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百七十話 姉妹が紡ぐ絆



「ネネ!」


観客席のアリスはそう叫ぶが、白い炎の中のネネの姿は見えない。渦巻く炎の中でしばらく出てこないネネを観客席で心配するアリス。だがその時、炎の渦はシューという音とともに消えていく。一瞬何が起こったかわからなかったが。ネネの近くに水が垂れているのを見て全て理解した。



「ほう...水か...」



「これはぁー!!!これまた剣の進化だぁぁぁぁぁぁぁ!!」



その司会進行役の言葉に歓声が湧く。アリスもこれなら行けるかもしれない..!と期待をしていた。レミーが炎を発生させてネネの剣は水を纏っていて、剣を一振りすると三日月の形の水を発射してそれを簡単に相殺する。



「すごい!ネネ!これなら勝てる!!」

「妹のために、負けられない!」



「それで勝った気でいるのか?ゼロ様から頂いた炎はお前のそんな程度では消えないぞ?」



「そんなものわかってる。だからもっと全力で来なさい。もっと別の技だってあるでしょ?」



「はあ?何でお前如きにそれを見せなければいけないのだ?」



「なら、無理矢理にでも引き出してあげる!!」



そう言って水を纏った剣で一撃を加える。それをレミーは炎で防ぐが簡単に消化されてしまう。蒸発した水で起きた煙に視界を奪われたネネは迫り来るレミーに一撃貰ってしまった。レミーの剣の白い炎がネネを刺した体の部分を少し焦がす。



「っ!!」



「どうだ?お前水ではこんなものだろう!」



勢いよく白い炎で再びネネを包み込む。それを水で炎を消しながら攻め入るが、凄まじい炎に水の剣で攻撃しても攻撃しても白い炎が絶えることはなかった。

ネネの剣もアリスのものと同じで水を出し切るとしばらくは生成できなくなる。その間もレミーの白い炎が襲いかかってくる。


「っ...!」



「どうした?それで終わりか??情けないなあ!」



「なら..!」



そう言いながらネネは剣を構える。それはスキルを放つ構えだ。ネネは「スキル:水流打つし鏡!」と言いながら水を纏った剣を振り抜いて炎の中を突っ込んでいった。目の前の炎を消して大きな穴を作り、その中通って一気にレミーの方へと向かっていった。



「白花火!」



そう言いながらレミーが剣を振るとパチパチと炎の火花がなり小さな白く綺麗な爆発がいくつも起きた。咄嗟に水の壁を目の前に生み出してそれを防ぐ。



「お前は甘すぎる」



水で炎自体を防げても剣自体を防ぐことができず、何も炎を纏ってない剣先がネネに直撃した。ネネは切り返しながらも反撃をしようとするが、ネネは攻撃を避けられてしまう。


「っ!」



「ふん...なに!」



「はあーっ!!」



剣が刺さったというのにネネはレミーに近づき剣を振り下ろす。この距離ならレミーが仮にネネに刺さっている剣を引き抜いて防御に回ったとしても、間に合わない。



「白葬の渦」



そう言うとレミーの体の周りに渦上の炎が出現する。水でかき消せばいいと斬りかかるが、炎にぶつかると水は全て蒸発して消えてしまった。



「なっ!」



「はあ!」



レミーがそう叫ぶとその周りの炎は四方八方に飛び散って攻撃を始めた。そのいくつかにネネは被弾してしまい、その場に倒れ込む。



「ふん...もう終わりか?」




「っ...!」



「私ができるのは...やっぱりこれくらいか...ごめんミミ」



「何をブツブツ言ってるんだ?」



「でも最後に...できるだけあいつの手のうちを多くしておかないと!」


「ほう、勝てるとは思ってないのか。まあそりゃあそうだろうな」



「だから...できるだけあんたの技を使わせて繋げる...アリスに!!」

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