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七話 ロスト・スキル


「アリス!!」



テティがそう呼びかけるがアリスは返事もしない。先ほどの穴も消えていてその近くには矢が一本刺さっているのみ。突然現れた穴に落ちていったアリスは無事なのだろうか...テティは心配そうに先ほどまでアリスのいた場所を見つめるがただ茶色い字面が広がっているだけだ。



「無駄っスよ」



そう言いながら歩いてくる緑の髪の髪の男。そいつは背は小さく紫の服とゴーン達と同じように禍々しいオーラを放った弓を持ち、背中には弓を打つために矢が入った筒を背負っている。っている。こいつのもこの武器を見る限り闇魔の一味だろう。視線はその緑髪の男に集中する。



「なんなn?あんたは」



「僕っスか?僕はピロン様の部下のカルラって言うっス」



「そいつの仲間なのか」



「無駄ってどういうことよ!このキャベツ頭!」



そいつは黙ったまま、近くに矢を放つ。矢地面に当たると、地面には先ほどアリスを飲み込んだ大きな穴が開いた。先ほどの穴はこいつの仕業だったのか。穴はしばらくするとふさがり、穴の方に向いていた視線は再びカルラの方に向く。



「これは!!」



「そうっス。これが僕の闇魔の力っス。迷宮に閉じこめるっス。逃げる方法はないっスよ」



「迷路...ってことは出口のあるのよね」



「あるっスけど攻略は不可能っスよ。そして君らも同じく穴に消えるっスよ!!!」



カルラが矢を放つ。矢の到達点では黒い穴がぽっかりと開いていく。カルラは2、3本ほど連続で矢を打ち、突き刺さったところは次々と黒い穴が出現していく。ルビスもアンバーグも近づこうとするも矢の近くには寄ることができず思うように近づくことができない状況だった。



「乱れ打ち乱舞っスよー!」



そう言いいくつも矢を上空に打ち続ける。だが、その1つがカルラの足元に刺さり、大きな穴を作る。カルラも、その近くにいたピロンもその穴に吸い込まれるように落ちて行く。



「作戦失敗っスー!!」




そう言いながら落ちて行くカルラとピロンをただただ見えいた一同はカルラの開けた穴が全部消えるのを確認すると少し遠くに離れたピロンの闇魔を布で包むようにして掴んで、そのまま布で包んで行った。




「えーっと、よくわからないけど、これはこれで良かったってことだな」



「うん」











暗い場所にただ一人だけのアリスは何が起こったかを思い出す。ええと確か...ピロンを倒して闇魔を回収しようとしたら...突然現れた穴に落ちて...辺りを見回すと黒一色の背景に黄色い壁が敷き詰められている不思議な空間だった。とりあえずここにいるだけでは意味がないだろうと。歩いてみる。右に行ったり左に行ったりと複雑に入り組んだ道を進む。それはまるで迷路のようだ。



「一体...ここはなんなの?」



迷路状の壁を伝っていくが行き止まりだったりと一向に出口のようなものが見つからない。早く出ないと...その不安もあり少し小走りで探索をする。だが入り組んだ道を進んでもゴールというゴールは見えて来ず、ひたすら四方八方は壁が延々と続くばかりで全くどうしていいかわからなかった。迷路というのはアリスはあまり得意じゃない。



「そうだ!ぶっ壊してみればいいのか!」



アリスは剣を何度も壁に向かってふる。だが接触する音だけが聞こえ、ビクともしない。黄色い壁を叩いてみるとコンコンという音が聞こえる。この壁は結構硬いようで、おそらく壊すのは困難だろう。



「うーん、迷路は苦手だからなあー」



そういながら右往左往して迷路を進む。あっちに行っては行き止まり、こっちに行っては行き止まりというの繰り返しヘトヘトになったアリスはその場に座り込んでしまった。



「あーもう!!どうなってんのよこれー!!」




そう叫んで上を見る。上の方は真っ暗で何も見えない。この迷路自体は黙認できるほど明るいがそもそも光はどこから当たっているのか。

いや、今はそんなことを考えている暇はない。早くこんなところを出なければ。

少し休んでまた歩き始めた。何時間歩いたかは分からないが、遠くに光が見えた。きっと脱出口だろう。迷いに迷ってよろめきながら出口に向かうとそこは見たことない場所だった。

