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九話 究極の闇魔


「私、大きくなったらガーディスのお嫁さんにになるの!!」



少女はそう言いガーディスの方を向いた。とある公園で、それはこの世界に来る前、まだ幼いころのガーディスともう一人の少女が公園で遊んでいた時のことだった。そのガーディスと同じぐらいの年のピンクの服を着た少女はそう言いにっこりと笑う。だが8歳のガーディスは「およめさん」という意味がわからず、ガーディスは頭に疑問符を浮かべる。その少女は少し照れながら顔を近づけてくる。ガーディスは近づけてきた顔をまじまじと見ている。その少女は近づけた顔を遠ざけていく。その顔は少し不満そうだった。



「ガーディスのおよめさんになるんだよ!絶対!!」


「う、うん」



お嫁さんというのが結局よくわからないまま、ガーディスはそう返事をする。そう答えるとその少女は嬉しそうな顔で小指を出し「そう!!だから、指切り!」とだけ言った。ガーディスも小指を出し、その小指を繋ぎ2、3回と手を上下に揺らした。そしてこう2人でその手の動きに合わせてこういうのだった。



「ゆーびきりげーんまーん」



その叶う事のない指切りをしながら、その少女はずっと笑っていた。


ーー


ガーディスはアリスを見て昔のことを思い出していた、お嫁さんになる!と言っていたガーディスの幼馴染、ニアのことを。あの時の公園、あの時のピンクの服、あの時の笑顔、そしてニアが死んだあの時の光景...。今でも鮮明に残っている。そしてニアが死んだあの日のことも...。アリスがどこか二ア似ていたのかもしれない。自分のどこかでニアと重ねていたのかもしれない。



「あなた...その武器が危険だって言う事が分かってるの?」



「ああ」



「じゃあ、なんでそんなものを?」




アリスのその質問に、ふーっと息を漏らし剣を取り出す。そしてガーディスは、語り始めた。死んだ幼馴染の為に「強さ」をを手に入れヤツを倒すのだと。



「俺はこの世界に幼馴染とやってきた。



「幼馴染と..?」



「もちろん最初は困惑したがクエストをきなしていくうちに慣れ全てがうまく行っていた!あいつ...聖竜ヴェルドラード..あいつ現れるまでは」



「そ、それって!!」



誰もクリアできてないという聖龍バルトラードの討伐クエストは「難攻不落のクエスト」と呼ばれていた。。聖竜は近くにあるもの、それが人間だろうが建物だろうがなんだろうがすべてを破壊しつくすという恐ろしい竜だ。ピロンやバニア達と対峙したときに乱入してきた時は突然姿を消し助かったが、あのままだったら壊滅することだっただろう。そしてクリア不能のクエストクエストを受ける猛者も現れるが難攻不落というだけあって、その聖竜を倒せたものはいまだにいない。むしろ生きて帰ってきただけでも奇跡だと言われるぐらいの者だった。



「突然現れたそいつは破壊の限りを尽くした!俺たちは逃げようとしたが..」




聖竜は逃げて行くガーディス達に簡単に追いついてしまい、その爪をガーディスにに勢いよく振り下ろしてきた。ニアは咄嗟にガーディスを突き飛ばす。突き飛ばされたガーディスは聖竜の爪がニアに突き刺さる光景を見て言葉を失い何も言えなかった。ニアはその場に倒れ血が流れてくる。ガーディスは必死にニアの名を叫び体を揺らす。ニアは最後の力を振り絞り緑の球体のようなものを取り出すとそれをガーディスに投げつける。

ガーディスにに当たったその球体はあっと言う間にガーディスを包み込み、離れたくないガーディスなんてお構いなしに聖竜から離れて行く。これは確か...緊急時に逃げるためのアイテム...だがニアが...ニアがまだあそこに残っているただガーディスは名前を呼ぶしかなかった。




「あれから俺は強さを求めた!あの竜をぶっ潰すためにな!そして今!!俺はこの究極の闇魔を手にいれた!ピロンやバニアといった竜に同じく大切なものを潰された仲間を増やした!」



「そんな強さは....おかしい。この武器はあなたを侵食していって死ぬのかもしれないのよ!?あなたまで死んだら意味がないじゃないの!!!」



「意味がない?もう幼馴染を失ってこの命なんぞ消えてもいい。大事なものを失った事のない奴が言ってもそんなものは上っ面だけの綺麗事に過ぎないからな」



「それは...」



くっと唇を噛みしめる。たしかに、大切なものを失ったことがないアリスがそんなこと言ったって説得力がないかもしれない。だが...だが...。だからと言って自分の命まで危険にさらして良いのか。



「確かにあなたの強さを求める理由は分かった。でもあなたがその剣で命を落とす意味には...ならない!」



「だったら、お前が俺の『強さ』を否定するのなら、それを証明してみろ!!!俺より強いということを!!」



「魔言われなくても!刀の雷!」



「スキル:黒魔斬刀!!!」



相手は剣に黒い渦のようなものを集めこちらに向けてくる。その渦はアリスの雷とぶつかり大きな衝撃が起こる。2つのスキルはぶつかり合い相殺され、アリスの雷が大きく散ってゆく。ガーディスは立て続けに剣での攻撃を行い、アリスはその攻撃を防ぐばかりだった。




「どうした!!まだ30%も出してないぞ!!!」



「なら...!」



「まだ30%ぐらいだぞ!!どうしたどうした!!」



「魔刀の雷!!」



もう一度スキルを放つがやはり簡単に避けられてしまう。アリスの放った雷は、後ろの岩に直撃すると岩を破壊した。それを見てガーディスは「おお」と言う声を出す。

はぁはぁと息を切らせるアリスが自分の剣を見ると剣からの光が強くなっているような気がした。



「せっかくだ。面白いもんを見せてやるよ」



そういうよガーディスの剣から黒いモヤモヤのようなものが出てきてそれはガーディスを包み込む。そしてしばらくして出てきたのは黒い瘴気を纏ったガーディスイだった。ガーディスは自分の姿を見て高笑いを始める。誰もが、ただそのバケモノのような姿を見ている。




「これが!!究極の闇魔!!闇魔を鎧のようにして剣と一体化し全てを無に帰す最強の力だ!!ははは!!」



「なんなの..?あれ」



「さあ、行くぞ!!!この力こそ、この強さこそが真!!あの竜をも破壊する!!」



「わかった。あなたを....あなたのその幻想を...斬る!!」

武器紹介



闇魔・黒衣


レア度★★★★★


究極の闇魔と呼ばれるガーディすの武器。その力は強大で取り込むどころか自分の鎧のように身にまとい戦うことができる。

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