百六十九話 因縁の対決！ ネネvs.レミー
「はーっ！！」
そう叫びながらネネはいきなりレミーに剣を振る。だが涼しい顔でその攻撃を受け止めている。
「あなたを倒して！！ミミの敵を打つ！！」
「ほう。それなら頑張ってほしいものだな」
「言われなくても！！」
ネネは攻撃を続けるがレミーには届いていない。
「どうしたどうした？敵を打つんじゃなかったのか？」
「うるさい！！」
何度も攻撃を仕掛けるが、全てレミーは余裕そうな表情で避ける。
「くっ..！」
「全然当たってないぞ？ほらほらー！」
そう言いながらレミーは反撃する。レミーの攻撃は命中していく。ネネは「このおー！！」と言いながら剣を振り下ろすとその攻撃はレミーに命中した。
「ぐっ！」
「よしっ！このまま！」
もう何度か剣を振ると、先ほどまでのが嘘のようにネネの剣が肩や体に当たり、そこから血が出てくる。
「なに...？実は弱いとか？」
「くっ！！この！！」
負けじとレミーも応戦するが、先ほどの勢いはどこへやら全くと言っていいほど当たらなかった。
「何...？突然相手の攻撃が...！これならいける！！」
調子付いたネネがひたすらに攻撃を行なっていく。今度はレミーの防戦一歩となっている。
「そこだーいけー！」
「そんなやつ倒しちゃえー！！
「行ける行ける！！」
声援を受けながらネネはどんどんと攻めていく。相変わらずレミーは防戦一方という感じで攻撃をただひたすら防いでばかりだ。
ネネの凄まじい攻撃についに防ぎきれなくなり何度も攻撃を喰らってしまう。ネネは妹を利用した卑怯なレミーを許すはずもなく、容赦なく何度も剣で斬りつける。
「はーっ！！散々操り人形にされて私と戦わされた妹の分を喰らいなさい！！！」
そう言って放たれた一撃にレミーは「ぐああああ!」という悲鳴と共に倒れた。
「すごい！ネネ！」
「物足りないけど...敵はとったわ。ミミ」
「く...くくく！くくく...ははは」
そう笑いながらレミーは立ち上がる。その奇妙に笑みを浮かべているレミーにネネは不思議そうな顔になる。
「なに？負けそうになっておかしくなった？でも立ち上がってくれてちょうどいいわ。妹が受けた痛みはこんなものじゃないから！」
「はーあ、これで満足じゃないのか」
「は？」
「せっかく苦戦ごっこでもしてやろうと思ったけど」
そう言って剣を構える。するとそのレミーの動きは先ほどまでとは違い、俊敏な動きでネネに襲いかかってくる。
「っ！この！」
ネネがレミーに剣を振ると、その攻撃を避けて一撃加えてくる。そしてまたネネの攻撃を避けてまた攻撃を...というのを繰り返すように攻撃を続けている。このままではダメだとネネは一旦離れて、相手の様子を伺いながらどうににかしようと模索する。
「何とかして打開を...っ！」
そんな事を考えながらどのようにして打開するか考えレミーを見る。レミーは余裕そうに「早くこいよ」と言わんばかりの挑発をしている。
「ネネ!落ち着いて！」
そのアリスの声援に「わかってる...けど！」とい言葉と歯を食いしばる。
「はーっ！」
「ふん！」
ネネの攻撃を剣で防ぎ、弾く。そこにすかさずネネはもう一撃加えようとするが、後ろに避けられて腹に剣を突き立てられた。ゴフッと言いながら口と刺された腹部から大量の血が流れてくる。
「ほらほらーどうした？これで終わりかあ？」
「この！！」
一心不乱に攻撃をするが、やはり当たらない。そんな攻防をしていると、突然レミーが「グッ!」と言って胸を抑え始めた。何だかわからずネネが一撃入れるとその攻撃は簡単に命中する。
「こんなときに...！！」
「何だかわからないけど...一気に攻める！」
レミーの調子が悪くなったのを見てネネは攻撃を仕掛ける。だが胸を押さえながらレミーも剣で攻撃を防いだ。だが明らかに動きが先ほどより鈍化している。
「っ...しかたない。とっととけりをつけるとするか」
そう言ってレミーが剣を振ると、剣に白い炎が纏い始めた。
「あれ...まさか！」
「あまり使いたくはなったが、しょうがない」
「っ...！」
そのレミーの振り下ろされた一撃は凄まじく、ネネは剣から放たれた白い炎に包まれてしまった。四方八方を白い炎に包まれて身動きが取れないネネは剣で炎を斬ろうとしたが、炎は途切れる事がない。
「白キ炎々」
レミーがそう言うとその白い炎の中のネネの悲鳴が聞こえてくるのだった。
