表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/54

#19 エンジェルポークの燻製ジャーキー〜ミノタウルスを討伐せよ〜(1)

ところで、この冒険者キャンプは洞窟でどんな依頼をこなしているのだろう。


 よく見ると、どの冒険者も鎧や服がところどころ切り裂かれており、からだにも切り傷が多いようだ。

 

 グラニスは、ちょうどカウンターに座っている冒険者たちに話を聞いてみる。


「ここにいる冒険者は、洞窟で何をしてるんだ?」

「ミノタウルス討伐だよ、体躯が発達した牛のバケモンだ」

「この洞窟にミノタウルスが住み着いちまって、そこから魔物が湧くようになって、近くの田畑が荒らされたり、通行人が襲われたりしちまってるらしい」

「それで冒険者ギルドに討伐の依頼が来たって訳だ」


 なるほど、そもそも冒険者ギルドというものがどういうものなのかよくわかっていなかったが、みんなが困りごとを依頼できる場所なのか。

 

「だが、ここのミノタウルスが厄介でな」

「両手に冒険者から奪ったバトルアックスを持って暴れまわってるんだ」

「防御魔法をかけながらなんとかやってるんだが、向こうの攻撃が速度も威力も上回って、そもそもこちらが攻撃する隙を与えてもらえねぇ。どのパーティも倒しきるところまではいかねぇんだ」

「もう1ヶ月はこう着状態ってところだな」

「とはいえ、Sランクの冒険者たちは、こんな洞窟見向きもしねぇ」

「それでほらこの通り、俺たちみたいな冒険者たちが集うキャンプ場ができちまったんだ」


 たくさんのテントがひしめく経緯がわかった。


「とにかくまずは相手の攻撃を受けきること。そうすれば隙ができ、こちらの攻撃の機会が生まれる」

「これを繰り返さなくちゃならねぇんだが、相手を削りきる前にこちらがギブアップしちまうんだ」


 それって......


 グラニスは、ひらめく。


「それは、もっと今より物理防御力が強化できれば討伐ができそうってことか?」

「まぁ、そうなるな」

「それなら任せてくれ!」

「そうか! これが本当にバフ屋台なら……できるのか!?」

「ああ、たぶんできる! だが少し時間が欲しい。3日くれないか?」

「ここまで来たら、3日なんて待つ内に入らねぇよ! 楽しみだ!」


 いろいろ教えてくれた冒険者はゼクスと名乗った。


 グラニスは冒険者たちが寝静まった頃から、仕込みをはじめる。


 ミルカも、今日は張り切りすぎたのか、グガーグガーと大いびきをかきながら気持ちよさそうに眠っている。

【評価★★★★★】 

【ブックマークに追加】

いただけますと、とてもとても「励み」になり、ありがたいです...!!


いつも拙著をお読みいただきまして本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