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四話 さすらいの賞金稼ぎ



「さて、また闇魔探しに行きますか」



アリスはそう言い立ち上がりお尻についた砂をパンパンと払った。空を見るとさっきまで太陽は雲に隠れていたがまた顔を出していた。アリスが歩き出そうとした時、前から怪しげな3人組が近づいてくる。3人とも白い服に短めの髪をしている。

背の小さい左右の男にすらりとした真ん中の男。いかにも漫画とかアニメにいるリーダーと下っ端2名というような感じだった。真ん中の男が「おい」と声をかけてくる。



「えーっと、どちら様で?」



いつもの調子でアリスはそれに答えるするとその3人組はコソコソと何かを話し始めた。数十秒ほどそれは続き、コソコソ話がピタリと止まる。すると3人ともこちらの方を向いて掛け声とともに、決めポーズをしはじめる。突然のことにただそれを見ているしかなかった。



「しょうがねえ、教えてえやろう!俺はリーダーのマブ!!」



「そして俺がアル!」



「オイラはホーだよ」



「3人合わせてー!」



「「マック〜〜〜〜〜スヒーロ〜〜〜〜〜ズ!!」」



3人で決めたポーズはどれも違うもので、一人は両手を広げたポーズ、お供と思われる2人はその左右でそれぞれ自分の向いてる方向に2つの手を伸ばしている。突然何をし出したかと思えば戦隊モノのようなポーズ。そしてマックスヒーローズというお世辞にも良いとは言えないネーミングセンス。

恐らくアニメや漫画にいる場を盛り上げるためのおバカキャラのようなものなのだろうか。



「何?この三バカ?」



「なっ!バカって言った方がバカなんだぞ!」




「リーダー、それ反論になってないっす」




リーダーと呼ばれた男は「バカ」という言葉にまるで小学生のような反応を見せる。アニメや漫画にいる場を盛り上げるためのおバカキャラのようなものというのはどうやら正しかったようだ。

そのリーダーの男は「舐めやがって....」と呟いて左右にいた二人を呼び寄せてまた、コソコソ話を始めた。

アリスはまたかと呆れるようにコソコソ話をしているマックスヒーローズとかいう名前の三人組を見る。



「まあいい、俺たちの恐ろしさを...」




マックスヒーローズがアリスに近づこうとしたその時、大きな音とともにアリスとマックスヒーローズの間に何かが飛んでくる。

そこに剣を持った白髪の男の姿。黄色い剣に赤い服を着ている。その男はこちらの後ろに背負った闇魔を見ながら「見つけた!!」と叫んだ。

するとすぐさま剣を抜いてこちらに襲いかかってくる。なんとか抜いた剣で防ぐがその男の攻撃は何度も続く。




「おいお前!今、重要な初登場シーンを邪魔するんじゃねえ!せかっくいいところなのに...」



初登場を邪魔をされたマブがそう言いながら2つの剣を構えるその男に近づく。周りではお供のアルとホーが「おおー!いいぞー兄貴ーやっちまえー!」と囃し立てているその男の鋭い目がマブの方を見る。

それに少しビビりながらもマブは勇敢にもその男の肩を掴んだ。

だがマックスヒーローズの3人は剣を一振りするとはるか彼方へと吹っ飛ばされていった。



「くっそー!覚えてろよー!!」



「あいつら何しにきたのよ...」



3人が飛ばされた空を見て、そう呟く。そしてつぎはお前たちだと言わんばかりにこちらを睨む。なんだかわからないがこの男もこの闇魔を狙っているようだ。持っている剣はぼんやりと光を帯びている。



