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百七十六話 燃え盛る炎の化身



「んん...」


目を覚ましたアリスは辺りを見回す。そこには先程までいた店主のお爺さんの姿が見えない。なぜ自分が寝ていたのかもわからずにいると、「アリス大変よ!!」と言うテティの声が聞こえてくる。


「何?」


「優勝賞品が...ない!」


「え!?」


確かにどこを見渡しても探してもなぜかアリスたちが持ってきた優勝賞品がどこにもないのだ。



「と言うことは...一服盛られて奪われた...って考える方が自然よね」



「あのお爺さんが?でも何でこんなことを?」



「さあ?でもとにかく探さないと...」




その時突然爆発が起こった。その爆発は街の方からだった。火の手が上がっているのが遠くからでも見える。アリス達はその場所に向かう。街に入るとそこらじゅうの街々が壊され壊滅状態になっていた。そしてその中心気にはレミーがいた。


「あなた、一体何をっ!!」


「よお、アリスじゃねえか優勝賞品ありがとよ」



「じゃあ、あんたがあの人を使って...」



「ああそうだ」



「そんなことをして何が目的なの?」



「ゼロ様の意向を示すだけだ」


アリスも忘れていたがレミーもゼロの部下だ。ゼロの目的は人間を滅ぼし魔物の自分が支配する世界を作ることだ。



「そんなことさせない!」



「そうだな、第二ラウンドと行こうじゃないか!アリス!!!」



「何?」


そのレミーの姿はどんどんと大きくなっていき、アリス達の何倍もの大きさになっていた。



「すごい!魔物の力を増幅させるというこの力は本物だったのか!!!」


そういうと肥大化した腕を勢いよくアリスに振るう。それを避けて炎を纏わせた剣で反撃をするがあまり効いていないようだった。



「そんなもの効くと思うか!?」



「なら...獄炎竜葬!」



そう言いながら炎を纏った剣で攻撃をする。炎は竜の形となりレミーに襲いかかる。その攻撃は少し効いたのか「ぐっ」と言いながら少しよろけた。



「テティ!そのままやっちゃって!」



「ふん!!」



拳で炎を風呂払い、アリスに向かって拳をアリスに向かって振り下ろす。その攻撃を避けながら再び近づいて行き、もう一度剣で攻撃をしようとした時だった。


「なっ..!?」


突然レミーの目の前にまるで壁のように白い炎が現れ、その姿は正面からは見えなくなってしまった。



「なら!こっちだって!」



アリスも炎を繰り出して白い炎の壁を相殺する。壁が消えてレミーが見えた瞬間、腕が勢いよく伸びてきてアリスをがっしりと掴んだ。


「っ!!」



「やはりお前は凄いな。だがお前に勝ち目はない。この力を得た俺は無敵!!」






「あんた...ゼロとかいうやつの言いなりか知らないけど、こんなことやって...ウグアァ!」



レミーはその言葉にアリスを掴んでいる拳を勢いよく握りしめ、握りつぶす勢いで力をいれた。アリスは呻き声を上げながらもどうにか逃げようとするがなかなか逃げられない。



「ふん、もうあのお方の力を借りるまでも無いだろう。これだけ凄い力をふたつも手に入れたんだ!今度はこちらから行く番だ!!!」



「何よそれ...」



「まあお前はこのまま握りつぶしてしまっても良いのだが、それだと面白く無いな..さてどうするか」



その時、レミーの腕に何かが飛んできて、大きな爆破が起きた。その爆発でアリスを握りしめていた腕が開かれアリスは脱出と同時に剣で一撃を加える。



「ネネ!ミミ!」



そこに現れたのはネネとミミだった。ネネが攻撃をし、レミーの攻撃を防いだのだ。そこへ炎で剣を纏いながら剣で一撃を加えた。

レミーはぐぐ..!と言いながらよろめいたところにネネとミミが追撃をする。





「やはりお前は危険だ。お前は本当に危険だ」



「そう」



「だから消えてもらおう」



レミーがそう言いながら地面に手をつくと、そこから黒い影のようなものが地面を伝ってアリスの方へと向かっていく。


「アリス!」



「わかってる!!こんなの当たらな...!」



そう言いながら移動するが、その黒い影はしつこくアリスを追跡する。その速さはアリスより少し早く、アリスにたどり着くと逃げようとしてもピッタリと張り付いていった。



「アリス!!」



「っ!」



黒い影は実体化をするとアリスを大きく覆ってアリスを包み込む。それを見たレミーは不気味に笑みを浮かべた。


「アリス!」



「アリスさん!」



そのアリスを包み込んだ黒い物体はレミーの元へと戻っていく。真っ黒で中が見えない状態だがアリスが中にいるのは確かだ。



「こうして捕獲しておけば、あとは雑魚ばっかだ」




「くっ...どうすれば!」



「よおデカブツ」



そう言いながら誰かがこちらにやってくる。その人物は「おいおい、俺たちを忘れたのか?」と言いながらかなり大きなレミーの方を見る。そこに現れたのは、アリス達と激闘を繰り広げたメルロとその上司イズだ。


「お前らは...」


「さあ、ここからは俺たち聖魔隊の出番だ」


「ふん、いいだろう!こい!」



「あなた!聖魔隊の!!」



「大会の件はどうも」



「さーて、今度はこのデカブツを倒せばいいのかぁ?」



「片方は俺に負けた雑魚もう片方はアリスといい勝負してた奴か。こっちの方はいい勝負できそうだな」


「舐めんなよ。もうあの大会の武器じゃねえんだ。今度はマジでできる」



そういうとイズは大きな剣、メルロは先が少し曲がった剣を取り出す。



「街を破壊する悪を滅ぼします」



「来い!お前達!!」



そう言って勢いよく拳を振り下ろす。その攻撃を避けて2人で攻撃をするがその攻撃はキン!というような鋼を攻撃したかのような音が鳴る。



「ウソだろ!」



「っ!」



「無駄だ!お前ら程度の力では!」



「アリスは行けて俺たちがいけないわけ...ないだろっ!!」



イズがそう言いながら凄まじい勢いでもう一度攻撃をするとその斬りつけた場所から血が噴き出てくる。それをみてレミーは「ほう...」と言いながらイズの方を見る。



「ほう...」



「どうだ?これでおとなしくなってくれれば良いんだがな」



「クク...そんなわけないだろう!!!」

そう言って今度は炎の渦を2人の周りに発生させ。閉じ込めてしまった。その渦の高さはかなりのもので逃げ場と言えるものはない。



「はっは!どうだ??もうお前たちはこれで...」



「行きますよ」



「ああ」

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