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特別
私は生まれながらの才能を持っていた。
それを他の人は特別な人間といった。
でも、私は愛が欲しかった。
満足できるだけの温もりが欲しかった。
だから、私はできることなら何でもやった。
私が持っていないものを奪いにいった。
そして、最初に私が母から奪ったものは嫉妬心だった。
特別な私が初めて知った感情だった。
私はただ、ほしいだけだった。
自分の持っていないものを、
でも手に入ったのは悲しみだった。
愛ではなかった。
私は特別でも、人の心が理解できなかった。