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【閑話】「⭐︎2025⭐︎節分&受験スペシャル」おには〜そと!ふくは〜うち!!

こちらは本編とは別の閑話となっております。

本編はep.1 「俺はただ死にたいだけだった」をご覧ください!


受験生の読者様へ、トウガより激励の言葉があります!(*´꒳`*)

よろしければ、後書きを覗いて行ってくださいm(*_ _)m

収容所のアーケードを潜り、エンタメ地帯を抜けて大通りに出て右斜めに曲がると、そこには人知れずにひっそりと小さなビルが佇んでいる。


陰気なそのビルに入り、狭い階段を登っていきその二階に着くと、そこには「ワケあり死神、性転換しながら暗黒世界を旅します。御一行様控室」とワンフロア分のプレートとドアに書かれており、ドアの向こう側からはなにやらワイワイと賑やかな声が聞こえてくる。


「おつかれでーす…」


私はゆっくりとドアを開けると、全員の視線が一斉にこちらに向き、刹那の静寂が訪れる。


うっ…なんだこの空気は。気まずい…っ。


「あっ…あ、あ、ごめん、いいよ?気にしないで??」


「「お疲れーーっ!!」」


すると、一斉に声が上がる。


なんだ…。なんでもないのか…。


礼昴らいあ!突然どしたの。こんな特設コーナーみたいなの作っちゃって」


「あ、うん。今日節分だからさ、折角だしみんなで集まってなにかイベントでもやりたいなって思って」


「イベント?」


「うん。例えば豆まきとか」


「おー!!楽しそうじゃんッ!!」


途端に、私とキョウスケの会話を聞きつけたエミがどこからか飛びついてくる。


「豆まきすんの?誰が鬼??」


「それなんだけどね、ただの豆まきじゃつまんないなって思って、ちょっと変わった豆まきをしようと思って。鬼と豆まく人とで分けたいから、ちょっとみんな集めてくれる?」


「はーい!!」


………


……



「そんじゃあ、さっきもエミに軽く話したんだけど、改めてみんなに説明するね。今日は節分なので豆まきをします。でも、ただの豆まきをしても、読者様がつまらないと思ってしまうので、ちょっと変わった豆まきをしたいと思ってます。なのでまずは、チーム分けから!最初に、鬼チーム!トウガ、カーリャ、キョエ、セイロク!この四人です!!」

「おい、ちょっと待て!!なんでワシが死神様のチームに紛れてるんだ!これでもワシは精霊じゃぞ!?それにセイロク様は登場が久しぶりすぎて存在が空気___」

「抹消されたいのか?」

「ヒェ…」

「…うん。でもキョエはそういうポジションだから」

「いや、でも__」

「はーい、じゃあ次!豆まきチーム!!キョウスケ、エミ、ユウキ、ジェイ、リンドウ!!この五人です!!」

「ボクはこっちでいいんでちゅか??トウガ様の護衛じゃないんでちゅ?」

「いいのいいの。ジェイに豆投げつけるなんて残虐な行為、誰も望んでないから」

「えっ、オレは…」

「んじゃあ次はルール説明と行こーう!!ルールといたしましては_____」


長くなるのでト書きで記述!!


ゲーム説明

三分以内に両チームでより多くの相手に豆を当てる、又は避けた方が勝ち。ただし、豆まきチームは手持ちの升の中の豆がなくなった時点で脱落とし、鬼チームは回避時の呪力の使用は禁止とする。


ルールその1

豆まきチームはどのような手法で豆まきをしてもOK。霊力の使用も可。しかし、霊力のみを使用した攻撃は禁止。

ルールその2

鬼チームは原則としては呪力の使用は禁ずるが、盾のみ使用可。しかし、縦一メートル、横五十センチ以内のものに限る。

ルールその3

両チームとも、物理攻撃は禁止。

ルールその4

負けたチームは、後書きにて一発芸を披露する!!



「___以上!なにか質問はあるかな?」


私がみんなを見渡すと、ユウキが静かに手を上げる。


「礼昴は?参加しないの?」


「審判がいないと。ズルしたとか、どっちが勝ったとか負けたとか、みんな夢中になってたら分かんなくなっちゃうからね」


「そっか」


「あとはおっけーかな?」


全員がゆっくりと頷く。私はそれを見るなり、手をパン、と合わせた。すると、ビルの階層が変わり一階のガランとした大部屋へと移る。各々の服装もジャージへと変わり、私の横にセッティングされた折り畳みテーブルの上には五個の升に入った豆が用意されている。


「みんなの準備ができ次第、試合開始にするよ。準備できた人は部屋の真ん中に行ってね」


私が声を上げた刹那、みんなは一斉に部屋の中央へと向かっていく。


…あれれ??意外と闘争心バチバチ…?