「俺は賞金稼ぎのルビス!!!お前が闇魔を使って悪さしてるという奴だな?」



「ちょっとちょっと!勘違いも甚だしいわよ!」



「うるせえ!その剣が何よりの証拠だ!覚悟しろ!!」



全く聞く耳を持たず、またこちらに攻撃をしかけてくる。流れるように2つの剣を使い畳み掛けてくるのをアリスは防ぐ事しかできなかった。

そいつの銀髪は風でゆらゆらと揺れる。行っても聞く耳を持たない以上、戦うしかないのか。どうにか隙を見つけようとするがなかなか見つからない。



「なんだ...レアリティの低いゴミを使っているのか?なぜ闇魔を使わない!!なら、使わせるまで攻撃をするまでだ!!!」



その男が構えると剣から怪しげな力が集まってくる。それはどんどん剣へと集中し、大きさを増していった。ルビスが剣を振ると雨のようにアリスに降りかかる。いくつか避けきれずに腕や足、体に傷を作る。



「あれは...スキル!!」



星が4以上の剣には何個かスキルというものがあり、いわゆる必殺技のようなものだ。武器によって使えるものは異なるが、どれも強力なものとなっている。

スキルは使うと5分のインターバルを要する。剣によってインターバルが6分だったり1分だったり、本当に強力なものだとその反動で。3日使えないものもある。



「なんという力だ。さすがはと行ったところか...」



「ちょっとーハンバーグ、呑気に解説モード入ってないで助けられないの?」



解説モードに入っているアンバーグにテティがそう問いかけるが無理だと即答されてしまう。それを聞いてテティは小さく「んもー役に立たないわね」と呟いた。



「もう終わりか?」



「くっ...」



男が剣を振り上げた瞬間、アリスの小刀がぼんやりと光り始めた。

これは....いや考えてる暇はおそらくないだろう一か八か、やってみるしかない。アリスは大きく技名を叫びながら剣を横に振ってみた。



「魔刀の雷!」



そう叫ぶと雷がその男に向かって放たれる。いきなりのことで対処が遅れ、その雷が直撃する。突然のことでルビスの方も何が起こったかわからないだろう。基本的にスキルが使えるのは星4以上のの武器だが、アリスのは星3の武器なのだから無理はない。


「な、なんだとっ...そんな星3つごときの武器が、スキルだと!おもしれえ!!おもしれえよ!!!闇魔とか関係なくお前と戦って見てえ!!!秘剣・霧雨!!!」



「やっとみつけたピロロロロ。武器は返してもらうよ」



スキルを放とうとした時その声が聞こえてそれは中断される。そこに立っていたのは白衣の科学者の方の男、確か...ピロンとか呼ばれていたか。風で白衣をなびかせ、その不気味な笑いをする。突然の登場に、



「あーえーっと、変な笑い方の人!確か名前はーピロン!!」



「それにしても...君は美しい」



「へ?」



唐突にアリスに向かって放たれたその言葉は、誰もがキョトンという表情にさせる。誰もが「突然何を言いだすんだと思ったことだろう。アリスは左右を見て誰もいないことを確認した後自分のことだと認識する。



「君を実験台にしたら、とてもいいものが出来上がりそうだ。さあ、こっちに来て実験台にならないか?ピロピロピロ」



「うわぁ....こいつ本当にやばい人だ...笑い方といい」



「『マッドサイエンティスト』とでも言ってくれないかな?まあお前らは実験台になるんだからどっちでもいいけどねピロピロ」



ピロンは持っていた杖を構えた。そこからは強大な魔力が漂っている。

どうやら、嫌だと答えても意地でも実験台にするつもりだろう。闇魔を回収末以上、このよくわからないことを言うやつとは戦わなくてはいけない。なんだかあんま戦いたくは無いと思うアリスだがそこは仕方がない。



「その杖...つまり、お前を倒せばいいんだな?」



「男には用はない。消えていいぞピロピロ」



「お前をぶっ倒すから関係ないがな」




「そうか、楽しみだな。ピロロロ」


雨の御剣


レア度☆☆☆☆



ルビスが扱う武器。スキルは全て雨に関係している。雨のスキルで遠距離攻撃が可能で近距離遠距離どっちも長けているという利点もある。

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