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五話 闇の科学者 ピロン



「勝つ?まあ、君らはどうせ実験の材料になるんだからね。ピロロロロ」



「実験だと?何を言ってやがる



その言葉に、ニヤリと笑う。それは、残酷さを秘めたような笑顔。この男が特に危険だと感じるのはこの男が何を考えてるかが特にわからないからだろう。

あの笑いの奥になんだか底知れない邪悪なものが見えてくるような...とにかく危険だ。何か、良からぬことを考えているような..。



「僕は、魔物を人工的に作る実験をしているんだ。やろうと思えば、人間を魔物にすることも...ピロロロ」




「狂ってるな、お前」



残酷な計画にルビスはそう切り捨てる。だがピロンは表情一つ変えずにピロロロと不気味に笑っているだけだった。俗に言うマッドサイエンティストというやつか。この世界に来てそんな訳のわからないことをするなんて、アリス達には理解ができなかった。というか理解をしようとも思わないことだろう。



「最後の言葉はそれでいいのか?いくぞ!!!」



その言葉とともにルビスはピロンの方に走りだす。だが、次の瞬間、体に異変が何が起こったのか、一瞬わからなかった。走っているポーズをしたまま、体が静止している。一体...何をしたのか。体を動かそうとしても全然動かない。どうあがいての走ってるポーズのままなのだ。


「なっ..!なんだ!?」



「あーダメダメ。そんなんじゃ攻撃は当たらないよ!ピロロロロ



「なんでルビスの動きが止まってるのよ!」



アリスもピロンの方に向かう。するとしばらく走ってピロンの方に向かっていたアリスもルビスと同じように動きを止めたのだ。ピロンはピロロロロ、と奇妙な笑い声をあげてその場でアリスを眺めていた。ヒュン!という音を立てて矢が遅いかかるが矢の方もやはり動きが遅くなる。向こうではアンバーグガ弓を構えている。おそらくこの矢はアンバーグのものだろう。アンバーグはもう一度素早く弓を構えると、再び矢を発射した。だが結果は同じで勢いよく放たれた矢はピロンの近くまで行くと動きを止めてしまうのだ。



「僕のこの杖は、こうやって動きを止めることができるんだ。君達勝ち目はないよ



「なにそれ!チートすぎるじゃないチーターよ!そんなのどうしようもないじゃない!!このインチキ科学者!!!」


テティがボロクソに言ってもピロロ...と笑うだけで余裕そうだ。

このようなアニメや漫画によくあるよくある時を止めるようなやつは大抵対処が難しかったりする。だが何かしらの突破口があったりする。のだがこれはアニメや漫画の世界ではないのであるとは限らないが。



「ほらほらー動けなきゃ何もできないだろう?ピロピロピロ」



「くっ...!」



動きが止まって数秒、ルビスの足に、地面の冷たい感触が伝わる。確かにルビスの足はどちらも走るようなポーズをしながら空中で静止している。これは...?

ピロンはその場から動かずただ不気味に笑っている。余裕でもぶっこいているのか。



「降参でもいいんだぞ、ピロピロ」



「魔刀の雷!!」



動きが元に戻った時にすかさずスキルを放つ。その雷はピロンの方に向かっていったがピロンが横に避けることで簡単に避けられてしまうがピロンの肩に擦り服が少し破れた。それは、ピロンも少し反応が遅れたような...

続けざまに剣で攻撃を仕掛けるが杖で防がれる。

やはりスキルなだけあって使うにはインターバルを要するので、そうなんども使えるものではないのだろう。



「ピロロロ、どうする?諦めるか?」



「なら!!もう一回するまでだ!!!」


ルビスはもう一度スキルを放つ。だがピロンの方もまた使えるようになったのか再び動きを止めるスキルを展開する。それにより、雷は勢いは良かったが、途中で動きを止めた。ピロンの能力でスキルさえもが止まってしまうのだ。



「だからーそんなことしたって意味ないんだってピロロロ」



「...あの雷、動いてる?」




気のせいか、雷が少しずつ動いているようにも見える。ゆっくりと、本当にゆっくりと少しずつと。ピロンはその場に動かずただピロピロと相変わらず高笑いを決めている。チャンスだというのに。なぜに動かないのか...?



