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太陽
部屋の中で、火が灯る。
その火は、いずれ崩れ消え去る。
この部屋と一緒に腐っていく。
私の心のように、腐敗してひとつのことしか考えられなくなる。
体が限界をむかえ痛みすら感じなくなるとついには脳まで狂う。
冷えきった、月のようにもう二度とはかえらない。
一生の傷になり、全てが鉄のように重く冷える。
何か希望を見つけたら、きっと明日は変わる。
でも、私は見つけられない。
光にただ見つめられ、それが怖くて動けない。
狂ってしまった脳は火のことしか考えられず、なにもできない。
私の光はこの火だけ、この火が私の全て。
もし、この部屋が火で燃えるなら私も一緒に暖まろう。
いつかは崩れ燃え尽きる。
最後まで本当の光を知らずに腐っていく。
その火がくれるぬくもりは、偽りでもあって本当でもある。
私が信じていいのは火の光だけ。