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とある転移国家日本国の決断  作者:
国家紹介
150/191

日本国

手元の設定資料を他人様が読めるように書き換えるだけだから、楽勝。

と思っていた時期が作者にもありました。どうしよう、これ・・・

全ての資料を書ききれる量ではないため、話を進めつつ紹介ページを肉付けしていこうと思います。


強烈なネタバレがあるので、本編を最後まで読んでから見てください

日本国


 言わずと知れた国家。説明不要と思いきや少し何かが違う・・・


●内政


・人口1億1千万人。文化と政治形態は現実とほぼ同じ。

・黒霧発生によって外国人は大半が避難し、在日達も「国」へ帰ってしまう。

・1国でもやっていけるようにあらゆる分野の産業が戻っているものの、単独で成り立つには10年以上の時間がかかと予想されている。

・食料と燃料生産が絶望的だったため、国は配給制を採用して食料は厳格なカロリー計算のもとで配給されるようになった。配給場所はスーパーやコンビニエンスストアで行われる他、政府指定の飲食店、企業の社員食堂で食事を摂ることが出来る。燃料は北海道にバイオエタノール用とバイオディーゼル用の大規模工場が建てられたが、自治体や企業が日本全国に大規模なものから小規模なものまで、様々な施設ができている。

・「日本は資源が無い」と言うのは偏見。完全自給の資源や世界トップクラス、あるいは世界最大の産出量を誇る資源もある資源国。天然ガスも石炭も豊富に眠っているが、コストと高度な技術が必要なため、大規模には開発されていない。作中の日本国はどんどん手を出している。

・全国でスマートシティ化が推し進められる一方、耕作放棄地、空き家は容赦なく国有地となり、畑などに有効活用されている。

・黒霧からの避難所として全国に広大な地下施設が建設された。この地下施設を稼働させるために地下原発が併せて建てられている。パンガイア戦時には地下原発をフル稼働し、開戦1年以上前から地上の原発を止めて核燃料の冷却と退避が行われる。

・黒霧に起因した暴動では参加者だけでなく賛同した者、扇動した者も検挙された。暴動で大勢が逮捕されたため、既存の施設を改築した「収容所」が開設され、収容者はいつ始まるとも知れない裁判を収容所の中で過ごす羽目になる。「名も無き組織」は暴動を理由に反政府、過激派、世論誘導を邪魔する人物を手当たり次第に収容所へ送った。転移後、収容者は収容所という厳重に守られた施設にいたため、半魚人達の襲撃から難を逃れている。作中の外人部隊には収容所からの参加者が多くいる。

・現在戦時体制に入っている。

・先祖がえりを起こした国民が多数出現したことで対策を練っている


●政治


・国会議員の約半数を有する強力な連合与党と、歴史ある保守の最大野党が幅を利かせている。

・黒霧発生と転移でコロコロ政権交代している。非常時でも選挙が出来たのは、国民の大半がマイクロチップで管理されて電子選挙を実現させていたからできたこと。

・現在はリベラル護憲派の総理、保守改憲派の前総理で分かれている。

・新世界に対応させるため、憲法改正の国民投票が行われようとしている。

・戦争反対、配給廃止を掲げる新政党「無色の派閥」が支持を伸ばしつつある。


●外交


・転移した事で、全ての外交パイプを失う。「名も無き組織」は外交パイプを作るため奔走している。

・ジアゾ合衆国の外交団が到着した事で霧の外の状況が判明し、大急ぎで開戦の準備を始めた。

・魔導通信機によって古代遺跡を掌握出来たことで、密かに世界の情報収集を行っている。

・戦時体制に移行しているため、情報統制の一環として遺跡を利用したパンガイア各国への接触は堅く禁止された。

・同盟国は蜀と倭国、ジアゾ合衆国、実質的な同盟国としてヴィクターランド(神龍教団)。

・ヴィクターランドとの国交開設は日本国内で神竜教の布教が条件にあったが、信仰の自由が保障されているため全く問題ない、とジアゾ外交団が来るまで思っていた。

・蜀は兵士と資源供給。倭国は外交交渉力。ヴィクターランドは技術の共同研究で日本国に協力している。日本国の経済は虫の息だが、戦争の予算は他国の懐から根こそぎ毟り取っている。

・核攻撃により発生した魔力嵐によって黒霧内が大きな被害を受けたため、各国の対日感情は悪化している。ヴィクターランドに至っては「水産庁の失態」で「激怒」まで悪化した。

・ジアゾ合衆国には日本参戦後、兵器と資源の相互供給で合意がなされている。また、衛星通信によって核技術の供与が行われ、完成間近だった核兵器が予定よりも早く完成する。



