#44 レッドファングの山賊汁〜ドラゴン討伐キャラバン〜(2)
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「えっ、どういうことっスか?」
「はい、なのでお二人には、ドラゴン討伐のキャラバンにご同行いただき、共にドラゴンを倒していただきたいのです」
「俺たちがか?」
「当然です! バフ魔法料理のお噂はかねがね伺っております。今回の討伐キャラバンは、近隣一帯の商業を考えると絶対に失敗できないもの。冬までに商流が復活しなければ、飢餓で苦しむ人も出てきます。お力を貸していただきたいのです」
「それ安全なんスか」
「すみません、冒険者のキャラバン隊ですので当然戦力はいますが、相手は火龍ですし、山の途中にはワイバーンたちも生息しています。命の保証はできません」
「おっと」
「ですが、当然報酬はしっかりあります。金貨1000枚と討伐後のドラゴンの肉は全て差し上げます」
ドラゴンの肉。調理したことはないが、伝説的な高級食材だ。
料理してみたい! 食べてみたい! でも、死にたくない!
「ちょっと考えさせてくれ」
グラニスはそういうと、厨房に向かった。
火をつけて、ややぬるくなっていた汁のたっぷり入った寸胴をかきまぜる。
レッドファングの山賊汁だ。
冒険者の人が持って来てくれた大きな赤い猪のような魔物レッドファングを、色とりどりの根菜と臭み消しの生姜をたっぷりいれて煮込んでいる。
最後に、味噌を入れて味を整えたら完成だ。
少々匂いは野性味はあるが、レッドファングの脂からうまみと甘みが出て、根菜たちに染み込んでいる。味は絶品だと思う。
「サーシャさん、まぁこれ食べてくれ。熱いから、火傷しないようにな」
山賊汁をサーシャに差し出す。
「えっ、はい、いただきます」
ふぅふぅ
ズルルルルルル
「なにこれ!! めちゃくちゃおいしいです!!!! これおいしいですね!! 入ってるお肉なんですか?」
「レッドファングだ!」
「ええ? レッドファングってあの臭いやつですよね! こんなにおいしくなるなんて衝撃です……さすが、冒険者界隈に名を轟かすバフ料理人……」
「それで、料理しながら考えたんだが」
「えっ、今の時間考えてたんスか!?」
「その依頼、受けようと思う!」
サーシャが少しむせる。
「えっ、えっ本当ですか!? ありがとうございます!」
「昔からドラゴンは一度料理してみたいと思ってたんだ。どんな味なのかも気になるしな」
「師匠ならそういうと思ってたっス! ドラゴン料理楽しみっスね!」
「自分たちが死なないように、周りの冒険者たちを強化しまくらないとな!」
「では、契約成立ということで。キャラバン出発は、明後日の夜明けです、よろしくお願いします!」
「ああ」
グラニスとサーシャががっちり握手をする。サーシャに筋力強化がかかっているのか、少し痛い。
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『勇者辞めました〜悪徳女神に反抗したら追放処分になったので救済した世界に楽園を作ります。代わりはいくらでもいるって言ったのに、早く戻ってこないと世界を滅ぼす? 女神ごときがこの世界に勝てるとでも?〜』
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