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幸子11

ルートヘンター王国から西に進むと、ナスアゲル国、ミミジック連合国、タナーリア神国と続く。


さちばぁさん一行は、現在ナスアゲル国に向けて馬車をとばしている。


さちばぁさんは馬車の中で気持ち良さそうにうとうと居眠りをしていた。急に馬車がガタガタと揺れだし、さちばぁさんの鼻提灯が割れ、はっと目が覚める。

隣に座っているヨシツグの服の袖を掴んで話しかけた。

『義則よ、ここはどこじゃ?家に帰りたい』

『大丈夫、今は旅行中だよ、観光を楽しんだら帰ろうね』

さちばぁさんは一度眠ると最近の記憶が殆んどなくなる記憶障害がある。ただ、夫の義則さんがいつもフォローしてくれており、分からない場所に居ても義則さんが大丈夫と言えば大丈夫なんだと安心し、いつもの調子に戻るのだ。

城に初めて泊まった日にヨシツグと別々の部屋で寝てしまい、朝起きると『知らない場所だ、ここはどこじゃ』と徘徊迷子になり、城の人総出で探す大騒動を起こしたことがある。それからはヨシツグが常に一緒にいる。

さちばぁさんは馬車の窓を覗くと、綺麗な夕日に照らされた一面の野菜畑が見えた。

馬車は農道の様な所を走っている。

『だから急に揺れだしたのか。さっきまで整備された道を通ってたんだよ。』

『そうか、あの野菜はナスじゃな。あのナスはイキイキしてないようじゃ。』っと、2人で話していると、

『さちばぁさん、ヨシツグ! ナスアゲル国にソロソロ到着するぞ』と、御者の隣に座っていたエースが声を掛けて来た。

ここまでの道のりは整備された道を通って来たのでモンスターも殆んど出てこず、時たま出てきても、忍者隊やエースさんが素早く倒してくれていたので何事もなく到着出来た。

ナスアゲル国は土壌や気候が農業に適していることから、食料輸出国として有名だ。また、最近異世界人が来たとかで珍しい食べ物も多いとのこと。



さて、ナスアゲル国に入り宿も決め、とりあえず冒険者ギルドに3人で行く。

エースはナスアゲル国でも有名で、ギルド内の人達は尊敬の眼差しで見つめる。ただ、隣にいるさちばぁさんを見るや、『婆さん?』と首を傾けていた。



さちばぁさんは、旅をする前に入国しやすいとのことでギルドカードを一応作っているが、ランクは一番の下のFランクのままだ。

ヨシツグは旅の前に何度かギルドに通い、ランク上げの試験を受けBランクまで飛び級で上げている。エースは期待の新人だとヨシツグをギルド職員に紹介し、最近変わったことはないか等、情報収集を行っている。

さちばぁさんはする事もないのでギルド内の待合所で緑茶とどら焼を懐から出し、おやつタイムだ。

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