●登場組織


名も無き組織

 国の行く末を憂える公務員集団。組織の目的、存在意義は日本国の存続。

 政治経済外交軍事、あらゆる分野で暗躍し、目的の為なら自国民すら「消費」することをいとわない。

 参加者の大半が感情を表に出さない人物であり、自らも国の消耗品として考え、黙々と仕事をこなしている。

 日本国を動かすには政治家の協力が不可欠であるため、与党と最大野党の党首に接触して本格的に国を動かし始めている。

 その分野の玄人達が集結しているため、彼等を止めるには、より良い提案を行う他ない。

 組織にトップを置いていないが、環境省の上杉健志郎が実質的なトップである。しかし、上杉に組織の方針を伝える「真の黒幕」が存在している。

 組織の存在目的が鴉天狗と一致するため、彼等に「協力」を依頼している。関東の鴉天狗は協力的だが、九州以外は態度を表明していない。九州の鴉天狗は倭国と同盟を結んだ政府と名も無き組織を敵視している。

 過労死や家族崩壊を顧みずに働いているため、鴉天狗から「公務員カルト」と呼ばれている。


防衛省

 国防を担う機関その2(その1は外務省)。省になったことで自ら予算請求できるようになったが、全ての省庁がライバルであり、ラスボスの財務省と戦わなければならなくなったため、交渉能力の低い防衛省は袋叩きにあって必要な予算がとれていない。予算の追加獲得は専ら政治的な要因に起因する。

 組織の合理的な運用、未来を見越した予算請求、請求するにあたって財務省を納得させる武装が貧弱であり、名も無き組織が予算獲得、組織改革に着手している。

 陸自と海自は軍時代からの伝統が残っているが、空自は日が浅いため、装備更新、次期航空機選定、組織運用で失敗続きである。また、自衛隊(特に海自)は帝国軍時代の悪癖が抜けていない。



●新兵器 陸自編


10式戦車改

 12.7㎜機関銃をリモート操作できるようになった他、本格的にエアコンが装備された。機関銃のリモート化は上陸してくる魔物対策として、エアコンの装備は蜀のような過酷な環境下へ供給されるようになったことで装備される。当初は様々な機能を除いたモンキーモデルが供給される予定だったが、蜀の自然環境が酷い事とパンガイア側が想像以上に強力な兵器を保有している事が判明して、正規のモデルが供給されている。

 10式戦車は増加装甲が装備可能であり、増加装甲は新開発の対侵食兵器装甲となる。

 大量生産する事でコストを抑える工夫がされているが、蜀軍からは自動装てん装置を撤去して4人での運用にしたいと相談を受けている。一回り大きくした本格的な10式戦車蜀仕様が開発中である。


89式装甲戦闘車改

 歩兵戦闘車に該当するものの、名称は装甲戦闘車となっている。

 戦車に随伴する機械化歩兵なのだが、戦車と違って潜水徒渉能力が無いので施設科がいなければ戦車への随伴はできない。

 保有台数が余りにも少なかったため、防衛出動後の戦時増産で改良型が量産される。改良型といっても重MATを装備しない安価版で、対戦車戦能力が無くなったものの半魚人相手には十分だった。勿論、重MATは後付け可能である。

 対パンガイア防衛計画では、財務省のプロジェクトチームが近代化改修計画と生産発注、品質管理まで行う事で、調達価格を半減させた。

 24式装輪装甲戦闘車が装輪タイプのため、履帯の本車両は異世界の不整地で重宝される。


99式自走榴弾砲改

 パンガイアの戦争準備を受けて量産が再開された。地球での戦訓から、改良型は射撃準備と撤収の時間を出来る限り短縮した改良が施されている。また、ひっそりとクラスター砲弾の再生産も行われている。

 89式FV再生産に伴って量産され、この装備も財務省チームにより性能を向上させつつコストを大幅に削減した。


MLRS多連装ロケットシステム

 自衛隊保有の装備は米国製M270であり、旧式感は否めない。しかし、面制圧能力は地上兵器の中では突出しており、陸上自衛隊はこれに代わる装備を保有していない。一時期、世界世論によりクラスター兵器の廃止が決定され自衛隊の装備から削除されかけていたが、結局、世界情勢がクラスター兵器の廃止に進むほど平和ではないことが一般国民にまで知れ渡ったため、保管管理されていた。


