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七十一話 未来を覆せ!マックスヒーローズ!



テティはひたすら飛んでいく。飛びながらバニアたちのことを考える。逃げてどうする?あのままバニア達を見捨てていいのか?

自分は無力だ。だが無力だからと言って逃げて、見捨てて、諦めて何になる?



「私は...またそうやって見なかったことにしたら...っ!」



テティはそう呟きながらギルメラの居る方に戻って行く。このまま放っておいても、仲間を失うだけだ。それならば、この命をかけてでも...!

そんなに遠くはなく、すぐにギルメラのその大きな巨体を見つける。よかった、まだ誰も欠けていない。



「みんな!!」



「あんた、逃げろって言ったのに!!」



逃げたはずのテティを目の当たりにして、まずバニアがそう言う。すると続いてさらにゴーンとカルラが更にテティに言葉をかける。



「今更何じに戻っで来だんだ」



「そうっスよ!」



「...もう失うのは嫌なの!!」



「ピロロロ、そうか」



そう言いながらテティの方を向いていたピロンはまたギルメラの方へと視線を戻す。ギルメラはルナとそのお供2人が相手をしていてこっちには全く見向きすらしていない。向こう側では風や水のスキルと思われる技が飛び交っている。




「なんか面白そうなことしてるな」



さらに現れた3人組。そいつらはいつもの決めポーズはせずアリス奴の方へ向かう。まさかの登場にアリスは首をかしげる。



「マックスヒーローズ...ってあれ?あんたらどうしてここに?」



テティ達はすっかり忘れていたのだが、魔物の世界に置いてけぼりにしていってしまったのだ。まあ、あの時はゲルム達から逃げていたというのもあって、それどころではなかったのもある。



「なんだ?」



「もうマックスヒーローズでもいいから、あいつをなんとかして!」



「マックスヒーローズ『でも』と言うには気に入らないが、まあいいだろう。この武器を使ってあいつを倒してやる!」



取り出したのは大きな斧で黄色い色に真ん中の方に赤い丸が描かれている。

デザイン自体は少し変な感じだが、その武器は異様な感じがする。

魔物の世界でヘントールから貰ったものだ。




「星7...とかなんとと言っていたが、とりあえず強そうだ」



「星7!?」



星7と言う言葉に誰もが驚きを見せる。星7を貰う経緯は知らないので、マブが持っている事は誰もが驚くべき事だ。



「行くぞ!ええっと名前はなんて言ったかな...たしか、パニッシュアックス...とか言ったかな?まあいいや!パニックアーックス!」



マブはギルメラの方に向かって大きく振りかぶり斧を一度振ってみることすると黄色い光のようなエフェクトが出た。ギルメラは聞いたことのないような悲鳴のような叫びをあげる。



「すごい...!」



いつものように挑んでは一瞬で負けると言うワンパターンではなく、今回は普通に攻撃している。テティもいつもならそう言うだろうが、今は心にもそんな余裕はない。



「なんか今日は調子いいなあ!!」



「すごい...あのリーダーがまともに戦ってる...」



「だねー」



「それ、どう言うことだ!」



ちゃんとアルやホーに言葉にも反応しながらギルメラの攻撃を避けたりしていく。さながらそれは主人公のようだ。



「いくぞ!化け物!!スキルはええっと...ホーリーレイ!!」



マブの攻撃に、ギルメラはまたあのブレスで対抗しようとする。まずい!あれは塵にまで消えると言うブレスだ。



「それは避けて!!」



テティのその言葉にマブは発射されるそのブレスを避ける。そのブレスが通ったところは何も残らず全てが塵にまで消えて行く。それを見て「あっぶねえ」とだけマブは呟く。



「お返しだ!」



マブはまたホーリーレイ!と叫びながらギルメラに攻撃を仕掛ける。だがギルメラは顔の前で手をクロスさせてそれを防ごうとした。だがやはり星7。流石にダメージは少し与えてられているようで、マブの斧が当たったところには黒く焦げたような跡が残っている。




