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僕とガイアの異世界戦記  作者: icefish
突然の異世界
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武闘会告知とガルファナの熱気

ガルファナの王都に、突如として大きな知らせが届いた。

獣王バルグラン自らが諸国に向けて発した告知——「三月後、ガルファナ王都にて武闘会を開催する」——である。国内外問わず、腕に覚えのある者たちにとっては、自らの力を示す絶好の機会だと伝えられた。


街は瞬く間に活気づいた。市場では武闘会への参加や観戦の噂で持ち切りになり、武器屋や道具屋も在庫を増やして準備に追われる。

獣人たちも例外ではなく、特に武闘派の若者たちは胸を躍らせ、互いに腕を見せ合いながら日々の鍛錬に余念がなかった。


「シュウ殿、武闘会に出る気はあるのか?」

ザルガがいつものように笑いながら尋ねる。


「……出る気もなにも、獣王様の命令じゃないですか笑、僕に断る選択肢はありませんよ」

そう、おれに断る選択肢わない。

逃げる選択肢はある笑

なーんて。

シュウはザルガに答えつつも、心の奥では期待を抑えきれなかった。ガイアさんと積んだ100年の修行の成果が、この異世界で、自らの力が、どこまで通用するのか——その手応えを感じる機会なのだ。


「とゆうか、ザルガさんも出るんですか?」

「無論だ、ガルファナの戦士は皆でるのでわないか?獣王様も参加されるぞ」

「え!?獣王さんも!!?」

「当然だとも、我が国の王ぞ、獣王さまは前回の武闘会覇者だぞ?」


な、なんたる脳筋…。

冷静に考えると怖い国だな…。おれが一般人なら、、、死ねるな…。ガイアさんに改めて感謝。ありがとうガイアさん。お土産話し増えそうだよ。

冷や汗を流しながらそんな事を考える。


「武闘会は我が国の精鋭達も勿論だが、各国の猛者も集まってくるゆえ、いかにシュウ導入でも苦戦は必至であろうよワハハ」

ザルガさんが楽しそうに笑っている。

…怖い。

「そーだ、ザルガさん、武闘会って武器の使用とかありなの?素手で殴り合うとかじゃないの?」


「ん?何をいっているのだ?拳闘士ならわからんが、少なくとも戦士はフル装備だぞ?、己の武を競う場であるのに、なぜわざわざ武器を捨てて戦わねばならぬのだ?」


「…死人がでるのでわ?」


「闘いに敗れ死ねるなら本望であろうよ」


…世界線が違いすぎる。


これは、参加する奴らって、もしかして

どっかぶっ飛んでるやつなのでわ?

いや、てことはガルファナの皆さんはすでにどこか飛んでるとゆーことに?…。


ジーっとザルガさんみる

虎の顔がいつも通り凛々しかった。


「まぁまだ武闘会まで日にちがある、鍛錬の場でも案内しよう。」

「へぇ、そんな場所あるんだ、訓練場みたいな施設かなぁ」


ザルガさんに連れてきてもらった場所は、森のなかだった。

…。野生味が溢れていますね。流石獣人。


「獣も出る故、気配察知も鍛えられる、そして肉にもありつけるぞ」

楽しそーだなザルガさん…。野生味が…。虎だもんな。


ザルガさんの戦闘スタイルは、身体強化での俊足と剛腕。大きめの片手剣での豪剣って言ったところかなみた感じ。ぶぉんぶぉん風切音がしている。

斬撃でも飛ばせるんじゃなかろーか…。


とゆーわけで

ザルガさんと模擬戦してみた。

勿論、寸止めありでね!むしろ寸止め条件でね!

模擬戦だから!模擬戦で命のやりとりなんてしたくないからね!?


結果

ザルガさんは強かった。

そして、ガイアさん以外とまともに戦ったことがない僕の感想わ

ザルガさんは強かった。


「流石だなシュウ殿、オレはこれでもガルファナの戦士団のなかでも腕がたつ方なのだがな、世の中は広いな、まだまだ精進がたりんようだワハハハハ」


楽しそうだがザルガさん。充分人外の領域にいると思うよ?


何度でも言おう。

ザルガさんは強かった。


その日からザルガさんとは朝の鍛錬として、魔法やら剣技やら語り合い、試しあい、闘いながら過ごした。


…仕事はザルガさん?

まぁ、気にしないでおこう。

獣人には獣人の生活スタイルがあるんだろう。きっと。


エルフ王国エルドラド


世界樹の麓の国。ガルファナの武闘会の告知が届き、弓術と魔法に長けた俊敏な戦士たちが訓練に励んでいた。


森の隅で、ひっそりと弓を引く若き弓術師リシェルはつぶやく。

「今回の武闘会、私の矢でどれだけ通用するか試す良い機会…!」

仲間たちも互いに矢を放ち、魔法を試し合いながら技術を磨いていた。



竜人国ヴァルゴア


ガルファナからの告知を受けた戦士たちは、強靭な体躯に火や雷の属性を備え、戦闘技術を鍛える。


ドラカンは岩場を駆け抜けながら吼える。

「俺の力を、全てぶつけるときが来たな…!」

炎と雷を操る戦士たちが互いに連携を確認しながら、己の力を極限まで磨いていた。



魔人国ナグルス


暗闇の中で、魔人の使い手マルシアは小声でつぶやく。

「武闘会での勝利は、知略と奇襲の勝利…油断は禁物ね。」

罠や幻影を駆使し、戦いの準備を進める彼女の瞳は冷静そのものだった。



共和国アストリオン


広場では剣士ラファエルが蒸気仕掛けの武器を調整しつつ笑う。

「これで遠距離も近距離も完璧…!さぁ、戦場を楽しむぞ!」

仲間たちは機械式武器を試射し、戦術確認を続けている。



一方、砂の国ザイードでは「サンド・ハンターズ」が密かに動き出していた。

数ヶ月前、ザイード軍を壊滅させられた彼らは、黒髪の災厄シュウの存在を警戒しつつ、今なお情報収集を進めていた。武闘会の噂を耳にし、再び戦局に影響を及ぼす可能性を探りながら、密かにガルファナへと向かう。


こうして、ガルファナ王都は次なる激戦に向けて、静かだが確実に熱を帯び始める——。

武闘会一か月目、準備と駆け引きの嵐の前兆が、王都の隅々まで広がっていた。



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