「おっ、じゃあいくよー、レディー…ファイト___ッ!!」


私の掛け声と共に、目の前を鉄砲の球のようなスピードで豆が飛んでいく。私は思わずのけぞり、そちらの方を向くとリンドウがいた。


「ふふふ、どのような手法でもよくて、霊力の使用もOK…。私に負けの文字が見当たりませんわね?ふふふっ」


「ギャァァァァッ!?!?」


リンドウの標的とされてしまったカーリャは、マシンガンのごとく打ち出されるリンドウの豆からすんでのところで逃れ、トウガの後ろへと身を潜めた。


「おい…ッ!!邪魔だよ!」


「そんな事言わないでくださいよッ!俺トウガ様とかセイロク様みたいに盾作れるほどの呪力ないんですよ…ッ!」


「知らねえよ!自分でなんとかしろよ…ッ!!」


「そんな事言わないでくださいよーッ!!トウガ様ーーッ!!」


エミとユウキ、そしてキョウスケから狙われ続けていた二人だったが、カーリャがキョエの前をすれ違おうとした、その時だった。


「あっ__!」


カーリャがキョエにぶつかり、彼の持っていた盾が大きな音を立てて床に落ちる。途端に、驚いたキョウスケの飛ばした豆の軌道は大きく逸れ、カーリャの頬にパシリと当たった。


「「ヒィーーーーーーット!!!!!まずはここでキョウスケが喜びの先制点を一ポイント獲得です__っ!!!」」


「え…俺…?今なんかパシッて来たの…豆…?今ので、アウト…?」


「うん、アウト」


「そ、そんな…」


カーリャは魂が抜けた様子でどん、と地べたに座り込む。


しかし流石だな、カーリャ。多分この四人の中で…いや、全員の中から数えても下から数えた方が早いレベルの強さなだけある。


「さぁて、試合はまだまだ続いております!!あーーーっと、ここでセイロクが狙われている____ッ!!!逃げ切れるか、セイロク__ッ!?」


私はマイクを片手に、固唾を飲んでセイロクと豆まきチームの攻防を見守る。しかし、その動きは凄まじいものだった。


ハンドガンのごとく、エミから打ち出された豆はいとも簡単に交わされ、リンドウの「マシンガン攻撃」はセイロクの作り出した強力な盾によってことごとく弾き返されてしまった。


「ふふふ、甘い甘いっ!!」


「…っ、負けてられるかよっ!!」


エミは改めて指に霊力を集中させると、指先から霊力を噴出し、手中の豆を一粒セイロクに向けて飛ばした。しかし、これもまた避けられてしまう。


「クソ…っ!」


「…エミ、ぼくと一緒に戦おう」


「…うん!」


ユウキはエミの左側に立つと、彼女の左手を取った。そして静かに目を瞑り、彼の霊力を彼女の霊力とリンクさせていく。


「「…見えた!!っけぇぇぇぇぇ!!!!」


刹那。二人の視界が合わさると、セイロクの俊敏な動きが僅かに遅くなり、途端にエミはセイロクめがけて豆を勢いよく打ち出し始める。


「奥義ッ__!!豆散弾銃(ショットガン)!!!」


「む…」


白く淡い霧を纏ったエミはセイロクの方へ向け、ビュン、ビュン、と打ち込む。すると、セイロクは先ほどとは打って変わって、盾をがっしりと構え、目を据えた。途端に当たったエミから打ち出された豆はセイロクの盾に当たると粉々に砕け散ると同時に、三発同じ場所に豆を食らった盾の方も、大きな縦筋が入ってしまっていた。


「「あーーーーーっと!!ここでエミ&ユウキペアがセイロクに一歩リードか___ッ!?ここからどう出る鬼チームッ!!」」


私がマイクに向かって叫んだ刹那、途端にキョウスケが前に出る。


「ねえっ!トウガさんっ!!」


「な、なにっ!?」


「さっきから俺たち、出番なくない!?」


「ちょっ…メタいよ!でも、しょうがないでしょ。ストーリー進行上、まだ出番が先のみんなとか、出演予定があやふやなみんなとかをこーゆーとこで立たせないと、いざ本編で登場した時、忘れられちゃうじゃん!」


「トウガさんのがメタイし!!ま、なるほどね!…でも、そろそろいーよね?俺たち暴れても」


え、私?


「礼昴に言ってる」


「あ、うん…。どうぞ…。ただ、もう投稿時間切ってるので、程々でお願いします…」


「やっふーー!!んじゃー、俺、本気でいくから!!」


「おう!かかってこい!!」


キョウスケは肩を大きく回すと、足をぶらぶらとさせ、トウガは首を回すと手首を鳴らした。


「「来いッ!!」」


二人の声が合わさると同時に、キョウスケの身体は黒い霧に包まれ、キョウの姿が現れる。それを見るや否や、姿勢を崩すトウガ。


しかし、それもそのはず。そのキョウの姿はいつもの彼女とは違い、以前エミとユウキがファッションショーをしていた時のコレクションの中の一点、「ハラ出しバニーちゃん」だったのだ。


