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六話 侵食する魔剣

「全て葬ってやる!!」


杖に呑まれたピロンは自我を失いまるで怪物のように豹変していた。周りからは黒い瘴気が溢れ出てその危険さを感じさせる。



「さて..どうするか...」



「こういう時のために用意したんだ...!どちらでもいい!!受け取れ!!」



向こうのほうからアンバーグの声が聞こえ、何かをこちらに投げてくる。ルビスはそれを手に取ると、それは黄色に太陽のデザインのようなものが施された弓だった。弓をなぞるように触ると小さなウィンドウのようなものが表示される。そこには攻撃力やマジックポイント、スキルの種類などが書いてある。武器は基本的にこのように小さなウィンドウでその武器が所有するマジックポイント量やスキルの種類など武器の基本的な情報をを確認することができる。



「これは...」



天晴の弓という文字の横にこのマジックポイント90と書かれている。その下にスキルの種類がずらりと並ぶ...のだがこの武器はスキルが1つしかないのでその下は枠だけのものがずらりと並んでいる。スキル『闇払いの矢』使うマジックポイントは40、一度使うと次に使えるのは2時間30分後...。スキルポイントが全部で90しかないので40も消費すると2回しか使えない。その上1回使うと2時間使えないというなんという燃費の悪い武器だ。ここまでくると闇を払うのも胡散臭い。



「さあ!それであいつの闇をはやってやれ!!」



「あのー、これ、まだ使えなくない。残り2時間って書いてあるんだけど」



スキルのところには時計のマークと2hという文字が書かれている。武器はこうやって次に使えるまでの時間が分かりやすく表示されている。武器にもよるがこの武器のように1回使うと再びスキルが使えるのが2時間というとても時間のかかるものも中にはある。つまり1個使っているということだ。しかも2時間ってことは30分ぐらい前に使ったということだ。



「あー...えーっと...頑張れ!!」



アンバーグのサムズアップとともに白い歯を見せる。それを見てアリスもテティもはあ、とため息をついた。まあ誰もアンバーグが役にたつとは思っていなかったが。



「ほんと全てにおいて役に立たないわねあんた!!!」




「うるせえ!!!さっき試し打ちしたら何時間もかかるとは思わなかったんだよ!!!」



「なんで試し打ちなんてするのよ!!バカ!!」



そんなやりとりをするテティとアンバーグの足元に魔法弾が直撃する。床に黒い跡と煙が立っている。飛んできた方を見ると。ピロンが凄まじい量の魔法弾をこちらに打ち込んできている。その無作為にうたれた魔法弾にアリス達は逃げ惑いながら作戦を考える。ピロンは容赦なく魔法弾をこちらに打ち込んでくる。ドンドンドンと魔法弾が地面にぶつかる音が等間隔で聞こえてくる。



「どうすんの?あれじゃあ勝てないわよ!!」



「なら...ここは一旦引く!!」



ルビスは後ろを向き全速力で走り出した。「させるか!!」とピロンは杖を構える。それを阻止するようにアリスが攻撃を仕掛けるが杖によって防がれる。そして再び遅める力を放った。それにより周りの動きはまた、止まった。やはりどう動かしても体が動く気配すらしない。ピロンは杖を構え紫の魔法弾を放つ。動きが止まっているアリスはいい格好の的となり避けることが出来ず当たってしまう。




「どうだ!!苦しいだろう!!その苦しみをお前に与えてやるからな!!ピロロロロ」



ピロンは図太い機械音のような声で笑ういながら杖をかまえる。だがピロンの動きを止める効果が弱くなり「ちっ」と舌打ちをして動きを止める効果消した....その時だった。

ピロンの目の前には雨のようなレーザーが無数に迫っていた。。そのレーザーはピロンに向かって飛んでいき、

それによって、ピロンは吹き飛ばされ古びた使われてない家に激突する。ガジャン!!と大きな音を立てて壁が崩れピロンは家の中にまで吹き飛んだのだ。これは、ルビスの剣から放たれる秘剣のスキルだ。



「これ...ルビスのスキルの!」



その雷は、ルビスの剣から放たれる

その雷の放たれた先を見るとそこにはルビスの姿がいた。ルビスは確か逃げたんじゃ...!?

ルビスは笑みを浮かべながらピロンの方を見ている。



「なんでアンタが?」



「やはり予想通りだったな」



「予想通り?」



「最初あいつが遅くするのを使った時、あそこの弓の男も遅くならなかったし、矢自体も最初は普通だったのにピロンに近づくと遅くなった。つまり遅くしたり止めたりするのは一定の範囲内だけだってことだ」




「なるほど」



しかもあいつは何回もわざわざ自分のスキルを解除している。あのスキル自体も使用制限みたいなのがあるんだろう。だからあいつがスキルを展開できる時間を測って解除する寸前ぐらいにスキルを遠くから撃てば飛んで行った俺のスキルはあのスキルに邪魔されることなくあいつに届くって寸法だ」




「おのれえええええ!!」



砕けた家の壁の破片から飛び出してきて鬼のような形相でこちらを見てくる。アリスはまた使われる前にと、すかさずピロンの方に走って行く。ピロンは魔法弾を撃つがアリスは避けていきピロンの至近距離まで詰めスキルを放った。



「魔刀の雷砲!!」



アリスから放たれた雷はピロンに直撃しピロンは大きな呻き声を出しながらその場に倒れた。ピロンからは黒い瘴気のようなものが抜けていって先ほどまでのピロンに戻っていた。アリスは、ふう、と戦いの終わりにまずは安堵し、ピロンの武器を拾おうとする。のだがアリスは次の瞬間には落ちる感覚に陥った。アリスの足元に大きな穴が空き。アリスが落ちていったのだ。



「うわあああああ!!」



アリスは暗い穴に消えていった。アリスが消えていくのを見て、緑の髪の男は倒れたピロンに近づいていった。

武器の紹介コーナー的なやつ


・神速の槍


レア度:星4


前回、ルビスがスキル攻略に使った素早さを大幅にあげる槍。正直言って攻撃30%のデメリットのせいで「この武器じゃなくても別によくね?」と思った(小並感)



・浄化の槍


レア度:星4


闇を祓う武器。設定がそれだけで特に語るようなことが何もない武器。何かに取り憑かれている知り合いがいるという方にオススメ。



・雨の剣


レア度:星4


ルビスが愛用している武器。雨と書いてあるが見ずに関係はない。スキルが雨関係でちょっとかっこいい。

正直、上の2つなんかより汎用は段違いで同じレアリティなのに上の2つが当たったら悲しい。




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