「さて、そろそろ解いてあげるかな。ずっと動けないとかわいそうだしな。ピロロロロ」



杖を振り上げると、止まっていたものが元の速さに戻る。ルビスの雷を避けるが今度は足の方にかすっていく。ピロンはその攻撃を避けた後に「ふー危ない」と言いおでこに手を当てた。それを見てルビスは「なるほど」と小さく言った。



「そういうことか。もうお前の力のカラクリが分かったから脅威でもないな」



「どうした?突然の負け惜しみのハッタリか?」



突然のルビスのセリフに動揺することもなく挑発する。そういうとルビスは剣をしまい、槍を取り出す。緑の色をした槍で近くにヒュンヒュンと風がなびいている。

ルビスは真正面から攻撃を仕掛ける。また動きを止められ...るかとおもったが、こんどは攻撃が当たった。止まることなく、ルビスはピロンに攻撃をあてることができたのだ。

ピロンの方もなにが起きているのかと驚いた表情をしている。ルビスの方はふっ、と笑いそのままピロンを岩に叩きつけた。



「攻撃が..あたった?」



「一体何が起こったんだ??」



「やはりな、お前のは動くを止めてるんじゃない。『時間を遅くしてるだけ』だ」



「くっ...」



図星を突かれていたようで、先ほどの余裕の表情はピロンからはもう無くなっていた。



「空中に浮いてたはずが、地面に足がついたり、あいつの雷が少しづつ動いて見えたのも、実際は動いていた。動きが遅くなっただけだからな。



「だから遅すぎて止まって見えたのか!」



カラクリを見破られ、ピロンの顔はだんだん険しくなってくる。カラクリを知られてしまえばこういうには対処ができてしまう。でも、だからと言ってなんで遅くしていたピロンに攻撃ができたのか...。それはそのまま言葉となりルビスに投げかけられる。




「でも、なんでピロンに攻撃を?」



「それはだな」



そう言いアリスには先ほど変えた緑槍を見せる。おそらくその槍に何かがるのだろう。

ルビスは槍をピロンに向けて先ほどのピロンが自分の武器を自慢するかのように紹介していたのと同じように、ルビスも自分の武器を紹介し始めた。




「これは自分の動きを高める効果がある槍だ。その分攻撃力などは低くなっているがこいつを倒すだけなら問題ないだろう。



「くっ!」



「なぜかお前はスキルを使っている最中動くことはなかった。それはなぜか?発動中は動けないんだろう。そして解除するとワンテンポ遅れるのも。解除して数秒あたりも同じように動けない時間があるんだろ?違うか??」



「くっ....」




どうやら図星だったようで、さらにピロン険しくなる。

すごい、短時間でここまで見抜けるのか。アリスはルビスの後ろ姿を眺めた。ピロンは完全に怒ったような表情になり杖を握りしめる。カラクリを見抜かれて完全にいい気になっているルビスにとても恨めしい目を向けている。



「さっきからいいきになりやがって...!」



白衣を脱ぐ。ここからが本気モードみたいな感じか。だがもう恐れる必要はない。中は緑のスーツに赤いネクタイをしている。ピロンはが杖を振り上げると杖からは青い光が溢れ出した

それはアリスやルビスの方に向かっていき。逃げようとするも範囲が大きすぎて避けられなかった。アリスもルビスも、動きが制止する。



「あまり使いたくはなかったが...仕方がない!!」



「またその手か!!」



だが今度はルビスも様子が変だった。先ほどの槍を使っても動くことができないのだ。いくら体を動かしても、微動だにしない。槍から出ている風も完全に動きを止めている。これは一体何が起きているのか。



「ピロピロ!!!お前らは何をやっても動くことはできない!!!全ての動きはこの杖の前では止まるのだからな!!!ピロピロ!ピロピロ!!うっ...」



「なんだ?」



先ほどまで高笑いしていたピロンが呻き声を出したと思ったら、杖から黒いものが出て、あっという間に覆いかぶさってしまう。

これはまさか...心が弱いと武器に支配される....ということはピロンはあの闇魔に支配されるということか。ピロンのスキル中のため動くことはできず、ただ黒い瘴気に飲み込まれて行くピロンを見ているしかなかった。そしてその黒いのが解かれたとき、そこには、かつてのピロンの面影のない化け物が立っていた。



「これって...」



「ああ、どんどん侵食していき、武器に取り込まれるとかいうやつか...」




「なーんちゃって、実はかかってませんでしたー!!ってことは...ないよね?」



「どうやらなさそうだぞ」



黒い瘴気に包まれたピロンだった何かはこちらを来て「はーっ」と口から黒い瘴気を吐いていた。

武器紹介的な



闇魔・黒式


レア度★★★


ピロンが扱う武器。一定距離の敵味方の動きを遅くする。だが使ってる最中は動けないというデメリットもある。ルビスは一定距離しか意味がないという点と動けないという点、一定時間で解けるという点を利用して倒せた。



神速の槍


レア度☆☆



早く動けるだけ。それだけ。攻撃力はさほど高くなく使いどころは若干限られてしまう。

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