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幸子13

サッと、さちばぁさんはヨシツグの腕にすり寄った。『おお、義則、来てくれたんか』

『はい、さちばぁさん一緒に帰りましょう。えっと、この方達は?』

『おお、この浮気者達は、わしを慰めてくれとったんじゃ。』

『浮気者?え、さちばぁさんナンパされてたの?』

冒険者3人組は一斉に立ちあがり『『それはない!!』』と叫んだ。

『迷子だと言ってたから話しを聞いてたんだ。』

『ハハ、そうですよね。それは、ありがとうございました。』

『じゃあ、浮気者達よ、またな。』

『だから、浮気者呼びはやめてー!』

冒険者達と別れ、さちばぁさんは本日の宿に戻った。



エースがこの宿の食事は美味しいと言っていたとおり、天ぷらや煮物、茶碗蒸し、ステーキなど和洋折衷料理がたくさん出てきた。さちばぁさんは小鉢の牛肉の煮こごりが気に入ったようだ。

『新婚旅行で義則と食べた味じゃ。このプルルンとした食感が懐かしいのぉ。』

『それは、健さんが特にこだわったメニューです。故郷の味だとか。』店員さんがエースにエールを注ぎながら教えてくれた。

『健さんという人は日本人なんですか?それだったら、僕たちも同郷です。』

『え、そうなんですか?ちょっと声を掛けてみますね。』

店員さんは、少し急ぎ足で厨房の方へ歩いていき、『健さ~ん、出てきて下さ~い!』と声を掛けている。

ヨシツグ達が懐かしい日本の味に舌鼓を打っていると、着物にたすき掛けをし、白い前掛けエプロンを着けた50代位の体格の良い男性がやって来た。

『日本の方というのはあなた方ですか?』

『はい、健さんですね。僕はヨシツグで、此方が、』

『わしゃ、村上幸子じゃ。さちばぁさんと呼んでくれ。』

『おお!私は松本健二です。日本の方は貴方達が初めてです。2年程前に西洋の人が食べに来てくれました。』と、健さんはヨシツグとさちばぁさんに握手をしている。

『健さんはどうやってターヘンターにやって来たんですか?』

『私は、日本料理を色んな人達に食べて貰いたくて、国々を旅していたんです。しかし、旅先で船の事故に遭いましてね、海に落ちて気を失った後に目が覚めるとここに。』

『そうなんですか、大変でしたね。』

『はい、でも、この世界に日本食を広めれるチャンスだと思って頑張ってますよ。それに、この年ですが、妻が出来ましてね。』健さんは厨房の方を向き、幸せそうに微笑んでいる。

『旅先での出会い、ロマンじゃなぁ。』と、さちばぁさん。

『ヨシツグ君とさちばぁさんは、何故この世界へ?』

『わしらも旅行中じゃ。新婚旅行を思い出すなぁ?義則。』

『ええっ、お二人はご夫婦で?』健さんはかなり驚いている。

さちばぁさんはそうよと頷き、ヨシツグは首を全力で降って否定している。家族みたいなもんだと、エースが笑いながらフォローしてくれた。

健さんは店員さんに声を掛けられ、厨房へ戻って行った。


さちばぁさん達も夕食を食べ終わり、フロントに声を掛ける。水不足になっているそうで身体を拭くタオルとお湯は有料だそうで、さちばぁさんはじゃぁいらんと断ったが、ヨシツグがそれはダメだと二人分の桶をもらって部屋に戻った。身体を拭きスッキリしたところで、この国について話をする。

ギルドなどで聞き込んだ結果、ナスアゲル国内では、ユーミ様と言う神様を奉っている宗教団体があるらしい。

『アーミ様の妹のことだよね』

『そうだな。ルートヘンター王国の時みたいに何か起こそうとしてなければいいんだか。』

とヨシツグとエースは話し合っていると、そこに忍者隊隊長の壱の助が天井からやって来た。




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