08話「人喰いの森」だべ
登場人物
【勇者ベロン】
ドワーフの自称美少女。最強魔法アイテム「魔王の杖」を使える予言の勇者。
アニメの必殺技を魔法で再現でき、また3分間だけナイスバディに変身できる。
【ボルゲル】
勇者ベロンのお供。ドワーフ村に住み着くヲタク医者。なぜか日本語の民間療法本と兵法書を愛読している。
【アイツ】
ギルドマスターであり教皇庁のエリート神官の若者。
名前はまだ知らない。
【冒険者】
教皇庁の傭兵部隊。
フォール:元レンジャー隊長で達人。
怪力ザーグ:勇者ベロンの舎弟
ハゲ隊長のジャクス:冒険者砦の指揮官
【大魔王】
10000年前の魔王大戦で巨人と戦い消滅した。この世界に三本に折れた「魔王の杖」を残す。この世界では古代神として信仰されている。
とりあえず魔導士の戦力は壊滅した。
残りは「教皇庁のアイツ」が手回しして諸侯連合に討伐させるんじゃないかな。
ゴモンさんたちのキャラバンも、赤ずきんちゃんと青騎士たちも、それぞれ次の現場へ向かって去ってしまった。
彼らには魔道士たちの残党刈りと、バリル国の処遇という大仕事が残っているからな。
俺たちは破壊された冒険者村の復興と砦の修理だ。
またいつもの肉体労働が始まった。
このへんは前世の底辺労務者時代からずっと同じだけどな!
というワケで一杯ひっかけたら堀割の土止の補修だ。
俺らが塹壕の排土の盛り付けをしてるとボルゲルたちがやって来た。
ボルゲルのアホはザクス隊長や、ギルドの社長である『アイツ』を従えながら村内を見回り、柵の間隔やら堀割の位置やらを指示している。
隊長さんは熱心に聞いているが、あんなインチキ素人の意見を聞いてて大丈夫なのかね?
ボルゲルたちがノコノコやって来た。
「なかなか良い仕上がりですね。勇者ベロンさん」
なんで勇者の俺が土木作業で、お前が現場監督なんだよ!
なんか納得できない部分はあるが、まぁ俺のドワーフの血が現場作業を求めているから仕方ない。
「なぁボルゲル。今回は恐竜は現れなかっただな」
ボルゲルが森の方を指した。
「おそらく恐竜は、森の中で狼やオークと戦ううちにそのまま谷を渡り峠を越えて北方やこの砦に入ってしまったのでしょう」
なるほど、恐竜が戦っていた相手は森の侵略者でもあるオーク。そしてそれを操っていた魔導士だったのか。
「するってえと恐竜も西の森から来たのだべか?」
隣で丸太を削っていたフォールが少し間を置いて言った。
「考えられるとしたらさらに西の獣人国でしょう」
獣人国。ゴモンさんたちの国だ。
女王は悪魔崇拝たちに怒ってゴモンさんたちを派遣したと聞いたが、じつは恐竜もゴモンさんも、全て獣人国の女王の命令で北方の悪魔討伐に送り込まれて来ていた気がする。
そして同時に勇者である俺を調べに来た…
ふと頭の中に『黄金の翼の戦士』の話を思い出した。
獣人国の女王は、あの古代の勇者を知っているのではないかな?
女王はいったい何を考えているのだろう?
「フォールは獣人国を知ってるだか?」
「いえ、行った事はありません。それに『ヤツら』が…」
ヤツら?
何かイヤな予感がするな。
ギルドマスターの神官の「アイツ」が爽な笑顔で近づいて来た。
「これは西を調べる必要がありますね!勇者さん!」
お前が言うと悪い予感しかしねぇ!!
…というワケで我々藤岡弘○探検隊は幻の恐竜を探して鬱蒼とした原生林の中を進んだ、
我々の前に立ちはだかる伝説の魔獣『卒然』とは何か!
果たして幻の神馬人は存在するのか!