MLRS自爆弾頭

 多連装ロケットシステムの新弾頭。AIが内蔵されており、敵目標の優先度を独自で判断して突入する新世代の準備砲撃用兵器。

 パンガイアが戦争準備を進めている情報を入手したことで急遽開発されたが、開発期間が短かったため、民間施設や避難民に突入する事故が多発する。


MLRS長距離弾頭

 多連装ロケットシステムを独自改良し、射程200㎞を越える長距離弾頭の運用を可能とした。これは自衛隊が保有するM31の倍近い射程を持つパンガイア側の長距離砲撃兵器「獣機」に対抗するためである。確固としたGPS網が構築されるに伴って、射程を更に伸ばしたロケット弾を開発しつつ、高機動展開重視の車体も開発中である。


AH-2

 AH-1の後継として転移後に調達が始まった機体。米国のAH-1Zヴァイパーを基にゼログラビティ社が開発。同社は初回で120機もの大量発注を受ける。


AH-3

 AH-64Dの後継機、AH-2の対抗機としてゼログラビティ社の別部門が開発した機体。能力的にはAH-64Eガーデアン相当を目指して開発されている。これには防衛省も満足し、開戦までに5機の調達を決定して開発陣を大いに失望させた。

 この部門は蜀へAH-64Dの供給を行っており、後に蜀政府からAH-3の大量発注を受ける。


MV-22J

 米国のオスプレイをコピーした機体。ゼログラビティ社とブレイクスルー社が持てる技術と資源をつぎ込んでコピーに成功した。生産自体は南海大島戦終了後から始まっていたが、防衛省の調達数は開戦までに4機である。

 両社は「戦争する気があるのか!」と防衛省に怒鳴り込み、追加で2機の発注が決定された。防衛省に見切りをつけた両社は蜀に売り込みをかけ、何とか利益を出すことに成功する。


陸自無人機部隊

 偵察から攻撃、ちょっとした輸送まで行う新部隊。ドローンによる戦場デリバリーで有名となる。戦闘ヘリ(主にAH-3)の調達予算を食いつぶした部隊であり、この分野で国は完全無人機化を目指している。現在の戦闘ヘリ部隊は無人機に使用される通信回線の問題で生きながらえているにすぎない。


 永らく、自衛隊装備は退役後廃棄されており、人員と共に継戦能力の無さに拍車をかけていた。しかし、世界情勢の変化に伴って黒霧発生以前から74式戦車やMLRSなど、旧式装備の保管管理がなされている。



●新兵器 海自編


ミサイル護衛艦「ふそう」「やましろ」

 「いずも」級の次級として開発されたものの、黒霧の発生によってスクラップになる予定だった。転移後は新状況に対応するため、アーセナルシップに改装される。改装を突貫工事で行ったため、艦各所に欠陥を抱えている。


ミサイル護衛艦「あまぎ」「あかぎ」

 始めからアーセナルシップとして開発された艦型。「ふそう」と「やましろ」に見られた欠陥の大半が解消された。しかし、根本的に「海上の弾薬庫」であるため、乗員からは「重雷装艦の再来」と恐れられている。

 海自初の核搭載艦であり、初代艦長「楠木 日夜野」によって使用される。


揚陸艦「ながと」級

 アメリカ級を目指して開発された艦型。瘴気内への自衛隊派遣用に開発が始まったとされているが、後に大陸への上陸作戦に転用される。F-35b用のプラットホームとしても期待されており、「かが」喪失後に穴埋めとして利用される。


無人護衛艦コルベット級

 パンガイア連合海軍へ数で対抗するべく開発された艦型。別名「雑木林シリーズ」。主砲は76㎜×1、MK41VLS×2、seaRАM×1、対艦ミサイル8発(前期型90式、後期型17式)にヘリ甲板と、小型艦とは思えない重武装をしている。全長は100mほどであり、ミサイル艇の類ではない。勿論、艦としてのバランスが悪い。

 極限まで量産化にこだわっているため、小規模の造船所でも建造可能。


無人護衛艦フリゲート級

 コルベットの発展型。別名「動物シリーズ」。主砲は127㎜を採用し、この艦型もバランスが悪い。艦が大きくなってしまったため、費用がかさんで使い捨ての艦として生産し辛くなった。


攻撃型潜水艦

 巡航ミサイル搭載型通常動力艦。新型蓄電池システムを搭載し、ステルス性を活かして各国沿岸に出没し、巡航ミサイルで地上施設を無差別に攻撃する。

 潜水艦は日本防衛の要として密かに量産され、開戦時には旧式の「おやしお」「そうりゅう」型を含めて40隻体制を構築する。



●新兵器 空自編


F-2C

 蜀軍供与兵器。様々な装備が搭載できる万能機。主に白狼族が搭乗するため、コクピットは獣人専用に改造されている。

 派生型として在日米軍用のF-2C改、ジアゾ海軍用F-2CⅡがある。


F-15GJ「グールイーグル」

 転移前に黒霧観測用に改造されたF-15をもとに開発された機体。試験機の色が濃い初期型、量産が始まった中期型、量産特化の後期型に分かれる。

 中期型までは人間の乗るスペースが設けられている。これはハッキングなどの、無人機特有の弱点が狙われた場合の処置である。通称「ノーマルグール」

 後期型は人間の乗るスペースも削除された量産特化型である。それまでの不具合も解消され、三菱とブレイクスルー社が空前絶後の量産体制を整えた。相手への威圧として、機体先端を敢えて赤く塗りつぶしている。通称「クリムゾンヘッド」

