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八十三話 世界創設士(ゲームマスター)



「どうです?私のゲームは気に入って貰えましたか?」



「私たちを...呼んだ?どう言うことなの?」



「いわばこれはゲームなのです。私はプレイヤーであなたはゲーム内のキャラクター。プレイヤーがキャラに少し教えれば動きは変わるでしょう。あなた達キャラクターが石を使い武器を当てて魔物と戦う。そのようなゲームです」



「本当に何を言ってるかわからないんだけど...」



「なら大型アップデートをする予定だったのでちょうど良いですね」



そういうとそのノアという女性はパチン、と指を鳴らした。だが特に何かが変わった様子もなく、アリスもテティも首を傾げている。ノアという人物はふふふ、と笑いながら髪を触りながらアリスの剣の所を指さす。アリスは剣を抜いてその剣の情報を表示させる。すると、今までになかったような凄まじい量の情報が追加されていた。


雷撃の閃刀 属性:雷


レア度☆☆☆☆


攻撃85(+20)

MP90

防御65 (+15)

重さ32(+10)



スキル

魔刀の雷閃光(消費20)

クールタイム:15s



「なんか色々追加されてるよ!属性とか攻撃とか!」



スキルを使うと減るマジックポイント通称MPやスキルを使った時に次に使える時間までも可視化されわかりやすくなっている。そしてスキルにもいくらMPが使われるかなどが表示されるようになっている。



「何これ」



「全てのプレイヤーに...アップデートの内容を!」



その武器の説明の次のページに色々と文字が書かれていた。



「攻はその武器の持つ攻撃力。防は武器で相手の武器の攻撃を防いだ時にどのぐらい耐えれるかです。攻が多い武器の攻撃を防の低い武器で防ぐと簡単に弾かれてしまいます。その逆も同じように防が高い武器で攻が全然低い武器で何回攻撃しても突破できません。重さはその通り重さ。これが高いと重く扱いがタ大変ですが攻撃力が高いものが多いです」



「この横のプラスは...」



「これは同じ武器を組み合わせて強くできるシステムを導入したのです。パワーアップ機能とでも言いましょうかね?そのパワーアップした時の上がる数値です」



「それからそれから?」



「ちょっとアリス!」



その声でアリスはハッとする完全に向こうのペースに呑まれていたアリスは完全に聞き入っていたのだ。



「すごく面白そうだと思ってしまった」



「あんたねえ...」



「素直なのはいいことですよ。後、新たに盾や、ほとんど手に入らなかった爪ももう少し入手難度を下げるのでね」



「おお!」



「アリス...」



まるでおもちゃを差し出された子供のようにアリスは期待の目でノアという人を見ていた。アリスはあっちの方に行くし、あまり期待できないだろうなあ...そんなことを考えながらテティははあ、とため息をつき「それで?」とノアの方を見る。




「あなたはそんなことして...何がしたいの?何で私達を呼んだの?」



「ゲームにはキャラクターが必要でしょう?」



「そんな!あんた!そんな訳の分からない理由で!!」



「いえ、そんなことしても無駄ですよ。帰るには必要なものがありますから」



「それって...?」



「まあ、それはそのうち分かりますよ」



「はあーっ!」



会話の最中にアリスが攻撃を仕掛ける。だがアリスはノアの向こう側へと行ってしまい攻撃が当たらない。アリスは近づいて体を触ろうとするが先程のように手は体を貫通する。



「これはホログラムのようなものなので無駄ですよ」



「ほんとだー」



ホログラムの体に剣を刺そうとしたり手を上下してみたりしながらアリスは興味津々に遊んでいる。



「いずれもう一度会う日が来るでしょうが、楽しみにしてますよ」



「あんたこの場所へは何しに?」



「もちろん、キャラクターの視点で楽しんでいるだけですよ」



そういうとノアは消えた。世界創設士(ゲームマスター)...一体何だったんだろうか。考えていても仕方がない、また進むことにした。誰かいないのかと少し進むがなかなか人に会えなかった。この館...と言ってももう色んなものたちが好き勝手してどこもかしくも破壊された館というか廃墟の状態になっているのだが。