我々の前にはいったい何が待ち構えているのであろうか!(CV:田中信夫氏)
まぁ魔獣『卒然』は俺が先日倒したけどな。
この探検隊には冒険者が2人ほど同行している。
ゲリラ戦のエキスパートのフォールと、怪力ザーグだ。
冒険者とは言っているが、二人とも法皇国の対ゲリラ部隊であり一流のレンジャーだ。
あ、あとボルゲルが最後尾に居やがる。
森に探索に行くというのに日本語の古書を山のように担でヒイヒイ言ってる…やっぱアホはアホだな。
総勢4人の探索チームだ。
巨大な谷間の渓谷。
木々の群れがひたすら続いている。ここを歩いていると薄暗くて、まるで森の胃袋に入っている感じだ。
意外と下草は少ないのでチビっ子ドワーフには助かる。
まぁ俺は美少女だけどな。
「目印です。周囲300異常無し」
フォールが教えてくれるが、はて?どこにそんな情報が書いてあるのか、俺には判らない。
俺たちの周囲には数人の物見衆が先行して、見えない目印を残している。
※ 物見:偵察員のこと。
しかし組織の力って凄いねぇ。周囲の情報が逐次入って来る。いったい何人のレンジャーが隠れて居るんだろ?見えないけど。
「人の足跡です」
先導するフォールが指さすが、いったいどれが足跡なのか素人には全く分からない。
「歩幅から推測すると身長はこのぐらい。左利き、痩型、一人だけです」
フォールが手を高くかざすが…
ちょ!2m近くあるだろ!デカいやん。
ザーグの表情が厳しくなった。
「『ヤツら』ですぜ。気をつけてくだせぇ、見つかったら殺されますぜ」
えええ!何その『ヤツら』ってそんなヤバいのかよ!!
最強村人の怪力ザーグでも190cmぐらいだ。
『ヤツら』ってどんだけデカいねん…
「ぎゃっ!」
森の奥から男の悲鳴が聞こえた
とっさに俺たちは走り出した。物見をしているレンジャーの声だ。俺たちは声の方向に走った。
見つけた!
腕を斬り落とされた物見の若者が血まみれになりながら転がり回っている。重症だ。
あ!傷口に何か居る。
カブトムシをさらにデカくしたような虫が次々と飛んで来て、傷口の肉を食いちぎろうとしているのだ。
「何だこりゃ?!」肉食の大型カブトムシか巨大カミキリか。
「人喰い虫です。血に寄ってきます」
うげっ、なんちゅう恐ろしい虫だ。
フォールが布を引き裂きながら指示を出す。
「火種をよこせザーグ!追い払って血を止めろ!臭いに集まって来るぞ!」
ザーグが懐中から火縄を取り出して火を点けようとしている。
「それなら俺にまかせろ!ボルゲル麻酔用意だべ」
フォールが素早く上腕を縛って止血する。
俺は斧を赤熱化させて近づけた。
虫がボトボトと落ちる。
ヒルにタバコを押し付けて落とすイメージか。
ヒョウタンを口に含み、ドワーフの火酒を傷口にぶっ掛ける。
物見の若者は小さく悲鳴を上げた。
フォールが素早く物見の口に布を咥えさせた。
「焼くぞ」腕の傷口に赤熱化させたダブルトマホウクを押し付ける。
物見の若者は一瞬暴れたが必死に耐えている。
さすがレンジャーだな。精神力が違う。
だが出血が止まっても火傷が残る。重症だ。すぐに引き返して治療させなければ、生命にかかわる。
「ぎゃっ!」という声がまた森の奧から聞こえた。
フォールが立ち上がる。
「物見がまた一人やられました!」
俺たちは声の方に走り出す。
さらにまた別な方向から悲鳴が聞こえた。
「まずい!囲まれている!」後ろでフォールの叫び声が聞こえた。
「間違いない、この手口は『ヤツら』だ!集合しろ!集合!危険だ」
フォールが走りながらツノ笛を吹き森の奥に消えた。
姿も見せず、精強なレンジャーすらたちまち倒して行く。
これが『ヤツら』か…
遠くからザーグが「姐さ〜ん」と俺を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると、あれ?みんなが居ない。
しまった!チームを見失った!!