 パンガイア連合空軍はノーマルグールを落とせば落とすほどクリムゾンヘッドへ置き換わっていく恐怖を味わう。


XAC-130

 輸送機を改造した米国のガンシップ「スプーキー」を模して開発された試作機。本家の装備と異なり、主砲は74式戦車の105㎜ライフル砲を搭載し、40㎜機関砲の替わりに89式FVの35㎜を搭載している。

 試作機の中でも試行錯誤が繰り返されている装備であり、性能不足から105㎜ライフル砲が105㎜榴弾砲に、105㎜榴弾砲を対地ミサイルにと頻繁に装備が変更されている。


ドラム缶式航空爆弾

 蜀において、木人に使用された新型航空爆弾。軽油やガソリン等、異なる燃料を現地の隊員が目見当でブレンドした液体がドラム缶内に注入されている。ドラム缶の口には発火装置が付けられており、地面に叩きつけられた衝撃で作動する。

 入手が容易で現地でも生産できることから、南海大島攻略戦でも使用され、大きな戦果を上げた。


SMF-1「ワイバーン」

 晴嵐エアドックが開発中の次世代機。

 転移前はF-3になる予定だったが開発は中止され、独立した晴嵐エアドックが細々と開発を続けていた。

 「令和のゼロ戦」と期待されていたが「何時までゼロ戦を引きずってるんだよ!」と、社員はそのあだ名を嫌がっている。

 防衛省は既に時期戦闘機開発計画を決めており、ワイバーンがF-3と呼ばれることは無くなった。

 会社は既存技術の後追いを止め、魔法技術の導入に踏み切る。

 開戦時には、パイロット次第で鳥機後期型並みの魔法戦が可能となる。

 主に安室とゼーリブの搭乗機体である。


●勢力


鴉天狗

 日本最古の歴史を持つ宗教団体。その昔、海を渡って日本列島にやって来た。どの宗教に属しているかは察しの通り。現在の組織は東北・北海道、関東、中国、四国、九州の5区域に分かれている。それぞれの組織には「大烏」と呼ばれる大幹部が3人存在していて、大きな問題が発生した場合のみ全国の大烏達が集まって会議を開く。大烏の下には12人の部下がいて、更に下には・・・と続く。

 神が現れるまで世界の表舞台に出る事は無いため、影を潜めていた。

 構成員は無国籍者であり、偽名を使用して生活しているが、この方法では通用しない世界に来てしまった事で大変革が起きようとしている。

 鴉天狗の序列は大烏がトップとなっているものの、最高位は「預言者」。預言者は特殊な能力で神の神託を受けられる者だが、一族が日本列島に到着してからは現れていない。

 鴉天狗は裏の顔である。しかし、表の顔も一般人には馴染みがない。大烏と預言者の間には日本人なら誰でも聞いたことのある役職「○○」がある。この役職は物語には絶対出さない。

 一族の女性のみ、特殊な能力を持って生まれてくる者がいる。

 能力を持って生まれた子供は全て「ナギ」と呼ばれ、組織が厳重に管理している。これは太古の昔、日本にまだ妖怪がいた時代、ナギが生贄として重宝されていた頃から続いている。

 大小様々な企業を有していて、資金と情報源になっている。

 現在は鴉天狗の部隊が表立った活動を行っており、その活動内容だけ見れば「悪の組織」と捉えられてしまうだろうが、組織の目的は日本の存続である。

 関東の鴉天狗は積極的に海外調査を行い、倭国にて支族の特徴を持った一族に出会う。後に血の同盟が結ばれる。

 目的は名も無き組織と同じに見えるが、存続の対象が「日本国」と「日本」で異なる。名も無き組織のメンバーは鴉天狗のことを皮肉を込めて「愛国者達」と呼ぶ。

 国は組織の全容を把握できていないが、構成員は15万人以上と推定している。



預言者について・・・

 月夜野 楓は鴉天狗に伝わる伝承を調べるうちに、最初の預言者が「人間ではないのでは?」との疑問を持つ。預言者の姿が描かれている伝承には、豊かな髭を生やした厳つい男性が描かれているのだが、頭には角のような物体が生えていた。鴉天狗では装飾品か髪型との見解が出されているが、楓が預言者に抱く疑念はそれだけではない。

