幸子9
幸子忍者隊は、魔法もとい、忍法を着々と習得していった。
『幸子様、見てください』っと、
忍装束、1、2、3が手をあげると、鉤縄を持ち城壁を登って行く。そして、登りきると、屋根から屋根へと走り出す。
また、忍装束4、5が影から影を渡り歩き、標的目掛けて手裏剣や吹き矢を飛ばす。
さちばぁさんは、あまり目が良くないが、雰囲気を読んで、おーっと拍手をしている。
勇者ヨシツグは唖然として見て言った。
『忍者って、今で言うスパイじゃなかったっけ?本当はこんなことしないよね。』
『はて、そうじゃったかのう?わしゃ、分からん』とさちばぁさんは高笑い。
遂に、勇者ヨシツグの準備も終わり、邪神教の拠点がある国へ行くことが決まった。
また、出発前に、土地勘のある人も必要だと考え、冒険者ギルドに案内役兼護衛の依頼をしていたが、王国最強のSランクハンターが選ばれてやって来た。
『ヨシツグ様、幸子様、Sランクのエースです。よろしくお願いします。』
エースさんは、背が2メートル近くあり、筋肉ムキムキであちこち傷跡がある。背中に大きな剣をかけている。
『エースさんよろしくお願いします。僕の方が年下なんだから、敬語はいりません。ヨシツグと呼んでください。』
『ホッホッ、ワシのことは、さちばぁさんと呼ぶとよい』
そして、さちばぁさん、勇者ヨシツグ、エースさん、忍者隊は、邪神教の拠点があるというタナーリア神国へ向かうことになった。