あわてて声がしてた方に走ってみたが誰も居ない……ますます深い森にハマった気がする。
迷子になってしまった!迷える森の美少女だ。
ジッとしていればフォールが見つけてくれるかもしれないが、ここに止まるのはヤバい気がする。
もっと見通しの良い場所に出なければ…
近くの岩に耳を当てれば、左遠方に水の音が聞こえた。
『岩の声を聞く』これがドワーフの能力だ。
近くに沢があるな、沢を辿れば下に行ける。そこで敵を迎え撃とう。
(※注意:沢を下りるとこの様に遭難します。上の尾根に向かいましょう)
100mほど走ったら左右の岩肌が迫り、歩く場所が無くなった。
「あ、ひょっとしてコレ…遭難したのか?」
仕方なく俺は鳶口の重力操作を使いながら沢の水の中に入った。
たいした沢ではないが、じっさいに水中に入ると急流だしすごい水圧だ。水位が腰近くまである。足元は水苔でツルツルに滑りまくり足が下に着かない。
魔王の杖が無かったらノンストップで一気に流れ落ちていただろう。
滑る岩肌をゆっくり移動して行くと急に視界が開けた。
滝だ。
ヤベぇ〜ふつうなら滝に落ちていたと思うが、俺は鳶口の重力操作を使いながらゆっくりと側面の岩伝いに降りて行った。
轟音と水しぶきでズブ濡だ。足元が何度も滑った。
ドワーフの短い手足はつくづく登山には向いて無いな。
ようやく地面だ。ドスンと薮の中に墜落した。
やれやれ危うく転落するところだった。
薮から這出ると清流と大きな淵が見えた、
水量が多いのか、水が深く青い。
「とりあえずここで…お?…おっ?!…おおお!!」
それは夢の様な光景であった。
(金髪エルフのお姉さんが水浴びをしているううう!!!)
危うく鼻血…いや声が出るところだったぜ。
いや美しい。異世界ファンタジーに転生して良かった。
白い清流、青い水、緑の森、黒い岩肌。
そこにパッキン・ロングヘアの真っ白なエルフが全裸で水浴びしていたのですわよ奥さん!
これは、もうちょっと良く見ないとイカンな。
エルフさん、もうちょっとこっち向いて…
「何を見てるんですか?」
「そりゃお前ぇ……うわっ!ボルゲル!いつの間に居た!」
エルフが驚いてこちらを見て睨む。
うわっ、怒った顔もかわいいなぁ。
エルフがこちらを指さす。
「ん?何だ?
淵の水が竜巻となり、大蛇の様にボルゲルを飲み込み、はるか彼方のどこかへ流し去った。
「え??エレメンタラー(精霊使い)か!」
スゲぇ!スピードもパワーも魔道士どもの火炎弾魔法なんかとはレベルが違う。
本物の攻撃魔法だ。
エルフのお姉さんが服に手をかけた。
あ!待って、行かないでお姉さん!もっと良く見せて… あれ?全裸で戻って来た。
左手に金色の剣を持ち、なぜか水の上をスタスタとスーパーモデルの様に美しく歩いて来る。
おおお!見え…いやちょっと待て、近づいて来ると、なんか「デカいんですけど!!」
身長2mぐらいある。
いやひょっとして『ヤツら』って…
エルフかよ!
全裸のエルフは水面を蹴って空中高く飛び上がり、剣を振り下ろした。
「あ、見え…
……………もう想い残す事は無い。
そんな幸福の中で俺は逝のだろうか…
目の前にエルフの剣が迫って来た。
いやちょっと待て!
