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四十三話 消えない灯火



「今日も平和っスねー」



カルラは棚からダンボールを取り出しそう呟いた。隣にいた黒い大きな球体を持ったバニアは「そうねえ」と呟きながらその球体を床に置く。球体は相当重かったようでバニアハ「フーッ」と声を出して額の汗を拭う。



「バニア様!ごれどごに仕舞いまじょう?」



そういながら奥の部屋から顔を出したゴーンにバニアは指をさして指示を出した。そして重そうにしているカルラを見てそのダンボールを持ち上げると少し高めの棚に置いた。

外からは叫び声が聞こえてきて、何かをやっているようだ。カルラはバニアにこんなことを訪ねる。



「なんか外が騒がしいっスけど、何かやってるんスかねえ?」



「さあ?そういうイベントはがあったとは聞いてないけど??」



「ちょっと見てくるっス!」



「私もいくわ」



カルラが様子を見にいくのにバニアもついてくる事にした。さりげなくゴーンも一緒についてく気がマンマンのようだ。3人で店の扉を開けて階段を上る。そこに映ったのは怪獣映画などにあるような人々が逃げ惑う光景だった。

何が起こってるのかと思っていた矢先に大きな魔物が暴れているのが目に飛び込んで来た。あいつが原因だと分かったバニアは、その魔物の方に走っていった。



「あ!バニア様どごに行がれるのでずが!!」



「決まってるでしょ!!あいつの元よ!!」



そう言いながら走っていくバニアを放っておくわけには行かずピロン達も走り出した。

しばらくいくとその現場に着くが、そこはもう家々は壊され人々がその魔物の中に吸収されていくという地獄絵図だった。



「なんなの!?こいつは!」



「また人間が現れたか。我が名はハルガンデス!魔物の王だ!!」



「こいつが噂の...」



「お前も養分になりきにたのか?」



「そんなわけないでしょ!」



バニアは四角いなにかをハルガンデスに向かって投げる。するとその四角いものは中から液体を放って破裂しその液体はハルガンデスにつく。すると液体がハルガンデスに付着した部分から、シューという音と煙が上る。




「なんだこれは!!触れた部分が熱い!」



「どう?これは対魔物用のアイテムよ!!」



「小癪な!!」



ドシンドシンと大きな足音でこちらに迫ってくる。バニア、カルラ、ゴーンは先ほどの、魔物撃退アイテムをたくさん持つとハルガンデスに向かって投げまくった。

だがそンなものでは怯まず、3人の前の前にまで迫るとバニアを掴んだ。



「バニア様!」



ハルガンデスがバニアを取り込もうとした時。後ろからハルガンデスは剣で攻撃を喰らった。ハルガンデスはそんなものではひるまなかったが、後ろを見てその男を目視するとバニアを放り投げてそちらの方へと向いた。



「おい、お前俺の仲間に何してんだよ」



「ガ、ガーディス!?」



「ガーディス様!?なんでガーディス様がいるっスか!?」



「いちゃわりーかよ」



突然のガーディスの登場に。バニア達はそう声を上げる。ガーディスは旅に出てから会っていなく、別れてからどのぐらい経ったのか...。



「あとで吸収してやろうと思ったがどうやらすぐにでも吸収してほしいみたいだな。お望み通り吸収してやるぞ!」



ハルガンデスは、また棘のついたボールをいくつも投げ出して破裂させる。流石にもう何度も受けた攻撃ということもありガーディスは簡単にそれを避けてしまう。ハルガンデスはガーディスの近くにまで寄り足を持ち上げる。そしてガーディスを踏みつけるように足を振り下ろした。

