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六十一話 戦線布告


「なに?どうなってるの...?」



目の前の光景にただ愕然と立ち尽くすしかなかった。ボロボロに壊された光景は目に焼きつてただそう呟くしか無かった。そんなアリス達に近づくものが2人いた。



「あれ、アリス...アリスなのか!?」



「ア...アリス!!」



立ち尽くすアリスに2人の男が近づいてくる。その者たちは久々のアリスの姿を見て、まるで幽霊を見るかのような表情でアリスを見ている。




「ルビス!アンバーグ!!」



「ちょっとね...。それで、これはどういう状況?」



「突然、一人の男が現れたんだ。そしてそいつに...」



ルビス達の話によれば、街に一人の男が現れた。そいつは『星7を探している』と言ってきたらしい。だが居ないと言っても、街を破壊してでも探すと聞く耳を持たない。

抵抗をしたが、その甲斐虚しく...。



「なんだ!?あいつは!強いなんてもんじゃねえよ!ありゃバケモンだ」



「一体なんなの...?」



「そいつ、名を名乗っていなかったか?」



そう言いながら出てきたのはヴェラード。何かを知っているようだな。




「ああ、なんかラグナとか言ってたな」



ルビスのそれを聞くと、「やっぱりな...」と声を漏らした。



「ああ、そいつ七天聖のは序列の2位のラグナだ」



「2位!?」



「あれ?でも2位ってヴェラードだって言ってなかったっけ?」



「表向きには、な」



その表向きという言葉の意味が分からず、一同は首をかしげる。アリス達がそれだけでは分かっていないのを見てヴェラードはさらに言葉を付け加える。



「まあ、まず序列について話さないとな。今の序列はこんな感じになっている」


1位ルナ

2位ラグナ

3位ヴェラード

4位ミーファ

5位クラウ

6位ノーブル

7位メイキス



「5位からの3人って...なんか聞いたことあるような」



「ほら!ハルガンデスと戦ってる時に来た、ヘンテコな3人組...!」



「ああ!」」



それはハルガンデスの時にホワイを狙っていたピエロのやつと本を持ったやつと金髪の女の3人組だ。



「じゃあ、なんでヴェラードが下なんだ?」



「実力自体はあいつのが上だ。ただ、なぜか「3位でいい』と言い出してな」



「へー」



「ルナもそうだが、上位陣は本当に何考えてるか分からねえ奴ばかりだ。今回だってあいつが勝手に暴走してるだけだし」



「そう言う命令とかじゃ無いの?」



その質問に、ヴェラードは「ない」とだけ答えた。流石に七天聖でもそんな街を壊すだなんて悪役なことまではしないようだ。



「宣戦布告ってやつだろう。あいつはいつもそうだ。壊すことしか知らないせいでああいう事を勝手にしでかす」



「お前はいいのか?」



「いいのかってのは?」



「お前だって七天聖なんだろ?狙ってんじゃねえのかよ」



「俺は別にそう言うのは別に良いからな。で?そいつがホワイってやつだっけか?」



そう言いながらホワイの頰をツンツンする。ホワイは嫌そうにヴェラードを見ている。



「その上にもう一人居るなら、そいつに倒して貰えばいいじゃない」



「ああ、ルナは...あいつはこっちの話も聞かなければ言うことも聞かないような奴だから期待はできん」



「そいつはいいの?」



「あいつは...7位から俺とラグナを入れた2位までの全員で戦ってもまず勝てる確率が0なほどの強さがある」



ヴェラード達全員で戦っても勝てない...一体どんな奴なのか。誰もが筋肉ムキムキの屈強な男を頭の中に浮かべていた。



「あいつをぶっ倒すのは俺たちしかいないようだな」



「あんなバケモノを倒せるのか?」お前らだって戦っただろう?」



そう息巻くアンバーグに、ヴェラードのその一言で威勢は全て吹き飛び黙り込んでしまう。



「とりあえず、俺はラグナのことを報告しに行くから、お前らは戦うなんて馬鹿な事を考えるなよ」



そう言いながらヴェラードは向こうに歩いてゆく。それを見送りながらアンバーグは「どうするんだ?」と不安そうにアリス達に尋ねる。



「とりあえずこの子を安全な場所に置いとく」



「つっても、そんな場所...」



「いや、ひとつあるわよ」



テティはそう言いながら。ウィンクをした。








壊滅した街を歩くと周りには崩れた家々が起きた状況を物語る。とある場所に着き、瓦礫をどかすと、そこに階段が現れた。



「なるほどな」



「ええ」



「どういう事だ?」



「この店は一度入ったことのあるものじゃ無いと姿を現さないの。だから無事ははず...と思ったら大当たり」



階段を降りて地下に進むと茶色いドアが姿を見せる。扉を開けると色々なものが売っている店が姿を現した。ドアのベルを聞きつけて奥から誰かが戻ってくる」



「なんだよ...今外に出れなくなったって時に...」



そこに現れたのはピロンだった。突然のアリスの登場に、少し驚いた様子を見せる。

アリスはオノマトピアの戦いの時に一度入ったため入れるのだ。



「アリス!あんた無事だったのね?」



「アリスっすか!?」



奥からバニアやらカルラやらが姿をあらわす。そしてゴーンまでもがひょっこりと出てくる。



「お前何でごんなどごろに居る?外ば大丈夫になっだのが?」



「何でってやられたわけじゃ無いし...っていうか本当相変わらず濁点の多い喋り方ね」



「ピロロロ、お前たちがどうやって無事だったかは知らないが、しぶとい奴らだな」



「あんたもその変な語尾とその憎らしい喋り方相変わらず変ね」



ピロンの相変わらずの口にテティが対抗する。

何やらバチバチと火花のようなものが両者の間で散っているような気がする。



「なんか外すごいことになってるようだけど、何かあったの?」



「ええ。七天聖が来て襲われたんだ。で、目的はこいつらしい」



「あらあら、このおチビか?」



「この子は星7の所有者」



「ほー、星7」



「そこで、ここでこの子をかくまって欲しいの」



その言葉にピロンたちは顔を見合わせる。狙われてるのに拒否するわけにもいかず、ピロンが「わかった」とだけ口にする。



「その代わり、今度すごいもんでも買ってけよ。ピロピロ」



「ええ」



「大丈夫...なの?」


心配そうにホワイはそう言いながらアリスを見る。アリスはそんなホワイ笑顔で返した。



「顔は怖いけど大丈夫よ」



「ぞれどういう意味だ」



「まあとりあえず頼んだわよ」



そう言ってアリスたちは店を出る。ピロ達もただ、それを見ていた。

階段をあがり外に出る。やはり状況は最悪という感じだ。



「で、これからどうすんだ?」



「私たちが戦って勝てる相手とも思えない...だから...」



「お、見つけたあ!!」



ひとりの男はそう言いながらこちらに向かってくる。赤い髪に顔には斜めに傷が付いている。



「お前が星7持ちと一緒に居るって奴かぁ!!!」



そいつは、そう言いながら鋭そうなまるでキバのような歯を見せた。



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