「さて、こちらはアレを使う日がきたな」



「まさか使うんスか!?」




「アリス達に負けてから使わないとは思っていたが...まさか使う日がくるなんてな」



そう言いながらピロン達が取り出した見覚えのある武器...それは紛れもなく闇魔だった。闇魔は相変わらず黒く不気味に輝いている。



「あんた達!?なんでそれを!?」



「まあ緊急事態なんでな」



だが闇魔は命を奪っていく武器。武器を持ったピロン達も少し苦しそうな表情になる。ピロン、カルラ、ゴーン、バニアが各々の闇魔を重ね合わせると、共鳴しあい不気味な光はさらに強く増して行く。



「ルナ様!あれ!」



「わー!なにあれ?」



「テティよ、悪いが少しの間時間を稼いではくれないか?



そのピロンの言葉にテティは小さく頷いてギルメラの方に向かう。怖い。近くで見るとその大きさは人間の何十倍と言えるほどはある。威圧感に今にもおかしくなりそうなぐらいだ。

ギルメラはピロン達にターゲットを変えると、ルナを無視して勢いよくそちらの方に走って行く。



「あー!ボクを無視するなー!!」



少し遠くで文句を言うルナなど眼中になくひたすらピロンの方に走っていく。

テティはスーッと息を吸って大きな声でこう叫んだ。



「やーいやーい!!ギルメラのバァァァァアァァッァカ!!!!!」



バカという意味がまるで分かっているのかのように今度はテティの方に向く。怯えた顔でギルメラを見るテティそちらの方へ向かうギルメラ。



「今だ!行くぞ!!」合体スキル!」



そう言いながらゴーン、バニア、ピロンの3人でギルメラの方へ向かって行く。その後ろからカルラの弓の闇魔から矢が放たれ追いつくようにその3人の中に混じって行く。




「闇・魔瘴列弾!!!」



その4つの武器は1つの矢のように束ねられギルメラの方へ勢いよく向かう。その攻撃はギルメラに命中すると大きな雄叫びをあげて倒れてしまった。



「やった...の?」



そのテティの言葉の後に歓声が湧いた。ギルメラを倒した。ただその事に対する喜びを体で表現する。手をあげてテティはバニアに抱きつく。

絶望とも言える脅威が去った後で全ての力が抜けていくような感じがした。もう動く事が出来ないだろう。だが終わったのだ。そう、終わった...。



「なんだーもう終わりなんだー」




その一方でもう終わりかと少し不満げにするルナは頬を膨らませた。



「終わった...のね?」



「案外あっさりとした幕引きだったなあ」



「そうね...でもよかった...!みんなが犠牲にならないで...本当に...本当に!!!」



「バニア様!!後ろっス!!!」



ギルメラを倒した後に言うセリフでは無いような言葉をカルラは言う。なにかとバニアが後ろを向くより先になにかが何かがバニアを吹き飛ばした。



「あ...あ...」



そのバニアの後ろにいたのは先程倒したはずのギルメラ。何が何だか分からずにただその姿を見て誰1人として何も言えなかった。ただ、例外を除いて。



「ラウンド2って所だね!行くよ!!」



「あ...」



ルナのお供のレフとライもピロン達と同じようにただ何も言えずに動く事もできなかった。吹き飛ばされたバニアは全くピクリとも動かない。



「もう...嫌だよ」



テティは涙を流しながらそう呟くしかなかった。ギルメラのブレスが来るがもう避けようともしなかった。いっそのことこのブレスで消えてしまおうとも考えていた。



テティは目の前のブレスを見て、避けようともせずただ目を瞑った。これで、終わりなのだからー。

武器紹介


パニッシュアックス

レア度☆☆☆☆☆☆☆


闇をも切り裂くという星7の斧。他の武器とは比べものにならないぐらいの強さを誇るが特に他のと比べて特徴が薄い。

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