「またまた住人はっけーん!」



そう言いながら向こう側からこちらを指差して近づいてくる者がいた。獣の耳、茶色い髪、ふさふさのしっぽ。ルナだ。初めて見る者はその獣耳のふわふわした感じの姿の少女は不思議に見えるだろう。



「この子...七天聖ってやつの序列1位!気をつけて!この子の杖はいくら攻撃を与えても杖の回復でダメージを上回るから!」



ゼロとの戦いを見ていたアリスはルナの杖の危険性は分かっていた。真正面から戦っても絶対に勝てる相手ではないと。だがもし何か策があり勝つことができればルナの武器は星7。手に入れば大きく進歩する。

左右にいたレフとライはまた職務放棄しているルナに声をかけた。



「ルナ様!今は星7装備回収が最優先では?」



「めーんどくさい」



「またサボってただのとヴェラード様に色々言われますよ!」



「いいよ、探してたけど見つからなかったって事で」



「ねえ、お取り込み中悪いんだけど。その武器もらっちゃっていいの?」



「いい訳ないだろう。何だ人間。あいつらの仲間か?」



あいつら...おそらくゲルムたちのことだろう。今は手を貸してる...という感じなのかはわからないがそういうことでいいだろう。アリスが「そうだよ」と答えるとレフとライは剣を抜く。



「ボクと遊んでくれるの?」



「遊んであげるっ!!」



アリスとレフ、ライが剣で攻撃をしあう。レフもライも強いという訳でもなくむしろ弱い方で、攻撃自体に隙がありすぎるぐらいだった。剣で右からくるライの攻撃を受け止め、弾いてから左からくるレフの攻撃を受けとめる。両側からくる2人にアリスは数歩下がり、どちらも狙える位置までいくと一気にスキルを叩き込んだ。



「魔刀の雷閃光!!!」



大きな音とともに雷は2人の方に行く。どう見ても当たった...のだがどちらもピンピンしている。よく見ると傷がどんどん癒えているのだ。



「なるほど、これは厄介ね。大元を叩けば!」



「ダメよ!あの大元の子も回復に入ってるから!」



「本当に倒しようがないのね...」



「どうしたそこの人間!もう終わりか!」



「アリスって名前があんのよ!」



そう言いながら攻撃をひたすらするが、いくらダメージを与えても傷が癒えてしまいダメージを受けなかった。どちらも回復し切るとルナは一旦回復をやめ、暇そうにしだす。



「もう一回!魔刀の雷閃光」



「無駄だとわかってる筈だろ!」



また直撃し大きなダメージを与えるがまたルナが回復をして無駄になってしまう。真正面からやり合っても絶対に勝てないのは先程テティが言っていたが本当に厄介だ。どうする...どうする...。



「こうなったら、とことんやりあうまで!」



「ルナ様は俺たちが守る!」



「ああ!俺たちを拾ってくださったルナ様を!」



「拾ってくれた?」



「ああ、あれは数年前...」



「いや聞いてないんだけど」



「今のは回想に入る所だっただろ。邪魔すんな」





✴︎


「邪魔だ!消えろ!」



足蹴りにされてレフとライは宿を追い出された。宿屋の魔物は同じ魔物だというのに怒ったような表情でレフとライを見て扉を閉めた。2人は魔物の世界でも異端として扱われていた。


「また宿には入れなかったか...」


「俺たち鬼は縁起が悪いだのなんだとと言われ敬遠されてきた」



「っ...寒いな」



雪も降り体が震えるほど寒くなってくる。どこか寝る所を探さないと...だがどこをいっても結局同じなのだ。2人で宿の前でお互いを温めながら丸くなる。このままだと...そう思っていた時だった。



「君たち、なにしてんの?」



たまたま通りかかったルナが見つけた。魔物の世界というだけあってその人間の姿に獣の耳や尻尾がついている姿は異様に見えてすこし警戒する。



「あなたは?」


「ボク?ボクはルナっていうの!一緒に行かない?」



「どうして...?」



「うーん、深い意味はないかなー。一緒に行きたいなーと思っただけ!」



それが全ての出逢いだった。レフもライも今思えばこれがなかったらおそらくどうなっていたのかわからなかった。



「行こうよー!!」



「でも...」



「いいから!!」




✴︎




「俺たちは...この日からこのお方に忠誠を誓う。この方は絶対に守る。

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