砂や岩から見るに雰囲気的には先ほどのところからそれまでは慣れてないだろう。だが先ほどの道までどうやって戻ればいいものか...。




「あら、そんなところにいたのね」



そこに現れたのはバニア。こちらに歩いてくる。それに警戒しながら剣を構えた。

それを見てバニアはふふっ、と不気味な笑みを浮かべる。



「えーっと、名前何て呼ばれてたっけ?おばさん」



「オバ...まあいいわ。じっくりといたぶってあげるからね



「それが..!できるものならね!!!」魔刀の雷!!」



雷がバニアの方に向かう。だがバニアはそれを易々と避けてしまう。バニアは「へえ」とつぶやき杖を取り出す。アリスが剣で近接攻撃をするも避けるか杖で防ぐがしてなかなか攻撃が当たらない。



「まだまだ!」



直接剣で斬ろうとするが杖で防がれた。何回も斬りつけるがそれも同じことだった。バニアは少しずつ距離を取りながら何かを待っているようにアリスの攻撃避け続ける。しばらくこの攻防を続け、再びスキルが使えるようになったのを確認すると、その至近距離でアリスはスキルの名を叫んだ。だが、一向にアリスの剣から雷が出てくる気配はない。困惑するアリスにバニアは杖でアリスを叩いて吹き飛ばした。





「ロストスキル発動完了」



そうバニアが言うと杖がきらびやかな演出とともに色が変わる。



「なんでっ!」



「もうおしまいかしら?」



「くっ!!」



わけもわからず困惑するアリスにバニアは笑みを浮かべる。スキルをもう一発打てれば....時間を少しだけ稼げれば...。余裕ぶちかましモードでちょうど相手は何もしてこない今が貯めるチャンス...!アリスがしばらくスキルが使えるを待っているとバニアも余裕そうな顔でこちらを見ている。一切、攻撃をしないつもりなのか。すこし待つと再び使えるようになり、アリスは「魔刀の雷!!」と再び叫ぶ。

しかし、2回目も雷は出なかった。スキルが出てこないことに不思議がるアリスに、バニアは笑い始めた。

何度も技名を叫ぶが、出てくることはなかった。




「えー?なんで??」




「ふふふ、私のスキルを封じる力はどう?すごいでしょ?これが私の『ロストスキル』よ



「スキルを...封じる?」



「そう、相手のスキルの封じるの。その武器でスキルを使われたのは驚きだったけれど、私の武器はいかなるスキルも封じることができるのよ。そして、こんなこともね」



そう言い杖を構える。その杖からは雷がバチバチと音を立てて飛び出してきた。その雷はアリスの方に直進してゆく。アリスは横に避ける。この雷は...まさか。

バニアは驚いた様子にアリスに少し嬉しそうに杖を撫でていた。



「驚いたでしょう。これ、あなたのスキル。自分の攻撃を食らうのはどんな気分かしら??」



「くっ..!どうすれば...!」












ルビス達はアリスを探して歩いていた。

家もなく砂や岩といった単色が続く場所。一体どうやって探せばいいのか...。あのカルラとかいうやつを探したいところだが、そいつも穴に消えてしまった。穴を作った本人も消え、現状どうしたらいいかは分からないが。




「うぐあああああ!!」




突然の悲鳴。後ろの方からか。ルビス達急いでそっちの方に向かう。少し急な坂を登ると、そこには倒れているのは闇魔のゴーンとそれにとどめを1人の男。何だこの男...凄い威圧感が押し寄せてくる。こいつは....やばい、頭の中で危険信号が鳴り響くような感覚に陥っていた。マントをしてツノのようなものが生えている。こいつが人間ではないことは見てわかる。



「ぐっ...」



「そこにもいたか。人間」



逃げようにも足がすくんで動かない。「恐怖」という言葉が脳内をかき回すような。



「お前は....一体なんなんだ」




武器紹介的な



闇魔・ロストスキル


レア度★★★



相手のスキルを奪い取って使えるという杖。普通にこれだけだったら星4ぐらいはあってもいいような性能。ゴーンの武器より確実にこっちの方が強い。

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