 その昔、迫害を受けていた一族は、国王によって国外追放を命じられ、生まれた土地を離れて約束の地を目指した旅に出る。しかし、突如気分を変えた国王は皆殺しを軍に命じる。

 当時世界最強とも謡われた軍が背後まで迫り、絶体絶命の状態に陥った一行だったが、預言者が軍の前に立ちはだかった。地球では自然現象によって軍から逃げきったとされているが、鴉天狗の伝承には「預言者が拳で軍を撃退した」事が書かれている。

 預言者は一族の女性にとてもモテていた事が記載されているが、120歳で亡くなるまで現役だったそうだ。紀元前の人間が120年生きたとは考えにくい。

 伝承には、預言者があまりにも長生きしたため、神は彼の魂を天界へ導くべく、預言者へ神託を与えたとの記述があるのだが・・・預言者は天界行きを拒否。困った神は天使へ預言者の魂を天界へ連れてくるように命じる。

 天使という高次元の存在が預言者の前へ現れて神の言葉を直接伝えたのだが、預言者は断固拒否。根気よく説得を続けた天使は、遂に説得を諦めて実力行使へ移る。

 人知を超えた存在の力は絶大であり、どの様な人間であっても死は免れない・・・はずだった。天使と預言者は死闘を繰り広げ、預言者が天使を撲殺する結果となる。

 楓は神に対して揺ぎ無い信仰心を持っているが、預言者に対しては疑念を抱いている。


 この預言者は本編にはほとんど出さない。倭国の魔王3人を返り討ちにできる程度の実力を持った人間。


ナギ

 鴉天狗で特殊能力を持って生まれた女性の事を指す。選民思想が強い鴉天狗の中で、輪をかけて選民思想が強い。

 超女軍団。

 鴉天狗最古の書物にも記載があるほど歴史は古く、始まりは謎に包まれており、組織内では神官や巫女といった立場の人間である。

 能力は「超高精度探知機」と言える魔力探知能力だが、転移の影響で多種多様の「術」や「スキル」が確認されている。

 大昔に生贄として重宝されていたことが今も尾を引いているようで、ナギは中々社会に出してもらえない。鴉天狗の方針は「貴重なナギ」の保護に偏っていて、戸籍作成禁止、就職禁止、進学禁止、外部の人間との結婚禁止など、数々のルールで彼女達を縛っている。

 今はかなりマシになったが、「女性は男性の下にあるべき」との考えがある。性交の際に「騎乗位は禁止」等の事細かいルールもあるが、真面目に守っているのは歴史ある家のナギだけであり、多くのナギは守っていない。月夜野の母娘に至っては全く守っていない。


ナギ(白毛鬼)

 アルビノに見えるが白変種。現在は生まれても直ぐ処分されるため、育てられたのは平安時代に江崎家で生まれたナギだけ・・・ということになっている。

 彼女は見た目と魔力の高さから、物心つく前に有力妖怪の生贄として育てられたが、12歳で生贄に出される直前に逃げ出して行方不明となる。

 江崎家は内密に捜索するが見つからず、付近では住人の失踪が相次ぎ、住人達が江崎家に妖怪退治を依頼する事態となる。勿論、犯人は逃げ出した江崎家のナギだった。

 彼女は夜間に行動し、目撃した住人は彼女を白毛鬼と呼んで恐れるようになる。

 住人の依頼から半年後、江崎家では手に負えないと判断し、鴉天狗は退魔集団「蛇」に追跡と調査を依頼して彼女の居場所を突き止めることに成功する。

 行動調査の結果はおぞましいもので、彼女は付近の子供や若い女性を誘拐しては殺害し、抜き取った血で体を洗う異常行動を繰り返していた。その後、「蛇」によって殺害される。

