなこと、したくない。人を傷つけるなんてこと、したくない。ましてやこの二人には幸せになってもらいたい____


そんな思いとは裏腹に、俺の身体は勝手にエミとユウキへと向かっていく。真っ黒な炎を纏った細い半月型の双剣を構えると、私は高く跳び上がり、その刃を二人へと振り下ろす。


「「ゔぁぁぁぁぁぁッッ!!!」」


「キョウスケ…ッ!?待って、聞いて__ってば!!」


エミの言葉にも耳を貸さず、俺の気持ちなんてお構いなしにこの身体は一心不乱に二人に襲いかかる。


時にその刃はユウキの服を掠めては彼の上着を焦し、時にエミの髪を掠めては、彼女のロングの髪はベリーショートまで焦がし尽くすこともあった。


しかし二人は応戦もせず、ただひたすらに俺の得物を避けるだけだった。すると。


「__ぅ…ッ」


俺は突然の立ち眩みに襲われると、ガクリと肩を落とした。


なんだ…?呪力切れか…?いや、でもまだ全然疲れてない。__もしかして…


「キョウスケ…?」


逃げろ、エミ、ユウキ____ッ!!!


刹那。俺は得物を構えると、疾風迅雷のごとく二人に飛び掛かり、瞬く間に俺は二人を斬撃した。


途端に倒れ込むエミとユウキ。


二人はやっとのことで互いの手を取る。俺はゆっくりと二人の元へ歩み寄ると、未だ微かに息のある二人の喉元に両手に握られた得物を突き付けた。そして二人の繋がれた手を容赦なく踏みつける。


「「___ッ!!」」


「終わりだ」

おつかれーっ!( *・ω・)ノ

今度こそ、キョウスケだよ〜!


いやぁ、昨日のあとがきはなんか変なの来てビビったね笑 なんだったんだろうね?(´-` )

てか、ビビった関連で言うと俺って意外と強いのかな?

なんか最近霊界で過ごしててさ、水泳以外にイけるって思ったことなかった俺が、なんか色々とパワーアップしてる気がするんだよね(。-`ω´-)

いわゆる、主人公チートってやつ?

……でもまぁ、あの礼昴だし?そんな激ゆる設定俺にくれるワケないし?くれたとしても、なんか開放条件とかワケアリとかにしそうだし??んなワケない____

天の声『キョウスケくん、今から裁判所裏に行きましょうか』

…へっ…?( ;꒳; )

……俺、殺されそうな気がします……。( ߹꒳߹ )

みんな、俺の事、忘れないで…。

とりあえず、明日もお楽しみに……ヽ(;▽;)ノ

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