「うぎゃあ!」
俺はあわてて頭を抱て屈込んだ。
エルフの剣が振り下ろされ、俺の背中にぶつかったその瞬間、いきなり背中の斧から電光と衝撃波が発射された。
爆音と共にエルフがゴム人形の様に手足を振り乱しながら吹き飛んで、淵の水の中に落ちた。
衝撃波の爆風で周囲の枝葉は折れて吹き飛び、蒸気で視界は霞んでいた。
地面に静電気がパチパチと走っている。
あれ?…ダブルトマホウクの痴漢防止機能ってこんなに強力だったっけ??
ついでにボルゲルのアホもどっかに吹き飛ばされたか。まぁいいや。
はっ!エルフのお姉さんは大丈夫か!!
全裸のまま冷たい水の中に沈んだら危険だ。
一刻も早く引揚て温めてあげないと!
予想外のチャンスに少しニヤけたが、あくまでも善意だ。
俺は全力で水の中に飛び込んだ。あくまでも善意でな!
透明な水中に潜ると沈みかけている全裸のお姉さんが見えた。
おー!!!全裸のまま気を失ってますねぇ!全裸!」
またニヤけてしまったが、あくまでも善意だ。善意だ。善意な!
ドワーフ泳法(犬かき)でお姉さんの背後に回り込み、アゴに腕を掛けて顔を水面に出す。
あとは浮力に任て浮かばせながら、ゆっくり岸辺に引き寄せる。
ではさっそく陸の上へ運んで…重いなあ。
いくら俺が美少女とはいえ、この短足ドワーフボディではエルフの巨体を運ぶのはクソ面倒だった。
陸に上げてみると、いやデカくてカッコイイけど…あまりエロくは無いな。
ちょっと残念。
スーパーモデルがファッションショーで半裸になってもあまり嬉しく無いのと同じだろうか。
次元が違いすぎてエロく無い。
なんか巨大マネキンのオブジェを鑑賞してる感じだ。
ちょっと損した気もするが、俺はまた一つ賢者に近づいてしまった様だ。悟りの境地と言っていいだろう。
まぁしっかり鑑賞はするけどな!
しかし美人だなぁと上から下までじっくり鑑賞する。
おや?お姉さんの顔に血が付いているな。
そうか、さっきの返り血だな。
…拭てさしあげるか。
ドワーフ村物産品の売店で買った渋染め鉄媒染の手拭を絞って拭いてやった。
濡れて血の匂いがする。
その時、ブーンという低い羽音がしてエルフのお姉さんの顔に黒いカブトムシの様な物がピタっと止まった。
顔の上でゴソゴソしているが、ん?これは…
「人喰い虫!」
コイツはヤバい!
とっさに手づかみで引き離したが「痛ぇ!」
親父からもらったドワーフ鉄工グローブを簡単に貫通して危うく指まで噛み切られそうになった。
手袋を透して血が流れ出している。
「?!」
無数の羽音とともに頭上に人喰虫が集まって来てる。
「俺の血か?」
そうか、さっきお姉さんが水浴びをしていたのはこの血を早く洗い流すためか。
俺はとっさに手袋の血を服になすり付けて、この場を離れる。
やはり虫は俺の服に集まって来る。
あっという間に4、5匹取り付かれた。
「赤熱!」服に着いた虫を叩き落とす。
ジリジリと退がりながらまた服に血をなすりつける。
しだいに空中を大量の黒い虫が覆い始める。
(何百匹いるんだ!)
次々と俺の全身に虫が止まり始めた。
叩き落として踏み潰すが、次々と取り付いつ服を喰い破って来る。
「冷線砲!」冷気魔法で何十匹か落ちたが、
ダメだ数が多すぎる。
たまらず走り出したが虫が追いかけて来る。
エルフは?