 あまりの出来事に、江崎家と大烏達は事実を一部の者にしか公表せず、アルビノや白変種は生まれた瞬間に処分との取り決めだけつくられた。

 白毛鬼はヒトとは思えない程強く、楓でも武装しない限り勝機はない。


 今後は楓の幼馴染の白沢紅葉、赤石桔梗、江崎依瑠が登場予定。戦後シリーズに古代文明マニア3人組がスーノルド帝国大学へ留学する。




●登場人物


総理、前総理

 2人は水と油のような関係だが、協力できるところは協力する新世代。一方、国民にとって理想の案でも、全て反対する旧世代議員がいる。

 現在、作者は総理の名前を考えている。


落合 護おちあいまもる

 センジュウロウが日本に飛来した際に対応した自衛隊員。センジュウロウとの出会いは定年間際に訪れた最大の大仕事となった。


10式戦車の3人組

 倉田車長、操縦手の(ヨン)、砲手の田中。倉田は経験豊富な戦車乗りで、若造の面倒を見ている。龍は在日朝鮮人、家族親族は全員半島へ避難したが、彼だけは日本に残った。

 田中・・・草食系男子。北海道にて恋人ができ、パンガイア戦が終わったら結婚する予定である。赤羽利子とは従兄の関係。


草薙教授

 大学の教授であり、植物学者。蜀へ木人の調査に行き、そこでパラスと出会う。大学は軍事に協力するべきでないとの考えを持っているが、かなり協力してしまう。


福島

 外務省の重鎮。戦争否定派であり、あらゆる手段を講じて戦争回避に動いている。コクコと裏で繋がっているが、戦争回避の為ならばコクコを裏切り、倭国を生贄に捧げる考えを持っている。無色の派閥とも太いパイプを持っている。


菊池

 元陸自のレンジャー。転移後に発生した魔物との戦闘、南海大島攻略戦に参加した歴戦の隊員だが、南海大島で民間人を誤射してしまい自衛隊を去る。その後、復活を果たした彼は南海大島へ渡り孤児院の教師となる。

 卒業した孤児達が次々に外人部隊へ入隊する中、菊池は大きな決断を行う。


楠木(くすのき) 日夜野(ひよの)

 海上自衛隊に所属するナギ。鴉天狗とは縁を切っている。真名「月夜野(つきよの) (ほたる)」。兵器内にいれば、レーダーに探知された物体の魔力性能が全てわかるチート能力の持ち主。

 鴉天狗におけるナギの存在と扱いに疑問を持ち、「自由に生きる」ために破天荒な行動に出る。数々の問題を起こし、組織のトラブルメーカーと言われるようになるが、それは月夜野家が近代になってから誕生した歴史の浅い家だからこそ。また、蛍は親戚であり、鴉天狗でも古い歴史を持つ白沢家と親交があり、大烏の1人にも気に入られていたため、ナギを取り巻く壁を次々に崩していった。

 娘が生まれて直ぐにもかかわらず、組織の歴史調査で中東へ出かけた夫が行方不明になり、育児を放棄した。

 倭国の調査を行うことで、大妖怪を格付けする「ナギスケール」を作る。鴉天狗を去ったとしてもナギ同士の繋がりはあり、組織の協力者もいたため、このスケールは直ぐに広まった。

 海上自衛隊第1艦隊のトップとなる。


門倉

 陸自所属の名も無き組織構成員。自衛隊の組織運用、装備品に大きな懸念を抱いている人物。軍事組織として行動を起こすには余りにもぎこちない自衛隊を、何とか最小限の被害で済むように奔走する。結果、民間人の大量殺傷を行える人物として、名も無き組織に一目置かれる。


上杉健志郎(うえすぎけんしろう)

 環境省職員の名も無き組織構成員。組織のトップとされている。感情を持っているものの、周囲は彼を機械と見る・・・というよりも仕事を淡々とこなす姿は機械にしか見えない。

 善と悪、正義に真実といった物は時代とともに変化すると考えているため、手段を択ばず国家の存続のみを追及する。

 名前の元は、世紀末世界で暗殺拳の継承者を主人公とした漫画からとられ、父が名付けた。


赤羽利子(あかばねりこ)

 初登場時は高校生。転移の影響で先祖返りを起こした妖怪(魔族)で、先祖返りの影響で使い魔の「触手」が生まれる。自身の変化に対応するため、内向的な性格が少しずつ変化してゆき、魔法を身につけるために南海大島へのボランティア活動に参加する。南海大島で、運命の(ひと)である白石小百合と出会う。

 基本的に優しくおっとりとした人物。本人は気付いていないが食人の気質がある。

 南海大島で魔法の素質を開花させた事で、国からスーノルド帝国大学への留学生候補に推薦される。推薦期間で世界と魔法の知識を身につけるため倭国へ留学するが、入国に関して問題が判明し、人間を辞める決断をする。

 南海大島で遭難後のナギスケールは下の中。この時点で下級妖怪を素手で抑え込める力がある。また、38口径の拳銃では彼女に対して有効な武器とならない。


赤羽利子 魔族バージョン

 触手と融合した事で、触手と同じ肉体となる。性格は更に開放的になったが、基本は変わらない。魔抜けではなくなったが、間抜けには変わりなかった。

 強力な物理攻撃耐性と魔法耐性を誇るが、真価は異常な再生速度にある。手足の切断どころか、脳を粉砕しても記憶を維持したまま再生する。あらゆる毒物、劇物にも高い耐性を持つが、北海道大学の研究で耐性ではなく適応との結果が出る。大学では数々の愉快な人体実験が行われた。