「キョ___ッ!?」


「へへ…トウガさんの好みかなあって思って、なんかあった時のために記憶しておいたんだ」


「やり方が汚いぞ…ッ!!」


「なんとでも言えばいいよ。豆、あーんしてあげようか?」


「や、やめてくれ_____ッ!!!」


キョウ、もとい、小悪魔系バニーちゃんはトウガに迫ると言葉巧みに迫り、一切攻撃することなく彼を撃退したのだった。




残るはセイロク&キョエ。しかし、永遠と逃げ惑い続けていたキョエは遂に体力の限界を迎えたのか、ふらふらとその場に座り込んでしまった。


「あらあら、もうお終いですの?」


リンドウは彼の前に淑やかに立つと、キョエの顔面に人差し指を向け、にこやかに笑った。


「…ふん、オマエか。精霊界随一のエリートであり、その反面、精霊界の秩序を乱す逸脱者ってのは…」


「ふふ、なんのことでしょう」


「抜かせ。やるならやれ。ワシはオマエほど落ちてはおらん」


「あらあら、あんまりここでネタバレ発言をしてしまうと、負け確線(・・・・)へと直進してしまいますよ?」


「もう負けなんて決まっているようなもんだろう。いくらでもネタバレしてやる。えー、リンドウは_____」


プシ____


「……」


途端に、会場内は静寂に包まれる。


え、私なにかした?ん?なんもしてないよ??ただちょっと展開的にヤバそうだったから眠ってもらっただけ、そう。眠ってもらっただけ。


「あー、みんなお構いなく〜」


「「あ…ハイ……」」


「てか、礼昴!!アラームセットした??もう三分過ぎてない??」


エミの言葉にハッとした私は急いでスマホのアラームを確認する。すると、その数字は三分にセットされたまま、止まっていた。


「…ごめん」


刹那、すっ飛んできたカーリャは私の足元にすがる。


「なぁなぁなぁ!!!だったらまた二回戦!!第二回戦で決着つけようぜ!!!また計り直してさあ!!まだ俺体力あるし!!」


「…みんなはどうしたい?」


「オレはどっちでもいいけど…まぁ欲を言うなら、あんな負け方はちょっと恥ずかしい…かな」


「えー、私は楽しかったけどなあ」


「アタシ大活躍できたから大満足!二回戦やっても負けないよー!」


「ボク、登場しまちたっけ…?それとこのお豆、投げるなんてもったいないでちゅ。食べた方がいいでちゅ」


「ふふふ、私はもういいかしら。お豆ももうないですし、疲れちゃいましたし」


「…んじゃー、今回はこれで豆まき大会終了ということで!私のせいでこういう曖昧な結果になっちゃったので、後書きの一発芸は…やりたい人いる?」


私は各々の顔を見ていくと、途端にトウガが咄嗟に顔を逸らす。


あっ、コイツだな。


「今、トウガと目が合ったからトウガに任せようと思うんだけど、どう思う?いいと思う人拍手〜」


パチパチパチパチパチパチ


あ、裏切り者の集まりだ…笑


「ちょっ、みんな酷くない!?」


「そんじゃー、そろそろいい頃合いだからね。本編より長いからね。大惨事だ。終わらせるよ。みんな集まってーー」


みんながゾロゾロと集まる。そんな中、キョエは未だに麻酔が効いているようで、眠りについている。


「そんじゃ、せーの」



最後までご愛読、ありがとうございましたー!!


引き続き、『ワケあり死神、性転換しながら暗黒世界を旅します。』をお楽しみください!!

おつかれーー!

トウガだよーー。


一発芸披露しろとか言われてもさー、困っちゃうよね…。

あ、そうだ。そう言えば今、受験シーズン真っ只中なんだよね?

オレそれ聞いてふと思い出しちゃってさあ。

オレの知り合いで、ノー勉でも受かるっしょって余裕こいて、前々日まで勉強しないで、前日で初めて苦手分野ちょっと勉強したら、余裕で落ちたガキンチョ。

ホント、ウケるよねえ。本人はマジで受かる気満々だったから、それなりに落ち込んでてさあ。

でもまあ、何が言いたいかっていうとね、勉強のしなさすぎもダメだけど、しすぎもダメってこと。

あんまり根詰めすぎると、頭パンクしちゃうから。そんで体調崩して受験行けなかったなんてなったら、元も子もないっしょ?

それに一番大事なのは、受験はスタートで、ゴールじゃないよってこと!その進学先に行って、何を学んで、さらにその先で何をするのか。

キミの大切な人生の、大切な数年間を決める一瞬になるワケだから、今を大切にしてね。


それじゃあ長くなっちゃったけど、今日はここまで!

受験頑張れ!もう終わったキミも、最近寒暖差激しいから体調気をつけてね!

じゃあ、また明日!!

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節分エピソードキターーー!!!!!! ……みんな微笑ましくてよかったです(笑)バチバチしてたけどw トウガさんー!!!! 多分自分も点数低いのに何とかなるっしょ♪タイプなので人のこと言えないです………
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