無事だ。虫はみんなこちらに来ている。
それでいい。
「もっとこっちに来い!」俺は走り出した。
カブト虫大のデカい塊が顔にビシビシぶつかって来る。顔面に血が流れる。
目に血が入ってもう前が見えねぇ。
虫は次から次と全身に取り付いて囓り回る。
夢中で斧と鳶口を振り回すが、あっという間に全身が虫だらけになって行く。
全身が痛い、叩き落とすのも間に合わない。
俺が喰われるのが先か!それとも…
「があっ!」しまった。岩場につまずいて倒れてしまった。
痛みと重さで倒れたまま転げ回る事しかできない。
もうダメだ。
斧を振り回しながら岩場をゴロゴロと転げ回るとさらに血が流れて、ますます虫が寄って来る。
さらに全身に喰付いて来る。重い。
もう痛みすら感じなくなってきた。
「死ぬ!」
転がりながら一瞬、エルフの姿が見えた。
まだ無事だ。
男が美人のピンチに死んでいられっかよ!
まだ、もっと遠くへ…
「うおりゃあ!」
気合で赤熱化させた斧と、冷線を放つ鳶口をメチャクチャに振り回した。
しまった!
赤熱化した斧に冷線砲を浴びせてしま…
ドン!という光と共に轟音が森中に響いて無数の鳥が逃げ回った。周囲の小石がカランカランと跳落ちる音が聞こえる。
顔に食い付いていた虫どもが空の彼方へバラバラになって吹き飛んで行くのが見えた。
冷気で霧が立ち込め、雷光がパチパチと地面を走っている。
周囲にいる虫は死んでいた。気圧変化による急激な低温と稲妻の電撃サージにより全滅である。
荒かった呼吸がだんだん落ち着いてくると
そのまま俺は意識を失った。
そうか思い出した。
子供の頃、長老の爺さんの家で遊び半分で鳶口を斧にぶつけた時も、こんな風に大爆発したんだ…
さっきもエルフの剣から逃げようとして、とっさに屈んだ瞬間、鳶口と斧が接触して…爆発した。
この斧と鳶口をぶつけるととんでもないエネルギーが飛び出るんだ。
「これはですね〜魔王の杖にプラスとマイナスのエネルギー循環作用があるんですね。
この陰と陽のネゲントロピー逆循環同士が接触した事により相対する境界面が破断し循環エネルギーが爆発的に三次元に放出されるのですね。そのため一瞬で空気は膨張して冷却され静電気が起こり…」
なんかボルゲルの声が聞こえる。
あ〜死んでまでボルゲルのインチキ解説を聞くハメになろうとはな、アホは死ななきゃ…
いや、ちょっと待て!
ガバっと目が覚めた。
生きてる…
ここはどこだ?
「森の魔術師の神殿だ」
重く低い女性の声が聞こえた。
「森の…魔術師?」
黄昏の光の様な薄明るい木造の部屋の奥に、薄手の黒い民族衣装に大量の宝飾をまとった青い髪のエルフの少女が座っていた。
恐ろしいほどの美人で不思議な瞳をしていた。
まるで別世界の風景を映す様な瞳……?!
つづく!だべ
あとがき
【ボルゲルのファンタジー用語解説】
さて今回も異世界ファンタジーの基礎知識を勉強しましょう。
⚫︎ 藤岡弘、探検隊
「藤岡弘」探検隊か?それとも「藤岡弘、」探検隊なのか?
これは難しい問題ですね。
⚫︎ 物見
偵察の事です。
またプロの武芸者(弓術家など)や武将本人が直々に偵察に出る事もありました。物見武者ですね。
⚫︎ 沢を辿れば下に行ける。
沢を下りると、あの様に遭難か転落します。
警察発表では重大事故は転落によると言われます。
フォールたちレンジャーは危険を察してとっさに上の尾根に向かいましたが、素人は沢づたいに下に向かってしまうのですね。
⚫︎ エレメンタラー
特定の物質元素に働く物質操作の念力と考えてください。
この世界ではエルフどもの得意技ですが、エルフの工芸品に驚異的な名品があるのはこのためです。
…おや?初めてファンタジーの解説をしたような気がします。
⚫︎渋染め鉄媒染
お茶などに含まれるタンニンの染料に鉄を溶かしたものですね。
柿の絞り汁などに鉄釘を入れておくと黒く変色し、水で洗うと黒く発色します。
みなさんもぜひお試しください。
ではまた。