 唯一の弱点は複合魔法であり、クリード系兵器や追尾光子弾を何の防御手段も講じていない状態で直撃させた場合、即死させることが可能。

 幾何学模様の独特な魔法回路を持つ。瘴気内には利子と同じ種族はいないが、パンガイア大陸には同族であるクジョー族がひっそりと暮らしている。外伝では腐国にあるクジョー文明の遺跡に侵入し、クジョーの高度な先進機器を現代っ子の利子は勘とノリで使いこなしながら入国に成功する。

 スーノルド帝国大学にて、運命のひとに出会う。

 魔族だが、魔法の成長速度は人並みのため、優秀な学生が集まる大学で苦労が絶えない。一方、チート級の能力を持つ白石小百合が大学内で優秀な功績をあげていたため、コンプレックスを抱くようになる。

 ナギスケールは中の上。この世界の大半の生物を捕食することができる。

 鴉天狗における利子の扱いは危険な大妖怪で討伐対象。攻撃されないのは国が止めているだけ。

 白石小百合は数年間共に暮らしたことで、利子を無害な妖怪として組織に認めさせようとするものの、大学卒業間際に利子が人間を食べていたことが発覚して諦めることとなる。利子は人間と認識した者を基本的に食べる事は無いが、食べて良いと判断した場合は食べてしまう。

 大学卒業後、利子は人間ではなく妖怪として生きるようになる。


白石小百合しらいしさゆり

 鴉天狗に所属するナギ。真名「月夜野つきよの かえで」。利子とは同い年。月夜野 蛍の娘である。親が育児放棄し、親戚の白沢家で育てられる。

 白沢紅葉(しらさわもみじ)とは姉妹のように育てられた。

 転移の影響で「糸」が出せるようになる。

 産みの親の影響か、鴉天狗内のトラブルメーカーとなっている。彼女の暴走を止められるのは、幼馴染の白沢紅葉か許婚の白石零だけである。

 男癖が悪く、気に入った男性を見つければ直ぐに関係を持つ。

 組織のナギに対する扱いに納得がいかず、現状を変えるために動いているが、これと男癖の悪さがトラブルの主な原因である。

 赤羽利子と出会い、妖怪の世界に足を踏み込むこととなる。その結果、妖怪との共存を模索する。

 無謀な行動をしているように見えるが、本人は計算し尽くして行動をしているつもりである。自分が設置した罠に自分でハマる程度には計算している・・・

 人間ではなくなった利子を見て衝撃を受けた小百合は「どうすればナギが魔族に勝てるか?」を全力で研究する。

 帝国大学にて多くの知識と武器を手に入れた小百合は、大妖怪「赤羽利子」に挑戦する。

 Xに投稿したイメージ曲にある「あなた(利子)は太陽、私は月、光と闇が交わらぬように」のとおり、属性は月。


安室隼人(あむろはやと)

 晴嵐エアドックの整備士兼パイロット。年齢=彼女いない歴の中年男性。動植物好きで、特に花を愛でているが、子供の頃、犬に追いかけ回されたのが原因で、犬には若干苦手意識を持つ。

 祖父の代から開発が進められている試作機のテストパイロット。

 魔法の素質と空気を読む特殊能力がある。スキルは「融和」と「同化」。

 自衛隊員ではないが、開戦時には特尉の階級を与えられ3機のグールイーグルを率いて戦闘に参加する。


平間(外務省職員)

 代々国家公務員を輩出する平間家の人間。既に一族の記憶から忘れ去られてしまったが、鴉天狗に飼いならされ、共に妖怪と戦った半妖の一族である。

 国民データベースに登録されている種族は人狼。現在は一族の半数以上が狼の姿に変身できる・・・が、1人を除き全員仕事が忙しすぎて変身スキルは死にスキルと化している。

 不測の事態を想定して「死ににくい」平間が最初期から現在に至るまで蜀へ派遣され、外務省の活動を行っている。その過程で蜀皇帝に正体を見抜かれ、一目置かれることとなる。


平間(栃木県の某自治体職員)

 平間家きっての問題児。家族、親戚からは「一族の面汚し」と呼ばれている。どこかで裏の主人公をしている。

 世論が人外の国民を受け入れるか否かで分かれ、否定派の中には「発見次第駆除」を掲げる狂信者集団までいたため、協力的な人狼達と力を追わせて新しい社会を築き、自分達を国に認めさせようとした。