ガーディスは剣で防ごうとするが全くと言っていいほど防ぎきれずに足の下敷きになってしまう。




「すごい力..!これが人間を吸収した力か!?」



「この!ガーディスを離しなさいバケモノ!!」



バニアは対魔物用の四角いアイテムを投げてなんとか足をどけようとするがハルガンデスには痛みが少し出るぐらいなのかすぐにバニアを掴んで体の中に取り込んでしまった。



「バニア様が!!」



「どうするっスか??」



「俺たちがいるじゃないか!!」



そう言いながら意気揚々と現れた3人組、マックスヒーローズはハルガンデスに指差してこう高らかに宣言する。



「まだ決着をつけてなかったな!!えーっと名前は...」



「ハルガンデスですよリーダー」



小さくアルがそう言うとマブは「そうか!ハルガンデス!!」と言って剣を取り出した。そして大きく叫びながらマブ達はハルガンデスに向かうがものの数秒も持たずに吸収されていった。なんだか吸収されたマックスヒーローズを見て、ゴーンもカルラもなんとも言えない顔になった。



「なんだったんスかね?」



「一体誰がずら分がらながっだな」



「もう我を止められるものなど居ない!!!」



「どうしたらいいんスか...?あんな化け物!」



「アリス!おい!アリス聞こえてんだろ!とっとと戻ってこい!」



ガーディスは踏みつけれながらもそう叫ぶ。だがもちろんそんなもので反応はない。ハルガンデスは「無駄だ...」と言いながらガーディスを足から離すとその大きな手で掴もうとする。だがガーディスのスキルが飛んで来て手が弾かれてしまった。その隙にガーディスは逃げていく。



「足掻いても無駄だ」



「アリス!お前は俺と戦うんだろうが!そんなやつの中でいつまで眠ってんだ!」



「そんなに叫んでも無駄だと言ったハズだ!お前もそろそろそいつと一緒にこの中で眠るといい」



「そんなこと...!」



ガーディスは駆け寄るがその圧倒的な力に為すすべがなかった。多数の人間を吸収したハルガンデスはその力の強化され攻撃をいくら行っても無駄だった。



「もういいか?」



ハルガンデスの腕の一振りで風が起こり人間を吹き飛ばす勢いだ。ガーディスはもう一度攻撃をしかけようとするがハルガンデスの平手打ちであっという間に地面に叩きつけられてしまう。



「お前ももう終わりだ!」



「ぐっ...!」



ガーディスさえもハルガンデスの中にどんどん吸収されてしまう。その光景に「もう誰も勝てなのではないか」とカルラもゴーンもただハルガンデスを見ていた。







「おいおい!なんであいつ街で暴れてんだよ!!」



街に入るやいなや、アンバーグは、そう言い、立ち止まった。遠くのハルガンデスが暴れる姿に一体何が起こっているのかと理解が追いつかずそう口にするしかなかった。



「あれ、お前今まで何やってたんだよ!」



後ろからの声で振り向くとそこにはルビスがいた。そして隣にはオノマトピアの面々とホワイも。

そしてハルガンデスの方を見て「なんだ?ありゃ!」と小さく呟いた。



「いや色々あって...ってなんでオノマトピアがここにいるんだよ!」



「とりあえず話は後だ!ってテティもいるじゃん」



アンバーグの周りを飛び回ってたテティを見てそう言うルビスにテティは「何よ!」とだけ口にする。



「なんか変な赤い心臓みたいなの破壊した後奥に行ったら囚われてて..」



「今その話はいいでしょ!あのデカイのを止めないと!」



テティのその言葉にアンバーグの話は中断さええ、誰もが暴れているハルガンデスの方を見る。



「とりあえずあいつを止めないと...っていったいどうすりゃいいんだよ!?」



「アンバーグ、ちょっと頼みたい事がある。お前らは俺が言った場所に行ってくれ」



「ルビス達は?」



「あいつを足止めしてくる。大丈夫さ、きっとなんとかなる」



そう言いながらサムズアップをしてオノマトピアと共にハルガンデスの方に向かっていった。

ルビスもよし!という声を出し走って行った。

今回は投稿時間がイレギュラーですすみません。

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