さがしもとめてた新大陸
「ノアの方舟」のイメージ。
どんな想いで
きみがさがしもとめてたのかは知っているが
あえて言わせてもらう
希望の燭台は
きみがのぞんだ色の炎をしているとはかぎらない
希望のチャペルは
きみがのぞんだ鐘の音をしているとはかぎらない
希望の花壇は
きみがのぞんだバラの香をしているとはかぎらない
希望のぶどう酒は
きみがのぞんだ甘さと苦さをしているとはかぎらない
希望の毛布は
きみがのぞんだ肌触りをしているとはかぎらない
だから
希望の新大陸も
きみがのぞんだ楽園だとはかぎらないんだ
はなった鳩がそこを気に入らなかったから
オリーブの葉を咥えて帰ってくることもせず
かといって 棲みついて帰ってこないこともせず
せっかく見つけた新大陸を知らんぷりして
そのまま帰ってくることだってあるんだろうね
そしたらどっちがお好みだい?
さがしもとめてた新大陸をみつけられない失望と
だけど
まだこれらも新大陸をさがしてゆける希望との
両方を
胸に抱き続けることと
さがしもとめてた新大陸をみつけたのに
そこはのぞんだ楽園じゃなかった絶望に
腕ごと抱きつかれることと
いったい どっちがお気に召す?
最初は、鴉でしたっけ?