 同族の仲間達と協力して鴉天狗の猛攻を耐えていたが、最後は仲間達と作り上げた集団を解散せざるを得なくなる。その後、個人で鴉天狗への復讐を行い、江崎依瑠を完膚なきまでに叩きのめした。

 事実婚状態の同居女性との間に子供が出来たことで籍を入れるが、直後に妻の妹とも子供を作ってしまい、職を失う。裁判に勝てるわけもなく、慰謝料と養育費を工面できずにいた平間の前に、妻は満面の笑みを浮かべて赤紙を差し出した。

 大陸への逆侵攻時、1人だけ敵支配地域に取り残される。その後、部隊の仲間とはぐれた自衛隊員(本編で既に登場している人物)1人と、トウテツのメンバー1人と合流し、3人で命がけの脱出をはかる・・・嘘です。このメンバーが国際法を順守し、崇高な倫理観を持っているわけがなく・・・

 敵支配地域という事は現地には集落や街があるということです。話のタイトルは「エンジョイ・アンド・エキサイティング」。



鴉天狗関係者


白沢紅葉しらさわもみじ

 古くから続く家系のナギで、ルールを頑なに守るまじめな性格。特殊スキルはナギを凌駕する探知、分析能力。基本は臆病なのだが、ナギの重要な仕事を張り切って引き受け、何の備えもない状態でコクコを見てしまう。幼馴染で集まった時に、現在は外を歩けるまで回復したことを伝える。

 楓とは姉妹のような関係。


赤石桔梗あかいしききょう

 古くから続く家系のナギ。武家に近い家柄のためか、身体強化スキルが使えるようになった。強化したところで下級妖怪にすら劣る。そもそも接近戦にナギが投入されることは無いので死にスキルである。

 家の反対を押し切って大学に入学しており、学費を風俗店で稼いでいる。

 4人で集まった時、秘密裏に大規模な作戦を進めていた依瑠に愚痴を言う。


江崎依瑠えざきえる

 鴉天狗最古の歴史を持つ家のナギ。重度の薬物中毒者。組織の外では峰岸(みねぎし)恵梨香(えりか)として生活している。黒髪ロング、長身で顔立ちが整っているのに中毒のせいで台無しになっている。大烏と両親以外の家族、幼馴染であるナギ3人にも隠しているが、白変種であり、髪を黒く染めている。薬の影響で痩せているように見えるが脱げば肉付は良い、握力が150㎏あるので、大烏達でも人間と見ていいか意見が分かれている。

 楓が留学する前に彼女達が集まった時、依瑠は手なずけた半妖を皆に紹介しようとしたが、楓が大妖怪を手なずけていたため紹介を諦める。また、楓にある調査を依頼する。

 最近まで自分が妖怪であることを否定していたが、人狼に捕まり暴行を受けたことがきっかけで半妖として生きる決意をする。

 ナギとしての特殊スキルは「未来視」。どこかで主人公をしている。


仁科真月にしなまづき

ノクターン版

 恵梨香の1年下の後輩。引っ込み思案、低身長、眼鏡、図書委員と、絵に描いたような地味キャラだが、本性は草食風肉食女子。家には父と二人暮らしであり、東京で働く兄がいる。自分の心と体にコンプレックスを抱いている。種族は人狼。保有スキルは「猟犬」。着痩せするタイプ。

 依瑠に北海道大学へ連れて行かされた際、同じく先祖返りした年の近い女性がいた事に感銘を受けた赤羽利子に全力でハグされ、トラウマとなる。

なろう本編

 高校卒業後、東京の大学に通いつつアスラ警備保障に務める。ちなみに、都内のアパートで恋人と同棲している。

 仁科家は鴉天狗には属していない一般人だが、真月は組織に引き抜かれた一般人である。




【魔女の脅威】

 屠殺島攻略戦のユース達を見てもらえば分かるとおり、利子が暴発させた「魅了」が恐ろしいほどに効果を発揮しています。この効果は対象が死ぬまで持続するので質が悪いです。

 日本だからこそ利子は犯罪者になりませんが、諸外国の場合は「魔女」に認定されます。


 戦後50年の東京をエピローグで書く予定ですが、数人の魔女(魔族化したナギ)が大暴れしています。彼女達の主張は次の通り。


「魔都「東京」は選ばれし者の手にあるべきだ。」


 魔女への対抗としてアスラ警備保障が警視庁に合流した「武装警察」が組織されますが、その面子も大妖怪だったり魔族化したナギなので、治安は何とか維持されています。

どんどん加筆していきます。

疑問に思った事、不明な点があれば感想に書いてい下さい、可能な限り反映させます。

次回は倭国の説明ですが、物語を先に進めるかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本編では語られていない設定が書かれていて、物語の背景がより理解できました!
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