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十九話 眠りへと誘う世界


「....っと!....ちょっと!大丈夫??」



声が聞こえる。アンバーグが目を開くとそこには心配そうにこちらを見るアリスとテティがいた。

体を起こしなにが起きたかを記憶から探る。そうだ、グーグとかいう奴に攻撃をしようとして眠らされて...。

うーん、と言いながら頭を抑え立ち上がる。




「そうだ!!あのグーグとかいう奴は!!」



周りを見渡すとグーグというやつは相変わらず同じ場所から微動だにせず眠っている。寝ている間にもずっと寝ていたんだろう。鼻ちょうちんが大きくなったり、小さくなったりしている。何とかしてあいつに一撃を叩きこければいいのだが...。



「この辺は大丈夫みたいだが、あいつに近づくと眠らされるんだ。何とかして倒す方法を考えないと...」



そう、あいつは近くに眠りを誘うバリアのようなものを張っていて、一定の範囲に侵入すると睡魔が襲いかかり結局眠りについてしまう。それの突破口があれば良いのだが...。



「そうだ!!こんなのはどう??」



そう言いながら指をパチンと鳴らし何か思いついたようにテティがそう切り出す。



「ハンバーグに戦わせて、寝たら起こす。そしてまた戦わせて寝たら起こす!それを倒せるまでやるってのは?」



「俺をなんだと思ってんだお前は...」



「じゃあ、ハンバーグを敵のところまで押し込んで...」



「絶対にやらんぞ!!」



言い終わる前にアンバーグに却下されテティはムスッとしたような顔になる。そんな話をしながらグーグのほうを見るが、いつもと変わらずずーっと眠っている。



「よし!」



「いい案が浮かんだの?」



「俺に任せろ」



なんだかアンバーグがやる気だった。いつものようないじられている時とは違いなんだか凛々しいような気もする。アンバーグはただグーグの近くに向かって行く。一体何をする気なのか...。

一定の範囲に入ると急に眠気が襲いかかってくる。まぶたが閉じろと命令しているようだ。目の前がぼやけるように見える。頭が眠れと命令している。



「眠ってたまるか!布団が吹っ飛んだ!!」



アンバーグはそう言いながら睡魔に耐えながら精一杯上に矢を自分に放った。それは氷をまといアンバーグを突き刺す。突き刺さったところからは血が流れてきている。アンバーグは寒さで身を震わせた。アンバーグの武器は当たった者をギャグで震え上がらせる効果があるのだ。



「寝ないぞ!!」



まさかとは思うが自分のダジャレ矢で自分を打って凍えるようなダジャレで睡魔を誤魔化す気なのか。なんて無謀なことをやっているのか。ダジャレを言いながらひたすら自分に矢を放つ。そして一歩一歩、確実にグーグに迫っている。



「やってることは馬鹿みたいだけどこれいけるわ!!」



もうもはやテティのいつもの口の悪さに突っ込んでいる場合ではなくひたすらグーグに近づく。そしてついにグーグの目の前にまできた。体には無数の矢が刺さっていて血が先程より多く出ている。グーグに矢を構えるが睡魔も限界が来ていてゼロ距離でうとうとしたがその場に倒れてしまった。



「この焼肉は...焼きにく....い...」



「ひゃあ!冷たい!なになに!?」



アンバーグ倒れたが最期の矢はちゃんとグーグにまで到達する。寝ていたグーグは急に肌に冷たい感触が来たことに驚き飛び上がるようにそう呟いた。すると周り時あった眠りのバリアのようなものは少しずつ薄くなり次第に消えていった。



「アリス!!今よ!!」



「魔刀の雷砲!!」



アリスのスキルの雷がグーグに向けて放たれる。眠りバリアは弱くなっていてスキルを弱めることなくグーグへと到達する。グーグは大きな悲鳴をあげてその場に倒れた。



「勝った...の?」



「そうみたい」



アリスとテティはハイタッチをするそしてアンバーグお方に向かうと回復薬を使い回復させた。この回復薬は回復量があまり高くなく戦闘では隙ができてしまいあまり使わない。だがこういう戦闘後にはとっても役にたつ代物だ。アンバーグは寝息を立てて眠っていた。その寝顔は寝顔が少し可愛いような気がした。



「ちょっとアンバーグのこと見直したかも」



「テティ...ちゃんと名前で...」



「う、うるさい!間違えたのよ!」



「あれ?」



アリスは頰に冷たいなにかを感じだ。それは手や足にも冷たい何かが触るような感じになる。それは雨だった。いきなり降ってきた雨はだんだん強まってゆく。



「あれ?やんだ」



と思ったらすぐにその雨は止んだ。通り雨だったのか...。床は雨で濡れていて近くの屋根からは雫がポタポタとたええている。




「lこれでいいの?」



「ああ」



アリスたちを遠くで見ていたザーザはそうたずねるとドカンは頷いた




「ところでドカン...あの男に何をしたの?」


視線をドカンからアリスたちの方に戻したザーザがそうドカンに尋ねた。その視線の先のは眠っているアンバーグがいる。ドカンはん?と言いながらザーザの方に視線を向ける。



「まあ、あの男にはちょっと面白い細工をした。今やってもいいが、それだと面白くないからな...。お楽しみは後にとっておくものだ..」



「......そう」



ドカンたちの視線の先にいるアンバーグは、自分に細工をされたなど全く知る由もなく、気持ち良さそうに眠っていた。




キンキは仰向けのまま空を見ていた。自分がはアリスに負けてしまったのだ。武器の弱点を突かれ、あっさりと。体を動かそうにももう戦える気力は残っていない。



「この美しすぎる僕にも負けはある...少しぐらい欠点があったほうが美しさは増すのさ」



「もう一度リベンジするというのはどうですか??」



その独り言に答えるかのように誰かの声が聞こえた。頭の方に何やら誰かがいる。仰向けのまま上を見るとそこにはスーツを着た緑の恐竜のような者が立っていた。何やら紫の風呂敷を持っているようだ。この魔物は...?



「独り言を聞かれてしなったようだね。まあ、美しいのは事実だから変えようがないがね」



「あなたにこれを差し上げましょう。きっと、きっとお役にたつと思いますよ...」

武器紹介



睡魔の杖


レア度☆☆☆☆☆


周りにいる者を眠りに誘うという恐ろしい杖。寝てばっかなので近寄らなきゃ問題はないけど倒さなきゃいけない時には厄介すぎる


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